つまるところ。

観劇や演奏会の感想を置いて行く場所。だって青い鳥には推しがいるから。もっと雑多なログもある。 https://utayomichu.hatenablog.com/

DAZZLEが主催「SHELTER」の感想、またの名をオタクの悲鳴。(ネタバレはない)

本日8月24日まで「SHELTER」という演目の公演期間で、その感想?です。素敵な作品だよ。

内容の詳細は口外できないんですが、再演が決まったら初演の様子が気になる方も出てくると思うので雰囲気だけでも伝わればいいなって思って。
大丈夫わたしは正気です。ちょっと現実から目を逸らしているだけです。逃避といいます。この演目がネタバレ禁止なことには深く納得がいっているんだけどいいですか人間はキャパ以上の情動をアウトプットできないと発狂する。ここ数日のわたし見つけた情報と自前の幻覚でバッドトリップする生き物と化してましたからね。今もだよ。
このテンションでわーっと喋っていくので無理だと思ったらそっと閉じてやってください。わたしはわたしが発狂しないためにこれを書いている。自分で自分にDM送り続けるだけじゃ足りなかった。


個人的にテンションが上がるところ。

〇注意喚起やルール説明がそのまま物語の導入として機能している

これすごいなって。事前に注意事項を示した上でパフォーマンスとして再度流せば、知ってた人はそのまま見てるし忘れてた人は確認できて、初めてで勝手がわからない人も基本の動き方は理解できる。注意喚起もしつつ安心感と安全の両方をパフォーマンスの一部として提供するっていう発想がまずすごいしそれを本当にやってのけちゃう技術とセンスがすごい。
主催のDAZZLEにゲーマーさんが多いと噂に聞き(ごめん真偽は確かめてない)なるほどなー!と思った。受け取り側に世界観と心構えを伝えるチュートリアルなんだなって。豪華だなチュートリアル。位置づけとしてはむしろOPなのかもしれない。ゲームが下手で詳しくないんだけどほら、電源点けると一番に流れる映像や音楽。

 

〇自由度が高い

イマーシブシアター形式だから色んなところを見られるというのもそうなんですが、楽しみ方の自由度が高いなって思う。
チュートリアルパートで行動目標を提示されるんですが、必ずしもそれに従う必要はない。それをしなくても楽しめるほどコンテンツが濃い。
提示された目標に従って動いてもいいし役者さんのダンス*1を見てもいいし小道具や仕込みを観察して回ってもいい。基本の行動ルールさえ守れば何をしても自由で、細部まで世界観が反映されてるから何をしても楽しい。どんだけ仕込んだんだ。色々見ているうちに大人の事情でそうなってるのかもしれないところと作り込みの区別がつかなくなってきて、それもまた楽しい。

 

〇"いつも同じ"ではない

ナマモノ舞台の醍醐味はここだと思っているんですが(あと人間の情報量)、生身の人間が演じているので同じお話でも全く同じにはならないんですよね。避難者の位置によって動線が変わったり、パフォーマンスの間に避難者を移動させる仕草が入ったりする。そういう仕草ひとつにさえ、この役者さんはこの人物をそう捉えてるんだなっていうのが見て取れる。加えて小道具が落ちたりずれたり集まった避難者がめっちゃ多かったり、ちょっとしたアクシデントなんかにもその登場人物として対応してくれる。これ全員がなんですよ。客演の方もそうなの。そのおかげで、彼らは"役者が演じる人物"ではなく"このシェルターで生きている人間"だという錯覚を比較的早期に得られます。*2
書いてて思ったけど振り付け決まってるのにアドリブで対応できるのよく考えるとすごいな……?
いつも同じじゃないのはこれだけじゃなくて、複数回来る人にもルーチンにならない(させない)ような細かい仕掛けがたくさんあります。例えば誘導されての移動。78人全員が収まらない部屋もあるから複数のグループに分かれて動くときがあるんですね。どのグループになるかで移動する順序や見る向きが変わってきて、同じシーンが別の意味にも見える。ふわっとした表現になっちゃうんだけど私のお脳ではこれ以上突っ込んで書けない。
でね、これふだん私のあそんでる界隈で使われる最上級の賛美表現なんですが先に言っとくねスラングだったらすみません、これら大小さまざまな仕掛けによって新しい地獄が軽やかに頻繁にぶちこまれる。公演期間たった半月だぞ。どんだけ仕込んだんだ。
ありがとうDAZZLEありがとうSHELTERに携わるすべての人間。おかげさまで情緒がぐちゃぐちゃだよ。ちょっと発狂しそう。*3

 

〇企画アカウントがある

DAZZLEさんの公式?アカウントとは別に、この演目用に企画アカウントが用意されています。
twitter.com

このアカウントをフォローしていると、TLに"シェルター内部からの"投稿が流れるというしくみ。
まるで彼らやあの場所が実在しているような臨場感があって楽しい。そして新しい地獄がゼロ距離でぶちこまれる。
よかったらこの企画アカウントの投稿さかのぼってみてほしいんですけど、投稿開始は6月からなんですね。公演が始まったのは8月の第2週です。劇団さん?グループさん?*4のファンは期待を膨らませながら公演に備えられるし、途中でハマった人もテンションを上げたりのたうち回ったりチケットを足したりできる。すごいね沼だね。この作品をいつ知っても情緒を狂わせる劇薬を軽率に摂取できる。
私的なことですが、はじめはリアルタイムに流れてくるpostを楽しんでいたのですが途中から致死量を超えたのでフォローを外して心の準備をしてから見に行ってました。どこからかというと時期は言えないんですが察してほしい頼む。


そんな感じです。再演があったら皆さんはぜひ足を運んでみてほしい。
いや私ももしあったら1回は必ず行くと思うんだけどあの、あのシェルターで生きているあの登場人物はあと数時間でこの世のどこにも存在しなくなってしまうので……今回そういう拗らせ方をしてしまったので……。ライナスの毛布を取り上げて同じ模様の新品を与えたら子供は泣くじゃないですか……。*5

 

音楽も好きとかこの人の動きが好きとか目線が好きとか(好きなところ、色んな方にいっぱいある)、内容に触れない程度に語ろうと思ったんですがまとまった出力ができるほど情緒が回復してなかったので……もうちょっと落ち着いたらにする……。これは笑ってほしいんですが私はいまキーボードを打つ指が震えています……

*1:大変申し訳ないんですがこの界隈に疎く、パフォーマンスをダンスと公演のどっちで使ってるのが判っていない。公演全体をパフォーマンスと呼んでると思ってるんだけど違ったらすみません。

*2:私は2日目に得てしまい順調にこじらせて今に至る。踏みとどまろうとはしたんだ……

*3:だからこんなところで叫び散らしている。

*4:「DAZZLE」という団体さんの属性をよく分かってない。ごめん

*5:演じている役者ではなく描かれた登場人物に入れ込んでしまう、たぶんあまり観劇に向いていないタイプの人間なので私…。