つまるところ。

観劇や演奏会の感想を置いて行く場所。だって青い鳥には推しがいるから。もっと雑多なログもある。 https://utayomichu.hatenablog.com/

1月に行ったり見たりしたやつ

書いとかないと忘れるので……。

石丸幹二デビュー30周年記念オーケストラコンサート “アンコール”(1/8)

 「罪の遊戯」を聴きに行きました。
 ちがうんだよちがうんだよ言い訳をさせてください、ミュエリザとジキハイと最近見た演目(パレード、蜘蛛女)以外を知らなくて想起される情景がおれの引き出しになかったんだよ。すごいおにいさん*1と推しの「罪の遊戯」は圧巻でした。夏にもあったのは知ってたけどさすがにド繁忙期の最終〆日に北海道は行けなかったんだ。これで未練がなくなったのでいつでも成仏できる。
 だめだ言い訳になっていない。そもそも見送り考えてた手のひらをひっくり返したのがセトリ見てだったから言い訳も何もないっちゃない。罪の遊戯を聴きに行きました。他の何をも確認しないで行ったので会場で今井さんがいて大喜びしたり蜘蛛女のキスに燥いだりしていました。石丸さん脚長いですね……(愛と死の舞踏曲の感想)って言ったらフォロワーさんに力強く同意をいただいたりした。


〇みずほ成人の日コンサート(1/10)

 だいたいはここでわーっと書いたので……。成仏できると言った2日後にアイデンシュタインおじちゃんに大はしゃぎしたわけですがほらヒトの煩悩ってたっぷりだから。
 このコンサート、お堅い?伝統がある?ジャンルの内容が多い(と思ってる)ので、行くのは知らなかった文化に触れる動機が強いです。名前だけどっかで聞いたことはあるものから、「こんな雰囲気なんだー」になる感じ。興味が出たら調べてみりゃいいし、なくてもお試し版くらいの時間なので面白かったなーで終わるし。


〇リトルプリンス(1/14S)

 よかった。すごくよかった。心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、というような印象。うーん日本語がふわっとしている。
 キャスト陣*2を見た時点で素晴らしいだろうとは思っていたんですが、いやあのごめん正直あんまり刺さると思ってなかったんです(じごくコンテンツが好みなので)、いやそんなことはなかった。
 『星の王子さま』、本で読んだときにはいまいち感動しどころがわからなかったんですが。こういう話だったんだな……。

 全人類にお勧めできる。したい。初めてのミュージカルとしても誰かを誘うミュージカルとしても*3全力でお勧めしたいんだけど当然というかなんというかチケットがないから……配信を出してと思いながら、でもこの演目に関しては直接観るからというのはある……。砂漠を探してるときの歌とか一輪の花とかお花ちゃん(花總さんの役)との喧嘩別れとか、(わたしは)観てての感情の動きを土居さんの声に引っ張られてた感触が明確にあったので。からだの全部でわらっておこって、よそ見をしながら向き合うことのなさが王子の彼たるところなのかなと思うなどしました。あの笑い声が好きだよ。まさにプレゼントだ。

 花役の花總さん、可憐ないきものだった。なんだろう、なよやかで、「守られなければ死んでしまう」という感じの。王子が「あんなに無邪気で!」って言ってるように、なんにも知らなくてだから無邪気でだから不安がるいきもの。生まれてから彼しかしらないのだと、どのくらい愛されているかはわからないよね。

 飛行士とキツネの2役の井上さん、キツネの動きがすささっとしててかわいかったです。ぱっと始まってぴたっと終わる。はじめはほぼほぼ大人の価値観に立っていたのが、子どものまっすぐな激情で世界の見え方に気が付くような。「君の花が食べられないように」「柵と口輪を描くよ」飛行士のシーンはここが一等好き。だから泣かないでなのか、ごめんねの気持ちを精一杯、王子と王子の大切な花のためにできることを考えてなのか、飛行士はそれを言ってないから答えはわからないけど。飛行士が王子の見てる世界を、王子が見てるままの形で一緒に見ようとしたのがそこからなのかなと思った。ひつじを描いてやったときは、彼には箱の中のひつじは見えなかったのだから。

 ダンスすごいですね!!!木の根っこだな、とか、鳥だな、とか、言われなくても体の動きと衣装でわかる。コンテポラリー?というらしいですね。TLで見かけただけなのでよう知らないのですが。蛇のお兄さんがぐっと伸びて引き寄せるようにするーっと動くので、ああヘビだなあと思った。


◯映画「呪術廻戦0」(1/21)

 教祖やってる夏油さま、からっぽの狂熱って感じのぜんぜん楽しくなさそうなハイテンションでうわあと思いました。好きだよ。百鬼夜行対策部で掲示された2枚の夏油の写真、1枚は新宿で分かれ話と同じ服装、もう1枚は教祖さまスタイルで、この10年間で夏油は一回も捕捉されてなかったんだな……。
 里香ちゃんかわいいな……!? もっと化け物然としてるかと思ったら普通に10歳のおんなのこだった。見た目はめちゃくちゃ化け物なんだけど声が予想の外かわいかった。
 狂っているのは乙骨くんでは?????? 「ぐちゃぐちゃにしてやる」、ヒトが人間たる一線を軽やかに踏み越えたじゃん。どう見てもこっちのが強いだろな里香ちゃんが乙骨の防御や回避を担当し、当の乙骨はまっすぐな殺意をそのまんま突き刺しにいってるのやばい。目がやばいし躊躇いやパワーごり押しの戦術の方策もやばい。
 里香ちゃんが崩れて天に昇っていったのを裸眼の真希ちゃんも見えているようだったけど、あれは一体なんなんだろうね。人の負の感情が凝ったものが呪いなら、憂太へのだいすきだけが残ったあの少女は何ものだったのでしょうね。

 蛇足ですが映画見ながら、場の空気やヒトの情動の変化をまじで目の色と声の質感からしか読み取れないんだな自分ということを思い知りました。あと構図の読み取れなさ。存在してるけど己の網膜に映ってないだけ箇所を補完するのはできるけど、どこにも存在しない(映らないから画が用意されていない)ものを補完できない。もしやアニメやドラマを楽しむ上で結構なハンデだな? おそらくそういう(映らないものは用意されていない)メディアに慣れてるかどうかという話が半分、自分で枠を作って見るのがへたで、枠を設けてその内の全てが作られている箱庭のなかでじゃないと世界の形が見えないのが半分。
 そんでもってしかし感情を引っ張られるのはやっぱり声にらしく、人物や世界の構図の解像度は(観劇時に拾う情報量より)低めの代わり、情動を揺らされるのは観劇より大きく頻度が高くだったのでちょっとおもしろかった。緒方恵美(敬称略)の演技が反則級なんだよな。緒方さん以外の声優さん、名前と声が誰ひとり一致しなくて二次元カルチャーに10年触れてないとこうなるんだなってチョット危機感を覚えました。お話そのものへのリアルな感受というか解像度というかが低いの、たぶん人を知らないのもだいぶある。声の演技や今のアニメのお約束がわかってないから拾えてる情報が少ないんだろうな。


千代田区いきいきコンサート「カンツォーネの夕べ」(1/25)

 なんだっけ、年末の北斗の拳観に行ったときに掲示板で見つけたんだった気がする。テノール歌手3人のコンサートでしたが、お一人が新型コロナで欠席とのこと。19時開演は仕事終わりでも行けてハッピーですね。実際お仕事後らしく駆け込んできた方いたし。
 テノールってみなふわふわした声質なのかと思ってたけどあれは高さの指標であって、人によって違うんですね? という気づきをしました。それとも距離の違いなのかな(距離があるほど声の音ってふわふわして聞こえません?)
 ところで声楽してらっしゃる方々って皆さんこんな進行がうまいんです? いやほんとに進行がうまいんだよな……。年齢層に合わせたトークをしながらカンツォーネとはとか楽曲の構成とかを織り込んでいくのすごすぎてずっとほえーとしてた。

〇リトルプリンス(1/27)
 加藤さん王子も見ておこうかと思って。こっちを先に確保してて、土居さん回はほんとに偶然ご縁があったというのが正確。座席位置(スピーカーの真下)にもよるのかもしれないですが、加藤さんの歌だけスピーカー増幅がでかいので好みによると思う。台詞がまじでうまくて声優活動とかしてます? と思った。
 花總さんのお花ちゃんの「お願いだから、わたくしとあなたを僕たちだなんて呼ばないで」が相変わらず好き。かわいいね。自分で心をいっぱいにしてほしがるの、無邪気で幼く愚かで可愛いと思う。王子は『彼女の傍にいなければいけない理由』を探して星に残ろうとするけどお花ちゃんが言ってほしいのは『(いなきゃいけないからじゃなくて)僕が側にいたい』だから、彼女が足枷になりうる理由をひとつひとつ、かつて王子から教わったことで外していくのどっちも素直じゃなくて(というより自覚がないのかもしれない)かわいい。


〇Japan Musical Festival(1/28)

 にんげんがおおすぎてかおのくべつがつかないからなふだじまくつけてほしい それは半ば冗談としても知らない人が何人も出てくるとわからなくなるのは割とまじである。前半はそれぞれのお名前覚えていられたんだけど後半はわかんなくなってきちゃって、最後のご挨拶で平野さんがご自身の名前から始めたのホントありがとうと思いました。紫とかラメとか艶のあるオリーブとか、他の方と被らない色のジャケット選んでくれてたうたのおにいさん方もありがとうございます。
 花村さん、フランキー役だそうですね。そら歌がうめえわけだよ……。オタク、そこにすごいものがあることによる情動の想起を「顔がいい」とか「歌がうまい」とかの事実の提示で言葉にしがち(主語がでかい。)そこにある事実を口にするのが精いっぱいで感情を言語化する精神の余裕がなくなるんだよな。

*1:SGで石丸さん観てから彼の出る舞台はとりあえずチケット取るしとりあえず行くし題名のない音楽会は録画して見てるけど推しではないのでこの言い方しか。

*2:音楽座が最初につくった作品に土居裕子さん主演で井上芳雄さん・花總まりさん出るんだぞ これで期待できないって言ったら嘘だよ

*3:お子さんを連れていくなら現地より画面越しに、ところどころ大人が手伝うのがいいのかなとも思うけども。