つまるところ。

観劇や演奏会の感想を置いて行く場所。だって青い鳥には推しがいるから。もっと雑多なログもある。 https://utayomichu.hatenablog.com/

スクルージ感想というかログというか

まーじで感想です。脈略と可読性と客観性はどこかに行った。


ティムの子めちゃくちゃ可愛いですね? もちろん彼自身も愛らしいんですがカンパニーのメンバーに愛されているのがわかるのがすごく可愛らしい。
カテコのときキャシーの子がそっと引き寄せてたり、センターに集まるときピーターがそっちを向いて気にしてたり、後ろに下がるときはパパ(違うかも)がひょいっと抱いて持ち上げてたり、いつもは気にかけられる側の子役さんたちがお兄ちゃんお姉ちゃんしてるのも可愛いし抱き上げたり引き寄せたりする大人たちが可愛くて可愛くて仕方なさそうな手つきなのも可愛い。
前後入れ替わるときに聖歌隊のお姉さんとぶつかってた(まぶっと正面からいった)のを他の子が誘導したり下がりながらお姉さんが大丈夫ー?って手を伸ばしたりしててそういうところもなんかこう。いちばん小さい者があたたかに愛されているのなんかすごく好きだった。(9日の感想なんだけど11日もやっぱり小さい者たちが愛されていて好きだなあと思いました)

スクルージの感想としてはこれでいいんじゃないかなって気がしてきたのであとはいつものここを見てくれします。


・ボブが寒そうに手をさすったり 息を吐きかけたりしてる、その手袋がほつれてぼろぼろになってる。スクルージは手袋をしてないしハリーも手袋を取るから暖炉にたぶん火は入ってて、弱いから離れたところにいるボブまで届かないんだろうか。
スクルージをちょいっと指してボブに顔を寄せるハリーと、そのハリーに「メリー・クリスマス!」「奥様にも」って囁くボブが可愛い。2人ともこのくらいならスクルージは本気で怒らないだろうってところを知ってるのかな。
「メリー!クリスマース!」「良いお年をー!」嵐のようにやって来て嵐のように帰っていった。うんと年下のハリーのほうがスクルージに子供の気安さと大人の根気強さで接してるの可愛いと思う。

・クリスマスの買い物をするクラチット家のために市場の人々が特別に安い品を用意してるんですよね。本来なら商品にならないものかもしれない仕入れもしないものかもしれないけども。それでもって、きちんとお金を取るんですよ。本当は赤字かもしれないけど、それでもタダではない。言われた代金を払って受け取って、だからクラチットは感謝しながらも負い目なく彼らの心を受け取れる。
・オレンジがいいって言うティムにおばちゃんがオレンジを渡して頭を撫でてやるのが好きだしボブがちゃんと気がついてお礼してるのも好き。

・温かいスープをくれたトムには(ちょっと)優しくしてくれたから(ちょっと)優しくしてあげる、スクルージは優しさに飢えているんだなあって。
結構な額の金を担保なしで貸してやり、あの感じだと返済もそこそこ待ってやってたスクルージ、優しいかどうかは置いておいてやってることは全く情がないわけでも、って気がするんだけどなあ。(吝嗇で偏屈だけど)誠実に付き合えば誠実な隣人ではあるっていうのをハリーが示してる気がするんだけども。→金貸しが仕事らしいから全くの親切心ではないんだろうけど(ユダヤ系の名前じゃないっぽいから本業も別にあるのかと思ったんですよ。)
・なのにスープには肉が入ってないの、それでさして怒りも傷つきもせず淡々としてるの哀しくない?嫌われることに慣れている。

スクルージの寝巻きはよく見ると襟がほつれて継が当たっている。彼が金を惜しむのは他人にだけじゃなくて自分にもなんですよ。人を思いやらないのと同じに自分すらも思いやらない。過去の精霊が出てきたときに前を隠すから、その格好がかっこ悪いというか見っともないというかは思ってるんだろうなって。
・首に銀色のチェーンがかかってて、自分にも金をかけないスクルージが持つ唯一の価値ある品があの指輪なんだなと思う。

・過去を見るスクルージ、ジェニーが自分に手を振ってくれないことに動揺するんですよ……(自分を)人が嫌うから人は嫌いだと言い放つスクルージじいさんが自分を愛してくれると疑わない唯一の存在……。
・帰りましょう、って言われて本をきつく抱きしめてふるっと小さく強く首を振る少年スクルージ。こわがって暖かさを遠ざけるスクルージに辛抱強く愛をくれるのは小さい妹なんだな…。
・ジェニーに引っ張られてちょっとつんのめりながらも笑顔を浮かべる少年スクルージが可愛い。

・踊れないから逃げ出して木箱に座ったスクルージの横に座って、怒るでもなく彼ができることを一緒にしようとするイザベラのやさしさな……。家族に囲まれて、踊れない、って口にしたスクルージに手を叩いて拍子を取ってみせるおかみさんとイザベラと、それでも躊躇う彼に雇い主のおじちゃんがにこにこしたままぱっと手の平を開いて見せて。イザベラに誘われるように曲に合わせて手を叩く、その一拍目が少し遅れてぎこちないのが可愛い。
・ゆっくり手の甲を触れさせて始まるダンス、スクルージが何が起こっているのかわかってなさそうなまま惹かれているのがこう。
・ちょっと思ったんだけどさ、あの指輪、ジェニーの形見だったりしない……?スクルージが指輪を持ってそうな理由がほかに思いつかない。

・仕事をしてる若き日のスクルージ、ジャケットの肩幅合ってなくない?サイズが合ってないのか時代遅れの型なのかわからないけど、自分の服装に頓着しないで安いから(あるいはもらったから)着てるな……?あとこれラスト見てのもしかしてなんだけど、イザベラには指輪を贈ったけどもしかして自分はしてなかったりします?→してなかった。そういうところだぞスクルージ!!!!!
・こちらのお嬢さんよ、ってお金を触られたスクルージが反論しながらお金の入った箱を金庫にしまって錠まで掛けるの。イザベラですら信じられない。
・指輪を計りにのせられた音でスクルージが目を見開くんですよ、それでもなんでイザベラが怒っているのか、怒ってるんじゃないのかな、変わったって言われる意味がわかってなさそうで、憐れだなあって思う。

・言うべき何かを見つけられずに口を開けては閉じて、ぱっと目を逸らして仕事中だからって突き放す口振りはそこだけ見ると動揺が嘘みたいに平静に見えて、あっ逃げた!感
・できないところを見られたくない、それぐらいなら初めからしないほうがいい、みたいな考え方そういうところだぞスクルージ。でもこのずるい臆病さはどう見ても無条件に愛された体験の少なさが起因だから責められないよなあ、愛されるべき時代に愛してもらえなかったことを責め立てるのはあんまりだ。
・このときイザベラはスクルージと一緒に、呼吸を合わせて真剣な目で、スクルージの言葉を待ってるんですよ。このときまでは彼女は諦めきっていなくて、でも最後の信頼を手放したのはスクルージなんだなあって。スクルージが目を逸らした途端、イザベラの目が一気に冷める。

・現在の精霊がいう「あの子はお前さんを好きなんだよ」って言い方が好き。現在の精霊、スクルージを寂しんぼで分からない子供みたいに扱うなあって思う。子供は愛されるものだってメッセージを出すこの作品でその扱いをされる(する人がいる)ことにちょっと安堵した。

・ハリー、自分ができないことを隠しもせず、それで笑われてもあっけらかんとしてるのがスクルージと違うところだよなって思う。一緒に笑ってるうちに自分も楽しくなっちゃうのが愛されてきた子どもだなって思うし、そこまで無防備に好きだよ!ってされたら周りの人間も悪意をぶつける気になれないよなあ。世界が敵だなんて考えつきもしない、愛されて愛して生きてきたいきもの。スクルージよりずっと「生き方」を知っている。
・もう帰ろうよ、って子供みたいに言うスクルージじいさんが哀れで切なくて好きです。楽しいパーティーが終わって、自分が独りぼっちで寂しいことを思い出してしまったみたいで。
・ところでハリー、ボブの給金を週15シリングって言ってるんだけどスクルージが払ってたの12シリングだよね?

・飾りを取り上げるピーターがもー!ってお兄ちゃんの顔をしてて、「僕がやるよ!」に(喧嘩するなら)って副音声が聞こえた(幻覚です)
・ピーター、妹(たぶん)に意地悪してるようで自分の手元に一番小さくて取手のない粗末なカップを残してるから見てくれ……。
・ピーターだけじゃなくてこの一家、一番小さなティムに一番綺麗なカップを渡して自分たちは所々塗りの取れたカップを手にとって、っていうのを自然にするんだよね。

・何もしゃべらない未来の精霊に自分から「連れてってくれ」って手を伸ばすの、過去と現在の精霊の言葉をちゃんと受け取ってるんだなあって感じ。人に期待するって信頼がないとできないことだからさ。
・クラチット家の面々が縫い取りしたり飾りを作ったりしてるのはクリスマスの準備と内職とどっちなんだろうね。ボブ、雇い主が死んだからたぶん失業者だよね。

・サンタしてるスクルージじいさん、キャシーやティムとの会話があんまりかみ合ってなくて(情報ではなく)好意をやり取りするための会話に慣れてない感がすごい
・地面をけって手持無沙汰そうにしてる少年(ハットをかぶった子)、よかったじゃんみたいな顔で小さく笑ってていい子だなーと