つまるところ。

観劇や演奏会の感想を置いて行く場所。だって青い鳥には推しがいるから。もっと雑多なログもある。 https://utayomichu.hatenablog.com/

ジキハイ3/26M感想殴り書き

柿澤ジキル-笹本ルーシー-Dreamエマ-石井アターソン

いつも思うんだけどWキャストはチーム制にするか2役までにするかしてほしさがありますね……。それ以上増えるとキャラ単位のエピソードにしかならず大きな物語として見えないので。

 

1幕頭の石井アターソン、柿澤ジキルが「まだ生きている!」「方法はあるんだ!」と言うたびに辛そうな顔して目を閉じて俯くのでジョンお兄ちゃん……となった ジョンお兄ちゃん……

ジョンお兄ちゃんに言えないことはまあ誰にも言えないんだよな そんなジョンお兄ちゃんだからポールも頼りにして『話したいんだけど』みたいなアイコンタクトを送るし エマに話しかけるアターソンにポールがアイコンタクトを送るんだな

石井アターソン、胸倉掴まれてもジキルの目をまっすぐ見て「どうしたヘンリー!」って言ってくれるしその後もずっとヘンリーの身体を心配してくれてるしいいお兄ちゃんだよ
ジョンがヘンリーの顔を覗き込みながら優しく左肩に触れたのを、怯えた目をした柿澤ジキルが半身引いて手から逃れるのでやったぜとなる

今日はポールにメモを渡すとき左手をメモを受け取ったポールの手に下から添えてて、善側の支配権が強そうだった

 

理事会、将軍のステッキの先が折れてしまったのをすかさずサベージが回収してて匠のわざがあったよ。ちなみに婚約パーティでは新しいステッキになってました

理事会の大司教、性根と性格は悪いけどやっぱり身分として適切なこと言ってる気がするなあ。基本にやにや笑いで静観してるんだけど、ヘンリーが臨床実験を言い出した途端にさっと真顔になって、そこからずっと真面目な顔してやってるんだよ。

婚約パーティ、エマに振られてきたストライドをアーチボルトが(ヘンリーに絡むように)焚き付けて、大司教がそこにやめなさいって感じで宥めに入ってるんだな。ストライド大司教を振り払うように腕を振り上げながら背中向けて絡みに行く

やり込められて戻ってきたストライド大司教はおおよしよしして公爵夫人は慰めるように優しくシャンパングラスを渡しており、可愛がられている なおアーチボルトはややにやにや笑いで見ていました

花火が上がって皆が見に行くとき、エマぁ、と言いながら絡もうとするストライドと腕を組んではいはいみたいな感じで引っ張って行くのを見て笑ってしまったよ
社交の場で大司教ぱぱと公爵夫人ままに面倒見てもらっているストライド、おもしろいな……?

石井アターソン、どん底に入店するなりおかみにチップのお札握らせてるね。こういう店で気持ち良くあそぶやり方を知っている。

石井アターソン「いけなくなぁい!」(柿澤ジキルの左手を掴んで上げさせながら)
柿澤ジキルにジョッキの中身ぶっ掛けられてた。それでも笑いながら許してやるのいいやつだよ。おかみがハンカチ受け取って顔ふいてくれてたね。

ルーシーに渡された帽子を持て余している柿澤ジキル、よかったじゃんみたいなことを言うアターソンにじゃあジョンが被ってみろよって渡したしアターソンは文句も言わずに受け取ってかぶってやるんだなあ

 

 

「その目に」でルーシーと同じ卓についてぐっすり寝ている男がスパイダーだと漸く気づいた今です。エマの隣にはダンヴァーズという自分の身を盾に守ってくれる庇護者がいる、ルーシーの隣にいるのは寝所をやるかわり暴力で彼女を搾取する男

ダンヴァーズは起きて新聞を読んでいる、スパイダーはジョッキ片手に寝込んでいる、どちらもエマやルーシーに目をやる様子はない、あたり対比されてるんだと思うんだけどさ、エマにとっての父親の位置にいるのはルーシーの場合はスパイダー、これ「父親がわり」の符号だったら人の心が無さすぎる(好き)

火のない隙間に煙を見る二次創作オタクなので、その後の「あたしは誰」を観ながらスパイダーのほうにほんのわずかの憐憫てきなものがあったらエモいなと考えてしまったが、エモではあるが絶対にないだろと原作厨の私が言い張り二次創作オタクの私もその通りなんですよねという顔をしました

昨日も言ったんですが柿澤ハイドがサベージ(死)に肩を貸してあげるようになっているんですよね。げらげら笑いながらサベージの顎を指先で弄び、遊び疲れた子どものようにふうっと力が抜けて手が胸(死体)にぽすんと落ちる。
肩寄せ合って仲良くおねんねするんじゃないよ真性のヤバなやつじゃん(好きです)

手を口元に持っていって興奮した子どもみたいに笑っている柿澤ハイドもぅゎゃばがあったが、遊び疲れて作りたてほやほや死体と仲良くおねんねするハイドはぅゎこゎだよ 好きだが 好きだがこわ


「結婚式」のストライド大司教や公爵夫人という後ろ盾を失ったために社交の場で露骨に避けられていて(ちゃんと会話に応じるのは給仕ぐらい)、構って止めてやるアターソンはなるほど人間が出来ているんだな……という理解をしました

ジキルが挨拶を終えた後にエマに構おうとしたストライドが、石井アターソンに腕を掴まれて椅子に座らされてるなどしました。たしなめる口調で「やめなさい」する石井アターソンのジョンお兄ちゃん感だよ

結婚式でヘンリーの背中を撃つ石井アターソン、発砲の瞬間に俯くじゃん……。一発撃って俯いてた顔を上げてヘンリーを見て、次に二連で引くときにまた俯く 直視ができない

石井アターソン、最後やっぱ笑うよね……?エマの「いつまでも」を聞いて、濡れた目で静かに口元だけ笑うよね

結婚式でまず銃を向けたままのアターソンを、次いで息子に向けるようなものではない目をしているのだろうパパを強い眼差しで睨みつけ、その次に客席をきっと見据えるDreamエマがとても好きという話を昨日もしましたが今日もします。
どんなことがあってもふんわりと笑みを絶やさない彼女が唯一、笑顔の気配を完全に捨てるのがこのときなの最の高じゃん。

はじめて(劇場で)自発的に観たミュージカルがデスミュなので、ジキハイラストのあの構図で毎回デスミュを思い出しています。デスミュまたやってほしいし民也氏が捕まえられたらロングランでやってほしい。元四季にがんがんオファーかけて。5年ぐらいで。

 

柿澤ジキル、理事会で一文ごとに相手を煽らなきゃ気が済まない話し方するからダンヴァーズパパがぴくっとしたりやめなさいみたいなアイコンタクトしたりしてて気の毒なのよな。柿澤ジキルはそれ見てないけども。苦労するねパパ

1幕冒頭の「科学ではなく哲学の問題だよ、ヘンリー」を聞くたび、産業革命でイギリスは神を失ったからなみたいな顔をしてしまう。いえ時代が違うのはわかってます。
イギリスは長らく神の存在を道徳の軸にしていたが、産業革命だったかES細胞(ヒトの手で動物の命を作る)だったかでその確信をなくしてしまったため、代わりの指標を科学に求めている節がある、だから生命科学の研究のタガが他国よりゆるめになりがちなのだ、みたいなことをむかしに科学哲学やってる大学のセンセが言ってたんですよね。(EU成立より前の話です。)

「罪の遊戯」ラスト、柿澤ハイドに吸い寄せられるように顔を寄せて目を閉じ、キス待ちの姿勢になった笹本ルーシーと、優越の笑みを浮かべた柿澤ハイドが触れる寸前で一度動きを止め、彼女の鼻先に唇を落としたのを見ましたか おれはみました
リップ音もしたからあれはキスをしたよ

石井アターソンがルーシーの肩を掴んで今すぐ出るんだ!とやったとき、笹本ルーシーがびくっと竦んで後ずさったのを見てウッとなるなどしました。長くなるからとかどうせわからないだろうとか信用しきれないとかできちんと説明しなかったから、ルーシーは男に脅されて頷いたとしか思ってないんだよな。だから天気が悪い程度の理由で明日に延ばしちゃう。

ところでさ、2幕地下室での「頼む」(ルーシーのところへ使いに走ってくれ)と結婚式での「頼む」(俺を”自由”にしてくれ)、もしかして対比になってますか。ハイドの中で消えそうなジキルが、自分のことを思ってくれるなら彼女を救ってくれと膝をついて懇願する。
「いい考えとは思えない」手続きもルーシーへの使いも、ヘンリーとの友情にかけて彼を信じることに決めたアターソンは引き受けるけど、ヘンリーを殺すことだけはできないと一度は拒んだ。最後は果たしてやってしまうけど。

エマに睨めつけられた石井アターソンが拳銃を下ろして体ごと顔を背けて、両手に握ったそれを強い悔恨みたいな顔で見るのが好きですね……。

ところで石井アターソン、やっぱり「事件、事件」の2番目殺人の後に肩を叩くストライドの顔を見るよね。普段の蟠りより緊急事態での共感が上回って一時的な連帯感が生じているみたいに見えて、石井アターソンの人柄の良さって感じで好き(上川アターソンはストライドのほうは見ない)

ルーシーの寝床でハイドの言う「恋人が欲しがるようなもの」がさ、「同情心、連帯感、貞操感」なのかなしきいきものだよ……となってしまう。ルーシーに恋人がくれるようなものを寄越せという、でもハイドはそれが何かを認識することも理解することもできないんだよ。

個として尊重してほしい(ルーシーの言い方で言えば「優しい」)、同じ気持ちを分け合いたい、自分にだけ許す特別がほしい。ハイドが求めるのはそういうことだろうに、ハイドの目にはそういうものだとは映っていないのでしょう。人は(動物も)、自分の持ってる物差しでしか世界を見ることができませんので。かなしいね。

激しい語調で言う、負け惜しみみたいな「あいつは弱いやつだ、役に立たないやつだ、本当だ!」が好きだよ

それはそれとして柿澤ハイドがナイフの一撃を右手でルーシーの肩を掴んで刺すのでオタクはないてしまいました。笹本ルーシーは肩に優しく触れたジキルの手のひらの思い出をあんなに大切にしているのに、最後にそれまでハイドが塗り潰したよ。

柿澤ジキル、地下室でのエマの「祈ってる」に小さく頷いて応えるんだね

 

石丸ハイドは人の形をした獣性*1、純粋で冷酷な人類悪(ルーシーがただ一つの、)が支配力を増していくって感じだけど、柿澤ハイドは悪性の獣(バブ)がサベージあたりで悪性の獣(幼児)になって対決では悪性の獣(老獪)になってくんだよな。成長している。
ルーシーとの問答は、恋にもなれなかったものの喪失って感じだなと勝手に思っている。産まれるために必要な因子を持ってなかったから産まれる前に死んでしまった恋だよ

*1:キリスト教の概念、人の善性を天使に、悪性を獣にたとえがち