つまるところ。

観劇や演奏会の感想を置いて行く場所。だって青い鳥には推しがいるから。もっと雑多なログもある。 https://utayomichu.hatenablog.com/

舞台「不滅の恋人」感想

感想…うん感想ですね。一個人の主観による感想です。
ネタバレを含むほどあれが何なのか理解していないんだけど内容知らないで観たい人は自衛してくださいね。

だいじょうぶです、栗山民也演出を信じろ(敬称略)

 

そして各関係者はお願い各シーンで演奏されてる曲の小題と曲名と出た年と簡単な背景をまとめて売ってください。有料PDFで売ってくれ。知識と教養がないと演出の半分がわからないのとても途方にくれる。くれた。

 

 

あの演目がどんな話なのか、というか物語だったのかさえ私にはわかっていないんですが、ただとんでもなくすごいものなのはわかった。

だって観終わったとき深い充足感と感動をもってたんだもん。

この状態でだよ? 理解度がゼロ、むしろマイナス突っ走ってる*1この状態でこの感動になってるのおもしろいけどわけは全くわからない(賛美の表現)
これが音楽の力、これが演劇の力だって言われたらそうかこれが……って人の温もりをはじめて感じた悪役顔するしかないよね。ラスボスでも改心しちゃうやつじゃん。
今回演目から引き起こされたものが理屈抜きすぎて考えるほどハテナが増えてしまうのであれなんですが。いやだってエネルギーだけ取り出して注入されたみたいになってるのおもしろくない??? 熱エネルギーだって媒体がないと届かないんですよ??? 真空断熱タンブラーですよ???

理解や解釈を深めていくには知識が、それも文字じゃなくて音由来の知識が必須なので、あのとき誰がどうしたとかこの曲が、とかは詳しい人にお任せすればいいと思う。そして詳しい人おしえてくれ。

 

ベートーヴェンも古典音楽もさっぱり詳しくない(つまり今回の私)人へ個人的におすすめな楽しみ方、各シーンの語り部で”ない”動いてるキャスト、だいたいアントニーか夫か弟子(記録者)なんだけど、その人の表情や目線をがっちり追うやり方ですね。目線を上げたり目を見開いて妻を振り向いたり痛ましそうにしていたり、その一言がそういう意味を持つんだなって助けになる。あとシンプルに”人”が見えて楽しい。

抜くのは語り部でも楽しいんですけど、言葉と音色と表情がめちゃんこ食い違うことってないので、情報量少ないままなんですよね…。演目そのものがけっこうなハイコンテキストで回ってる…いやそんなことないんだろうけど会話でなく説明台詞がメインなので、全体や語り部を中心で観てた前半は知らない国の年表眺めてる気分だった。たぶんそこを補ってるのが演奏されてる曲なんだと思うんだけど一曲もわからないので潤いというか彩りというかをえることができなくて…解説付きセトリがほしい……歌舞伎みたいなやつ……

歌舞伎、うんそうねそうだ、前提の知識がないと音声ガイドもパンフの解説がないで歌舞伎観てるような状態になると思う。物語でなくて声の音色や踊ってるひとの動きみて楽しむよりないじゃんあの状態。で、そう割り切ると構成要素は隅々まで鍛錬と技術と体感で成り立ってる芸の産物だからどの細部見てもそこそこおもしろいじゃん。何が起きてるかはわからないけど。うんまるっきりそんな感じだった。

……つまりあれか、ベートーヴェンと彼の音楽に詳しい人にはメッセージ性のはっきりした物語に見えてるってことだな……? やっぱり解説パンフPDF出して……?

*1:実のところ1幕終了時点ではハテナと炭になった期待しかなかった