つまるところ。

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スリルミー配信ログ尾上私×廣瀬彼ペア

東京公演のときに何回か言ったし何回でも言うけど尾上私こわいんだよな……。このペア、『彼』をこんなに不安定で空疎にしているのは『私』が自尊を削り続けているからであるの質感が生々しいと思う。

 

「プロローグ」
尾上私、さすがの老いた人間の声なんだよな 皺の刻まれた声というか
とおい思い出を辿りながら訥々と話すような語り方するじゃん……。プロローグの『私』の語り、独白って感じの印象のが多いけど相手ありきで話しているような間とか視線とかの動きだなーと思う

「僕はわかってる」

松也私のめちゃくちゃ育ちの良いペンの持ち方が見えない!なぜだ!(そんなとこ見たがる人がいないから)
「君の弟に聞いた」語尾にハートマークがついてるんだよな 言ってる内容とそぐうてないんだよな
廣瀬彼の情動こもってない、それこそ台詞を言うような声ですよ
「お ま え も お な じ だ よ」の平坦な声な…尾上私のタイミングと表情が怖すぎるマッチ取り出し仕草が!映ってないだと!?
尾上私、なんか現場で聞いたときはお利口な歌い方だなと思っていたような気がするんですが、こうして機械の削ぎ落としを経るとこの時点から普通にこわいな? 『彼』の前にいるときの歌唱の、いい子の皮を被ったような芯の奇妙な揺らがなさ。きんとして硬い声の人ではあるけど、プロローグや1人になったときはそんな感じしない……と思うんだよな。
やっぱり二度目に口付ける前に喰らうように笑うよね廣瀬彼!?!?

「やさしい炎」
(少なくとも『私』には)蜜月だったろう高校の頃は牛小屋や資料室でいま燃やすのは廃墟なの、関係性の変化って感じでハオだよ。かつては使われていた、今は誰にも必要とされていないもの。2人の蜜月は昔から何かを壊して奪う営みだったんだの感もあります
「ぜぇんぶぅ!」ジャンルがホラーなんだよその声の出し方は。綺麗だと言いながら目が伽藍堂なんだよな
「気が変になりそうだ」「レイ?」こんな表情も抑揚も板のような、それこそ読み上げみたいに言われるこの台詞がある?
やっぱりこれそういうシーンだよね、の確信を強めさせてくる『私』だよ 乱れた吐息をするな(笑ってる)
尾上さん、機会通すと歌声のきらきらしたところが吸われる損な声質してるなあ その条件においても抱きつかれてからがらりと声が変わるのがわかるのですごいよ

「契約書」
「驚かしてやろうと思って」善意と歓びに満ちていうシチュなのか?(楽しんでいます)
「泊めてくれると思ったから」に悪気も気まずさも1ミリもないのやっぱりこわいよこの『私』……。
『彼』に浮かんだ喜びや期待の情動を『私』の言葉がひとつひとつ潰していくんだよこのペア……。
「帰れ」で本を抜き取る音が入ってるのはっぴー
「お前がいなきゃだめなんだ」から『私』の返事が来るまで、しかし『私』のほうを向いてすらいないんだよな廣瀬彼は……。「うらぎりだ」を1音ずつ区切って言うの好だよ

「学んだ甲斐がある」を半笑いの声で言うの、「僕たち法律の勉強どころじゃなくなる」に皮肉で返してるみたいで可愛いですね
「できる限りで」「勝手にしろ」の双方食い気味で押しこむように言うのな
尾上私の一本指打法、キーボードに慣れてない人間のそれで可愛らしいわね
「眼鏡がないと」というくせ、できた契約書を読むときはもう外して使ってないんだよね尾上私はね
甘く綺麗に笑って、しかし自分の指先だけを見つめて囁く「痛くはしない」、ねえそれ誰に向いてるの……?と言いたくて言ってる……?の気持ちが湧いてしまうんだなあ

「スリル・ミー」
廣瀬彼の言う「スリル」、死にかけている冷えた体に強烈な興奮剤をつっこんで血流を確保する類のそれでは……?
「これは、スリル、あるぜ」
わたしは尾上私のこの音程とテンポをしっかりまもったお利口な「スリル・ミー」が大好きなんですよ これが完全に崩れるのが「壊してくれ!」なところも含めて
廣瀬彼の爆発するような激情を伴う拒絶、弱って外界刺激への反応がほとんどしんでる精神でもこれだけの反応が出て来ざるを得ない危機だからなように見えてしまい

「計画」
事後シーンでこんな楽しそうでもなく『彼』へも冷たい『私』、やっぱり尾上私しか見たことないよ……。
「誇れるような」ことを欲しているんだな『彼』はさ……。奪われたから飢渇するんだよ
「しちゃいけないことってあるだろ!」にちっちゃく首を傾げるんだな廣瀬彼
『彼』の言葉の強さに反する縋り付くような切実さと心の見えなさがな……。ここ自分のブログなんで直裁にいっちゃうけど、意思や尊厳を踏み躙られ身体を犯された何も持たないものがよごれたまんまそらごとみたいな綺麗な夢を譫言めいて言うのと同じやつじゃないか?
「ハンマーで頭を割る!!!!」音を置く場所はばっちり填ってるのが余計に恐ろしさを増すんだよなと思いました。
「おーまーえーはーなあ!」とそこから続く「うちは最近おやじがけちで」の感情の乗っからなさ、やばいやつなんだよな この『彼』に必要なのはカウンセリングと安心な居場所だよ

「戻れない道」
尾上私がここで涙まで浮かべているの、それが本心からではないとは思わないんだけど“『彼』のもちものを奪って穢してそこまで追い詰めたのはお前だろう!?”の気持ちが

「スポーツカー」
「ドライブ、しよ」ガン決まったままの目も相まって不安定すぎてめちゃくちゃやばいやつなんだよな 「10歳くらいの子どもを狙おう?」のときと同じ不安定さ
「クラスのみんなが」「羨ましがる」子どもを誘うときの『彼』の言い分を「誇れるような」と照らし合わせてわたしは情緒が限界になってしまいました それを欲しがると思っているのは、君がずっと欲しかったものだからではないのかい
ここでガバッと距離を詰める、その勢いも怖いし切実さもこわい、縋るような、君が離れたら後がないとでもいうような切迫感

「超人たち」
はじめは座り込んでて極一部の席からしか見えないようにしてた尾上私が屈むけどちゃんと立っててえらいなと思いました
出てきたときから伽藍堂で、「スリル・ミー」の後からは残滓がかろうじて動いてるだけのようだった廣瀬彼に、ここで初めて充分に中身がみちていると感じてしまいおれは
自分の体を自分の好きにするって人が持ちえる最後の尊厳が奪われてしまったら、人ひとりを奪いつくすしか取り返す術はないんだよ

「脅迫状」
「完、璧だ」そんな自信を持った“男”の顔で
廣瀬彼、傷つけられたらちゃんと怒りが表出するようになってることにおれはわたしは
『彼』が「俺のためじゃない、世間体のためだ」というから『私』は「見栄っ張りの親父が」を言うのかな。同一化……というか同じであると『彼』に思いこますための

「僕の眼鏡/おとなしくしろ」
「新聞見た?」でそんなかわいこぶるんか君は
見てくださいこの言いたくないことを言わされているときの廣瀬彼の綺麗な笑顔と優しげな声の響きを そして契約書のときの「痛くはしない」を思い出して
『私』の声で言葉で、一度は取り返してみちていた『彼』ががりごり削られていくんだよな
畳み掛けるような加速、新聞だけ見ている『彼』に対して尾上私は言うたびに『彼』のほうをぱっぱと見ていたんだよね……。目的がそっちなんだなと
ここで交互に言っていること、『私』の危惧どおりになっていくんだよな どちらも思い通りに持っていくつもりでやっている、のにという

「あの夜のこと」
取調べの内容がほとんど書かれていないの、それが『彼』の考えてたことだからだったりしないよな……?
この曲の廣瀬彼、こんなに『私』を見てなかったっけ……。
「マ“ニ”キュアも」なんだっけ、このナンバーって なんか「マニ“キュ”アも」のイメージだったけど、木村私も松也私もニを強く言うよね

「あぁ!よくやった」を言いながら小さく引き攣ってる廣瀬彼だよ
「とにかく、家へ帰ろうよ」の穏やかであまめの声かけ、どういうメンタルでそんな声を……?
迷子になったような松也私の「戻れない道」リプライズ、かわいそうだなと思うんだけど同時にこみあげる『全部おまえのせいだよな』の気持ちを抑えることができない

「俺と組んで」
この台詞を悲しそうな顔で言うのが尾上私のこわいところだよ サイコパみが強すぎるんだよ
『彼』は「世間」と「みんな」に見られている自分を気にするんだよな
19歳松也私、登場したときからずっとなんだけど、……これはあくまで個人の所感なんだけどモラなハラみがものすっっっごく強いよね……。こんなのに執着されたらそら『彼』もこんな壊れたおもちゃみたいな伽藍堂になるよ
『私』に縋りつきそっと押し倒して口付ける廣瀬彼がずっと目を細めた儚い笑みのようなものを浮かべていて、「契約書」と「僕の眼鏡/大人しくしろ」で同じものを見てきているのでおれは大変ダメージをくらいました
「お前の『親父が』」を聞いた途端に笑みが消える尾上私、わっかりやすいわかりやすい そしてそのご執心めちゃくちゃにこわいんだよな……(好きです)

「死にたくない」
「死にたくない」、今回はちゃんと『彼』が映えるカメラアングルをしているのかどうか!廣瀬彼はこの曲の身体表現力がもの凄いからぜひともそれを切り出してほしいところ
もうちょっと、もうちょっと下まで映すか角度つけるかしよ?双眼鏡と違って顔をど真ん中に持って来なくても焦点ぼやけないんだから でも“壁”に当たるところまでは切り出したのえらかったよ(現場ではここ、鉄格子が何本かまでも見えるような身体表現がなされていたんですけどね……)

「九十九年」
やけに淡々と答える尾上私だよ
「僕たちはここから、一生、同じ場所で過ごすんだよ」の唐突な熱の籠り方よ
ここの、目の前にいる幼馴染がばけものだとようやく気がついてしまった廣瀬彼がとてもかわいそう 君が喜びを潰されて考えを否定されてきたそれははじめからおんなじ人間なんかじゃなかったんだよ かわいそうにね

34年前に取り調べた検事とシンクロしたきもちになれるの尾上私のスリルミーだけだよ……。
手の動きに意味があるのはそうなんだけどそれは全体の図が見えている中で手だけが明確な動をしてるから映えるんであってえ……。これはメタマクd1の映像でも思ったんだけどぉ……。
ここで感極まっている尾上私にこう何らかの同情や共感をしたいきもちは山々なんですが、ここで「待ってたよ」する廣瀬彼が回想のなかで一度もしたことない顔と声なの同情ができなさすぎる ありのままの『彼』を愛せ(そんなことをしている『私』にお目にかかったことはないが)