個人の印象・感想でありあらゆる個人団体思想宗教とは無関係です。ご了解ください。ご了解ください(真顔)
化学物質名をちょいちょい変な略し方してるのはあんま連呼すると変な自動リンクがつくからです、悪しからず。コカは植物名なのでこういう語の使い方はたぶんしない。
最後にぶちまけることでそこまでを穏便にしようとしているのでこいつそういうつもりで書いてるなと思ってくださいね。率直に言うけど私これの話とは関係ないところから臭うマッチョイムズに顔を顰めたクチなので。マッチョイズムじゃないかもしれない、ホモソーシャル*1……?ミソジニー……?思想を定義する言葉、それ使う人の活用が人それぞれでじょうずに理解できてないんだよな……。
Wキャスト組はいっかい書いたのでさくさく行きます。
松下優也さん(アンダーソン役)
もしかして:このアンダーソン面倒見が好いな? 面倒くさいやつだなと思ってそうながらなんだかんだダニエルもモンローもそれなりに向き合って相手してやったり所々で気遣いが見えるのお人好しじゃん……。'00代ラノベの男性主人公みたいなお人好しの人たらし感がある、そしてその面倒見の良さで貧乏くじを引くタイプ。
ショーも見てない女も見ない、酒すらついででずーっと煙草ばっか吸ってるのアンダーソン……みたいな気持ちになれます。加藤アンダーソンは一応顔を上げて見世物や女に目を向けるのに松下アンダーソンずっと目線をテーブルに落としている……。薬物治療の後は抑鬱治療が必要そうな耗弱ぶり*2なのにめんどくせえ年上の男の面倒ばかり見させられることになるのかこの男……(ほめてます) 民衆に詰め寄られながら「俺に言うな」って口動かして腕の動きで遠ざけてるのつくづく貧乏くじ引かされている。
やーしかし前にも言ったけど、薄く涙の膜が張ったような常に光を反射する眼とほんのり紅潮した頬に生気の薄い表情と心ここにあらずな反応が乗ると恒常性調節機能がぶっこわれてる半病人みたいな風体になり入院しろ……みたいな感情を喚起される(賛美の表現です) まなこに潤いがある、血色が良い、健康で生命力がある個体の記号が立ち振る舞いひとつでここまで病的に見えるのすごいよ。
ところで今更なんですがアンダーソン粉だけじゃなくて煙でもコカ入れてるんです? 吸引だけじゃ足りなくて粉入れた後そう時間置かず煙も足している? ダニエルに目を遣りつつ首や腕をがりがり引っ掻いてる加藤アンダーソンが煙草に火をつけてからはおとなしく小さな欠伸をし始めたのそういうこと??
ちょい話変わるんですが松下アンダーソンも加藤アンダーソンもヤク入れてからしばらく鼻を擦ったり啜ったりの仕草してるのよく調べていらっしゃる……と思いました。演技ではなくて体調崩されてたのでしたらすみません。
小野賢章さん(ダニエル役)
小野ダニエルあの「孵化してしまった」感がめちゃくちゃこわいんだよな……(賛美の表現です)
2度目の入れ替わり直後の精神と身体のパスがまだ繋がりきってないような少しぽわっとした反応から何かが流れ込むように存在の重さが増していくあの感じ、目覚めさせてはいけないものを覚醒させてしまった取り返しのつかなさ。
小野ダニエル、素朴というかやせいのダニエルというか、元々あの気質なのが人間関係や躾で撓められることなくのびのび育ったのがあのダニエルなんだな……みたいな感じがする(賛美の表現です)木村ダニエルのお育ちよく躾けのしっかりされたノブレスオブリージュ(アメリカ人だけど)が芯まで入った好青年っぽさとはまた違う天然もの感というか、ダニエルが感じたことを取り繕いなしに表に出しての自然体があの無私の善人になるんだな感というか。「胸が…!」周りで己がキザなことしてる意識が全然なさそうなのとか、2幕のお土産()もって帰宅したときのグロリアとの会話で表情つくろうとして頑張ってるけど目が全然笑えてないのとか、世間や社会の「普通」を意識して合わせ振舞う行為そのものに慣れてなさそう。この素朴で素直でちょっとずれた善性の心に傷をつけず鎧もはめず育て上げたじいやと両親の教育に乾杯だよ。日本だと真っ先に子供集団から排他されるタイプだよこの子供(ほめてる)
ところでさ。気のせいかもしれないんだけどさ、ダニエルって預言者か神の子のミーム乗ってる?ミーム?属性?メタファー?そういう感じの……。I’mJack のジキハイ本歌取りよりもうちょっと材料してる感じの……。7年前シーンで馬車に跳ねられた女性の夫にお金渡した後のこんな人がいるなんて!の歌とか、医師仲間3人組の流石おれたちのダニエルだぜ!とか、あのあたりでなんか……この感じ知ってる……ってなるんですけど……。預言者ミームっていうより聖人描写なのかな、聖人崇敬の文化に触れたことなくてアンテナ生えてないのでわからんけど……。林檎が柘榴の失楽園なんだとしたらくっそ悪趣味でめちゃくちゃ面白いと思うよ、うん……(ほめてる)(本当にほめてる)(そしてこの脚本ならやりそうと思ってる)*3
加藤和樹さん(ジャック役)
あのすげえ今更なんですが加藤ジャック7年前と現在とで人物違うね!?(本当に今更) 正体がとか別人だからねとかそりゃそうなんですが、2幕の誘惑者感、えっこのひと1幕のときからこんな誘うような試すような目をしていた!? ステンレス皿(膿盆だったかもしれない)から取り上げたメスをダニエルに差し出したときのわくわくきらきらしたあの目、1幕のジャックそんな顔してた……!? 生きているジャックは圧倒的に強いながら地に足ついてそうなずっしりした存在感(身のこなしは大変鋭い)なのに2幕のこの世に重心がないみたいなのびのびふわふわした妖精みたいな存在感、何……?いえすごくかわいらしいいきものですがあなたが規定する己の形はなに……?そうでした「お前の免罪符」でしたね……。命の鎖のない免罪符だから罪の意識にも現実にも縛られずちょうのびのびしている……。
I'mJackの後、グロリアが出てきたところで片脚伸ばしてもう片脚をスクワットをするように曲げてすーっと座りながら微塵も体幹ぶれないのつよ……と思いました。すーっと無関心みたいな静かな顔してたのがモンローがちょっかいかけにきてナイフ握らせられたりしてるときはちょっと獰猛なわくわくした顔していて(獲物を見つけたネコみたい)、ダニエルの殺人の機会?衝動?と連動してるんだなそしてダニエル自失のようでいてイラッときてるのかもしやと思ったりしました。
ジャック、一回目でめちゃくちゃ話したので今回はだいぶ短くなった。
さくさく#とは。ネームドシングルキャストいきまーす。
May'nさん(グロリア役)
May'nさんのグロリア一生懸命でいじらしくてダニエルへの思い遣りと罪悪感とで二人がんじがらめになってて可愛いと思います。高音がって感想はちらちら見るし確かに得意な音はそこじゃないんだろうなって感じはするけど*4台詞しゃべってる声がダニエルのキャラクターとベストマッチじゃんと思う。ダニエル、顔がとか脚がとかじゃなくてめちゃくちゃキャラが濃い(特に1幕)ので*5……。びいどろの色玉とかそれこそ彼女が着けてる髪飾りとかみたいな声のとろりとした光沢がなかったらダニエルの(この話に対する)非現実感が今より相当浮くと思うな私は……。
私はダニエルの腕をがっちり掴んで(余計なことを口走る前に)人気のないところへ連行する彼女の、仲間達の声に一度振り向いてにっこー笑ってくあの顔が好き。ごめんね彼は今日はそういうことで!後でね!みたいな。フォローと言い訳と振り払うのと全部まとめてできてる感じの。
グロリアの話するとどうしても脚本の悪意(ほめてる)の話したくなっちゃうんだけど、このキャラクターに脚本と演出(こっちは脚本に忠実なだけとも言える)が足並み揃えてぶつける悪意(ほめてる)(本当にほめてる)の量と質がえげつなさすぎて(字義通り)(ほめてる)それ抜きで見るの難しいんだよな……。
グロリア、脚本家の愛(悪趣味)を一身に受けためちゃめちゃ可哀想な役だな……と思う。オタク気質の物語産みってお気に入りのキャラクターに万能を持たせる(いわゆるメアリー・スー)タイプと可愛いねえ可愛いねえって愛でながら地獄の責め苦(グロリアはこっち)か地獄の性状*6を与えるタイプがいると思ってるんだけどこの脚本家は後者なんじゃないかと思うんだよね……。お気に入りのコ(架空人物)が惨めにきたなく穢れていくと愛しさやだいすきがあふれて胸が高鳴るタイプじゃない……?*7
Gloria(神の栄光を讃えよ)の名を与えられながら心身を売って日々の糧を得ていた彼女が初めてみた明るい未来、ひらかれた幸福への道を取り上げられ体と希望と心を焼かれ最期は愛する人を止めるため神の国への道を自ら絶って死ぬ*8、グロリアがいったい何をしたって言うんだ……。炎に巻かれた彼女への哀悼(だよねあれ?)曲がどう聞いても頌栄(栄唱)、讃美歌の中でも「神を讃えるための歌」なの*9盛られた悪意(ほめてる)の質と量にドン引きした(ほめてる)
明日を諦めていた女に神の御子のごとき清い男が自分のためだけに与えてくれた幸福を悪魔のような男が打ちこわし焼き払った、その光景を目の当たりにしている無力な人間たちに神のみわざに思いを馳せ神を賛美するためのうたを歌わせてるの悪趣味のかたまり(ほめてる)(本当にほめてる)なんだよな……。聞き逃しかもしれませんがあの場面ダニエルだけ歌ってねえんだよな……。
エリアンナさん(ポリー役)
ポリーはかわいい女だよ!!!!!!!!!
最初に観たのが松下さんアンダーソンの回なので本当にこの印象が全て。加藤さんアンダーソン回の彼にだから甘えられる感じも可愛いけど松下アンダーソンに対するときの少女のあどけなさがはちゃめちゃに可愛い。
「何でもよ。なぁんでも」
「あたしに贈り物?」「あたしバラだいすき!」
このあたりめちゃくちゃに可愛くないですか(真顔) かわいいでしょ(真顔)
わたしは”あなたをすきでいること”を無防備にさらけだしている少女のあどけなさに弱いんですよ……。たとえ同じ気持ちでなかったとしても「あなたが」「あたしに」石を投げるだなんて、この好意を叩き落とし泥をつけるかもしれないだなんて思いつきもしていないような、目の前の相手を信頼しきった少女性に本当に弱い……。
アンダーソンが逡巡したり(彼女に渡して本当に)いいのか…?みたいな顔したりしながら薔薇を渡してしまい、ポリーの喜びようにあいまいに頷きながらやっぱり返してくれとも言えないで(言いかけてたのはそれかもしれない)彼女を見ているのわかるよ……みたいな気持ちになる だってポリーかわいいもん…… ぬか喜びさせた上に他の男への目印だったなんて言えないよ……
もらった薔薇を髪飾りにして小唄をふわふわ歌いながらふわふわ踊ってるのもかわいいじゃん……。あの150分のなかで一番涙を誘うところはあそこだと個人的に思っているんですが私のそういう感覚はわりとバグってるぽいのでわからない違うかもしれない……どの作品でも周りのお客とそういうタイミング重なったことないんだよな……。
ロンドン好景気の7年前と単純比較をしちゃいけないとは思うんだけど、春を売る姿のグロリアが貴石でなさそうとはいえとろりとした色みの赤い石が連なった髪飾りを挿している(→終盤に確認したら布の造花?飾りでした)のに、ポリーは髪飾りもなく(その場にいる”商品”たちの中で目立たなければ売れないのに)ドレスに溶け込んで目立ちにくい黒い石?がまばらに入ったネックレスがせいぜいの装飾品なの本当にあの かなしい 明るい未来を自分の努力で今を変えられる希望をちっとも信じていなさそうであまりにも
ダニエルからコインを受け取る前に彼から顔を背けて唇だけでアンダーソンを呼ばった気がするんだけど11日の私の見た幻覚かもしれない……13日はしてなかった……。
ポリーのこと一番かわいいと思っているんだけど全然言葉が出てこないな……。私が文字にするの基本的に消化したい吐き出したいが動機だからかな……ポリーの可愛さって胸の奥のほうに柔らかい布を敷いてそっとしまっておきたい可愛さだもんな……。ポリー、そういう個人として人格のかたちがしっかりしてるし松下アンダーソンとの年齢差も綺麗にパッチ当たっててひとりの人間として全然違和感なくてすごいよ。同じセリフで会話してるのに加藤アンダーソン回より(役者さんが)年下の松下アンダーソン回のほうが幼いあどけなさに見えるのもまじですげえと思う。1幕の同じところで決まってマイクがざざっ、て鳴るのが唯一違和感ちゃ違和感だけどポリーのせいじゃないし…(3回観て3回同じところでノイズったのでマイクの位置だか音響だかがそうなるようになっちゃってるんだと思う。)
ところであのさ……違ったら本当にごめんなさいなんですけど。いやまじで本当にごめんなさい特定の何かを差別する意図はないしだからそうだったら善い悪いを言うつもりもないんですけど(ここまで言い訳)、ポリーってもしかしていわゆる黒色人種の役……? いえあのその「パレード」で黒色人種の役の人が黒い細いマフラー巻いて区別化してて、ポリーもドレスのレースから装飾品から全部黒なんだよな……。・・・いえすみませんポリーにそう感じたの本当はもっと別のところなんですけど違ったら本当に申し訳ないしそこ言語化すると私の差別意識のラインがむき出しになるのもあってどこにそう感じたかはちょっと言いたくないんだけど……。いやでも舞台がイギリスだからそんなことはないか……? 奴隷貿易の廃止後だからいる可能性はあるっちゃあるんだろうけどイギリスだしな……。イギリスへのすごい偏見なんですが、同じ国の背景もつ同じ肌の色の人間に階級つけて下/上に見て喜んでた文化のイメージが勝手にある。士農工商えたひにんの国が言えたことではないが。
田代万里生さん(モンロー役)
けたたましいおっさん(称賛の表現です。本当に。)
けたたましいが本来かん高いの意なのは知ってるんだけど、でも『やかましい』『おじさん』じゃなくて『けたたましい』『おっさん』なんだよなモンローさん……。ダニエルとモンローがでけえ声だすとスピーカーがビッ!!っていうんですよ(だから私はこの演目を引きで観たい)*10、ダニエルはマイク音量大きめなのもあるんだろう*11けどモンローはマイクに叩き込んでる音の量がでかいんだと思う。
ダニエルが取り出した腐りかけの死体や殺人代行エピソードには険しい顔してるのにポリーの死は高揚で笑いながら激写していて、葛藤なしに「ハゲワシと少女」*12撮るほうの人類だなと思った。良心や倫理観は人並みで、頭は良いんだけど衝動性が強い印象。ギャンブルで程々に勝つ/負けるができない人間。あんなにうっさいのに殴られるとすぐ黙るの面白いおっさんだよ。殴られて黙ってうつ伏せてるときは打たれ弱いんだな感が結構あるので、あのけたたましさ(称賛)は半分くらい顔と動きと抑揚なんだろうな……。
他の人物に相対しているときのモンローを正面から見たとき、見た目や表情そのものはさらっとしているのに笑みの形の目の奥が人間ってこんな目の光り方することあるんだ……みたいなえげつない(字義通り)光が灯っててなんかすげえ邪悪……って思いました。vulgarっつーかevilて感じの……固形にした糖蜜みたいな、すーっと甘いんだけど触れたところから冷たく感じる目の光、心底関わりたくねえ人間だなと思いました。人間やその人生を素材として扱うことの品のなさを理解して材料として価値のそろばん弾かれたなみたいな……? 粘っこさがないのがまたタチ悪いやつだよあれ、アンダーソンそんなもの連れ歩くなよ……自陣に置いとくと悪でないまま害を為すやつだぞあれ*13……。
はいこっから穏当を置いてきた感想になります。行は空けるから各自で避けてね。
ところでさ、田代さんのモンローにけっこうな頻度で50~60代のおっさんがチラついてるの、モンローがその歳のオヤジムーブをしたいおっさんなのか、モンローは普通の40くらいのおっさんで田代さんが演技のモデルにしてるのがそのぐらいの年の人なのかどっちなんでしょうね…。*14韓国版のモンローがその歳なのかと思ったけど、韓国カテコの感じもっと若そうなんだよな……。
おれは物語をやってる役者さんをアニメの声優さんと同じくらいの役割の濃さで見てしまうので板の上にいる人を登場人物ではなく俳優さん個人と認識することあんまないんですが*15、JtRはモンローというか田代さんに見えるしその田代さんの動きの間に50~60代のオヤジがずーっとちらつくので一体何が……?と思っていたんですがなんかこう……この作品演出に関してはそもそもがそういうものなんだなって……そんな感じなのお一人じゃないし……ネームドキャストの3~4人がそんな感じだし……。
んでも50~60のおっさんが見えないときのほうがやべえ目の色してるんだよな……でもたぶんこれ好みの問題だからな……。
モンローに関しては演目そのものとは別のところにも多少の……*16を覚えており、お兄さんはもう少しだけでもご自身の積み重ねの結果*17とファン層*18を信じても…いいのでは……とはちょっとだけ思っています。いえ私はお出しされる"商品"としての表現に勝手に偶像を見ているだけでファンではないのでこゆこと言うのも可笑しな話なんですが。
--昔見た怪人と探偵の思い出し怒りで1パラグラフほどキレていましたが↑より更にアレな内容なため自己検閲により削除されました--
--生身の人間を使い捨て素材として扱ってるの見るの好きじゃねえんだよな--
よーしこれで脚本演出まわりの感想にいけるぞ
※前にふせたで投げたのの整理になるけど色の話もできたらするね
・宗教ネタの話
最初ぐらいは前向きなことを言おうかと思った結果がこのチョイス。半分以上ダニエルとグロリアのとこで話しちゃったけど。
この脚本キリスト教ネタの使い方がくっそ悪趣味(ほめてる)(本当にほめてる)だし演出もその要素が拾いやすい悪趣味をサイコーに輝かせる表現で本っ当に悪趣味(ほめてる)(本当にほめてる)、『狂気の山脈にて』も裸足で逃げ出す畏敬の念の踏みにじり方だよ(ほめてる)(本当におもしろいと思ってるし本当にすげえと思う)(ただし教会つながりの知人には絶っ対に存在を知らせたくない)
このJtRの感想として「ミュージカルフランケンシュタインみたい」と言っている観劇者が結構多い印象なんですが、登場人物のネーミングから丁寧に仕込んだこのキリスト教ネタの不謹慎な使い方がそっっくりだよ。と個人的には思う。ミュージカルフランケン*19よりもう一段露骨というか露悪的だけど。十字教ネタに興味が薄いお客さんがJtRのどこにフランケンみを感じてたのかは私は知らない。
原作からしてそういう意味でも問題作(ほめてる)として名が知れてる『フランケンシュタイン』と違ってジャックザリッパーそのものにはそういう意味合いなかった気がするから、人によっては不意打ちで人生の芯にしてる価値観ど真ん中への侮辱として発動してないかちょっと心配にはなる。ミッション校にいたから遭遇頻度が高いんだとは思うんですが、いやいや題名からしてそうじゃん……なJCSや聖☆おにいさんに対してでもそういうオコしてる信徒そこまで希少ではないイメージがあるんですが……? 進化論を馬鹿のたわ言だとヘイトしてるキリスト教信者、もしかして過去の遺物や都市伝説だと思って……? わたし一時期は教会めぐりしてたけどかなり遭遇しましたよ……?
いやまあこの趣向そのものは個人的には嫌いじゃないんですよくっそ悪趣味だなと思うしキリスト教を好ましく思っている人には上記の理由で絶対存在を知らせたくないとも思うけど、せっかくやるんだと言わんばかりに一回一回インパクトを最大限に引き出してサイコーに輝いてるとも思う。キリスト教の信仰者が大多数でない国だから作って公演できる話だとも思いますし。大っっっっっ変に悪趣味だとは思うけど!(ほめてる)(本当にほめてる)(でも皮肉としてでさえも品の良い所業とは呼びたくない)
まあこの要素に留まらずJtRは有名作品のクソコラ見て指さしてげらげら笑うような視聴(観劇っていうか視聴。あの場を構成する要素としてカウントされたいかは別でしょ)の仕方が正解だと思ってはいますしそれを「深夜アニメ枠」と言ってはいますが……いやあのお話としての整合性とかキャラクター人格の一貫性とか宗教的な信念とか社会へのメッセージとか真剣に考えてもムカつくだけじゃない? おれは一晩で放棄したけどそういうものを期待しようとして心から黒煙噴いてる人をしばしば観測するのでみんな真面目だなあと思う。ないって信じるほうがラクだよ、あったら糞野郎と心の底から叫ばなきゃいけなくなるから。
(項目分けたんだから宗教ネタの話だけしなさい)(はい)
・女の扱いの話+キャラクター他の扱いの話
なんかこう……感想を書くしファンアートも描くし作品読解もするし戯曲や多言語版も観に行く相互さんたちが揃って「ホリプロ社に」失望していて、皆さん昨年後半から今年にかけてのホリプロ製作ミュージカル、背景説明A4用紙つき「パレード」→「アリージャンス」の流れや最近だとメリリーやジェイミーにホリプロ社の意志を見て社を信頼してたんだなあ……という感想を持ちました。JtR観てでこれに言及してるpost、作者や演出や出演者へじゃなくてホリプロ社に失望してる人が多いのがへーと思ったところ。某4部作3作目では作者に失望してたりドン引きしてたりする人が多かったので興味深かった。
個人的には……ごめんそういうの鈍くて……。というか出てくる男のみんながみんなTRPGのセッションか!?みたいな動きするのに気を取られててそれどころじゃなかった。こっちは後で言うけど。
この話の女性って役割がキャラクターよりプライズなのでひとりの意志ある人間として見たい人は憤りを覚えるんだろうなとは思う。わたしは作りの甘いナーロッパに出てくる異性キャラって男女問わずだいたいこんな感じじゃない?ぐらいの認識で終わったので特に……物語における役割が人間じゃなくて舞台装置なんだと思うよ……。この現代にここまでキャンペーン張って見せたがる作品だからで作り手側に時代に合わせたリテラシーを期待するとそりゃ憤りを覚えざるを得なかろうけど、むかーしの童話や民話に出てくる姫なんかと同じ動機付けに使われてる存在だと割り切れば舞台装置として輝いてるし、そもそもこの演目の男性キャラクターに意志の通った自我があるかって言えばないし……ホンと演出どっちの趣向か知らないけど……。
主人公的立ち位置のキャラクターにさえ成長も変質もあるわけではないので昔ながらの童話として見ても異質っちゃ異質なのかもしれんが、そのあたりは専門でないのでわからん。物語論あさった程度の知識しかない。
ダニエルが変質してると言えばしてるけど見た目の聖者から悪魔に転じただけなので人間性の成長はないし……そもそも7年前の時点で相当イカれてる*20のが示されてるので闇落ちも何も。「より多くの命を救うため無差別殺人の死体を買いとる」から「特別な人を救うために他人を犠牲にする」になったぶんだけ2幕のほうが情緒ある人間の発想としてはまともさえあると思うんですが。
ごめんね完全に話がずれるんだけど、7年前ダニエルのこういうところ、人格ぶれぶれなんでなければガチの狂人だよなんで誰も突っ込まねえんだよアンダーソン!ねえアンダーソン!!!と思うんですが私だけですか!??!?! ジャックの「俺と似ている」が当にの人物評価だよ己の行いに疑問も自覚もないぶんこいつの方がやべえよと思うの私だけ!? そんなことないよね!?!? ダニエルに脚長いなとか素朴だなとかの気持ちと正気で言っとんのかの衝撃を両立させて聞いてはいませんでしたか!?!?!? 「ロマンチスト」*21、うんロマンチストではあるんだろうけどそのラベルだけで済ませていい狂気なのかそれは!?!?!?!?
ずれ終わりました。戻りたいですね。キャラクターの扱いでしたね。
なんか……脚本か演出のどちらによるものか両方なのかわからないんだけど……登場人物がそれぞれの人生を生きている結果というよりはそれぞれのGM(ゲームの裁定者、進行役)やPL(ゲームの参加者)がPCを「自然に見えるように」「動かして」物語を収束させようとしてる印象をどうしても強く受けてしまい、非常に抵抗感が強い……。魂のある生身の人間っていうより物語を進めるための駒って感じがするんだよ……。
これはまっすぐな悪口として言うんですが、わたし作品を見ている最中にキャストの方のほとんどを登場人物ではなく俳優さんとして認識しながら観劇したの初めてに近いんですが……。そりゃもちろん全くないとは言わないけど、中の人ネタの茶番タイムとか千秋楽近くてそれぞれがネタ仕込んでて演技が飛ぶほどマジ受けしちゃったとかめちゃくちゃ噛んだとか、そういうネタやアクシデントがあったわけでもなくてそうだったのは初めてだよ……。
初見ではモンローがわからないわからない20くらい年上のおっさんの亡霊が見えるって言ったけど別にモンローだけじゃなくて、ダニエルにもアンダーソンにもなんならジャックの片方にもなんかそういうのがちらついて見える……。PL発言っていうかGMの確定ロールっていうか……。もっと穿った表現するとこの素材をこういう形にしてる俺すごいだろのエゴというか……。
また別の話になるし私がこの演目を好きじゃないではなく嫌いだという最大の理由なんですけど、この演目の男性キャストの使い方見てるとこう……なんていうかな……幼児割礼とか下唇を切って皿をはめ込む身分証明とか成人の儀式としての大人から子供への同性性交とか……そういうのと似た感じのうえー……感がすげえ強い……。いえそれが文化の一つであるんだろうしその部族でない者が善し悪しだ人道的にどうとか言うのはおかしな話だとは思うんですがだからと言って同じヒト種がやってる身体や精神を踏み荒らすその風習が現存するのを文化の多様性って素晴らしいねってにこにこ称賛するのも胃に穴が開きそうなダブスタだなと思うんだよな……。だから(だから?)おれはいわゆるゴールデン帯のバラエティが昔から嫌い……あの人権とか個の尊厳とかを端から踏み躙るような「企画」を「どっきり」だの「挑戦」だのして「笑えるモノ」とラベルを張る根性……知らなくてもいいんだけど中学生のやるイジメのネタの大抵はバラエティの「イジり」をなぞってんだよな……。あれが娯楽として作用するのはヒト種の本能として仕方ないのはわかるんだけど「笑い事」と認識できる感性はちょっと獣に近すぎませんか……。社会福祉と人権って適者生存・エネルギー余剰のない者から死ぬ自然摂理に抵抗するための人間の営みだと思うんだよ私は……。
突然ぼやっとした言い様になったんですが具体的な箇所を挙げると3人ほどに風評被害として作用するんじゃないかと思って黙っています。ただあの、この要素についての感情が頭をよぎるたびに私はこの作品のこと福田雄一監督作品で観たかったな……という気持ちが強くなっていきますね……。演出方針が特別に好きな監督さんというわけではないんですが(ごめんなさい)、というかどっちかというと苦手意識があるんですが(作品中に中の人ネタが出てくるのあんまり好きじゃないので)、でも福田雄一監督作品、彼がキャストの素材や彼らが積み重ねてきたものやその結果としての経歴に敬意を払って愛しているのがものすごく伝わってくるじゃん……。おれのなかで心底疲れてるときに観に行っても人間の扱いや閉鎖社会のアレさを透かし見て凹むことはまずない作品をつくる監督としてフォルダ分けされている。
・科学ネタの話
先に弁解します、私べつに創作作品の科学っぽさが事実と一致する必要ないと思ってはいるクチなんですよ。フランケンシュタイン(原作)もジキル氏とハイド氏(原作)も好きだし。なんならリボーンの超活性化くらいのトンチキも好きだし。架空の物質架空の用語架空の神経機能、作品中で筋が通ってれば普通に面白いと思うし、そこきっかけに元ネタの科学に触れてみようと思う人が出たら万々歳じゃないですか。そうでなきゃナーロッパや転生現代科学チート作品は楽しめないしさ。
……とは思うんですよ? 思うんですけど、知ってる用語にぶつかるたび、或いはン?と思って調べるたび、いやそれ違わない……? って気持ちが深まっていくのはちょっと……どういう顔して見ればいいのかわからない……。
あらゆるものをゴム越しに触らされてるような何とも言えない気持ち悪さがあるけど現実とずれたところにある世界の表現なんだろうなあ、でも気持ち悪いんですがそれ具体名出すの止めてぼかしたりしたらダメなやつっすか……と、このずれはそういう意図のものだと思っていたんですが、つい昨日コーク・バグ(コカインの離脱症状のひとつ)の日本語訳に蟻走感があてられてるのを知り、いやこれもしかして脚本か翻訳のどこかの段階で意味がねじ曲がっ……いやまさかな……という疑念が、いま。蟻走感は確かにむずむずするが痒くなくない……? というかコカに限らずアッパー系の薬剤の離脱症状で強い痒みは出ないと思うんですが……。いやコカインの話はいいんだ……ジャパニーズホモサピエンスのほとんどは一生ご縁のない物質だし医薬のヒトでもない限り調べなきゃ気づくこともなかろうから……。
梅毒は、梅毒が性感染症の1点を除いてあらゆるところが違うのは、何で……? アンダーソンの「薬あるだろ」ガチトーン突っ込みはめちゃくちゃ面白かったけどさ……(この時代にペニシリンは見つかってないので薬はないですが。いえあるにはあるんですが、水銀という「治療薬」が。)
時代考証がって些事はどうでもよくはないけどこの際どうでもよくて、梅毒はまず「体表から」症状が出て皮膚、骨、脳とやられていくのはそこそこ有名な話だと思っていたんですが……皮膚に梅の花が咲いて鼻が落ちて腫物ができて精神もおかしくなって(神経が侵されるので)、それでも肝心要の内胚葉はだめにならずなかなか死ねないから梅毒にかかった春売る女は悲惨なんじゃんよ……。グロリアは既に皮膚が焼け爛れているから第一期第二期の症状は見えなかったんだよとか言われたら流石にぶっ飛ばすぞしちゃう……今もなお実在する病気を使ってのその悪意は作者の歪な(ほめてる)愛だとしても度を過ぎてるよ……(たぶんそこまで考えてないと思うし「梅毒」も語としてはそれでもニュアンスがちょっと違うんではないかと思っているから言えるわけですが。)
梅毒の隠語だけど(医学の未発達故に)梅毒だけを指すものでもなかった「フランス病」でも……よかったのでは……? 身体を売る相手を選べなくなったことでの悲劇感を出したかったなら堕胎薬のほうがよっぽど肝臓がダメになるよ、シンプルに毒だし。いやそれだと純粋な被害者(ではないんだが彼女は)感が減るから駄目なのか……。
それら二つを専門的な用語だからと脇に置くとして、しかし新鮮な移植用の臓器を求めて殺人まで犯したダニエルくんのあまりに杜撰な生臓器の扱いにはツッコミを隠せないんですが演出の色映えてきにしょうがないのかもしれない。でも新聞紙で!!!包むな!!!!医者だろ!?!? 生細胞の乾燥への弱さよくご存じでしょうせめて紙を血で湿らせてから包んでくれ!!!!! なぜわざわざ血のひとつもついてない乾いた面を内側に!?!?速攻で水分抜けて臓器が死ぬが!?!?!? とおれは見ながら頭を抱えていた(比喩)しその晩ねむれなくて夜中にふせったーに叫びを叩き込んだし毎回同じ悲鳴を上げている。生体移植の専門家なんだろ!?!?
外側によく血の染みたどす赤い面を持ってくるのは遠目で見てでもわかるインパクトを狙っているんだなと思うんですが、それなら内側も赤くしといてくれたって……いいじゃん……。
細かいとこまでうるせえなって思うかもしれないけどよく考えてほしいんだけど、スーパーで生肉が新聞紙に置かれて売られてたらお兄さんお姉さんあなた買います? 道端にあった新聞紙でお握り包んだりそれ食おうとしたりしないじゃん。
その臓器をしまって閉めた小扉からゴムパッキン付き冷蔵庫みたいな音するのはその見た目の材質から!?ってなるけどあそこまでギャップがありまくるとめっちゃ面白いのでめっちゃ面白いなと思っている。
・そもそも。
最初に言うべきだったかもしれないんですが最後に言うとわたしには役者は何も悪くないし音楽も美術もなんなら話も好きではあるけど監督変わらない限りもう二度と見ねえと言ってるミュージカルが2本*22あったんですがこの度のJtRでめでたくなく3本目ができました。
ぐらいの認識なんですがまだチケットがあるから見なきゃいけないんだよな……何枚かは譲ったんだけど平日は里親見つけにくくてな……。だからこうぶちまけてるけどもう見ないしなで黙ってたら怪人と探偵みたいに1年後に発酵した怒りをぶちまけてた気がするのである意味これでよかったのかな……。
*1:勘違いする人いないと思うんですけどホモセクシュアリティとは全く無関係の単語だからな。ホモ(ラテン語語源の接頭辞、意味は「同じ」)と聞くと何でもかんでも同性愛の話だと思うおばか思春期を相手に仕事してた私の無用の警戒だと思いますが
*2:コカインがそもそもアッパー系だから離脱症状に抑鬱があるんだけどそれにしたって。
*3:宗教ネタの扱いがくっそ悪趣味で不謹慎でエンタメ性はばか高いよねこのホン……(ほめてる)(本当にほめてる)(でも教会つながりの知人には絶対に薦めない)
*4:「連れてって」がガチャなので
*6:地獄の性状の例.あせびちゃん、曲世愛
*7:某ぶっちーや某単眼猫氏がそういう感じじゃないです? ぶっちー氏は人物のきらめきを見せたいだけかもしれないけど
*8:聖書解釈にもよりますが、一般的に自殺はキリスト教てきにはタブー行為に近い扱いだったはず。神が使命を与えた創造物であり神が愛する存在である自分の命を殺して奪うことなので。
*9:どこら辺が頌栄なのかは前に話したから省略 https://fse.tw/Tu0KNpDj
*10:石丸さんと田代さんのデュエットぶつけられても持ちこたえるスピーカーちゃんだから、そうなるよう音響調整の仕方をしているんだとは思う。
*11:医者仲間との会話や歌、ダニエルだけマイクやエコーがなんかでかい
*12:この一件はカーター氏が心無いピーポーの声で自殺したとかそうなったら今度は自殺までの出来事まとめが作られバカ売れしたとかのエピソードまで含めて生きるために食おうとしてるハゲワシのがよっぽど上等だよってするのまでが流れだと思っているんだけどまあそれはどうでもよい。
*13:個人的にはえふご6章にいたリトルBBちゃん(ぐだとの対峙1回目)と印象が似てる
*14:初見のときはもうこれ20くらい上の歳の役者さんのが演技がハマるのでは……と思いながら見てたんですが、昨日見たら40前のおっさんに見えるときもそこそこあってそういうキャラの人物な可能性がワンチャン……?いえまずないのはわかってるんですがせめてその可能性を想定しないと繰り人形様の演技をどういう顔して見りゃいいのか本当にわかんねえ……とおもいました。
*15:というか前提が逆で、キャスト単位で追いかけるかを物語の1キャラクターをひとりの生身の人間に錯覚させてくれるかで決めている
*16:1000字を超える勢いでキレてしまったのでふせったーに移した
*17:10th記念コンサートですげえ数の申込みが来て急遽ワクから増やしたの覚えてらっしゃいます?
*18:宮崎でコンサート出ると発表あって即座に宮崎日帰り遠征を決めた上で友人も誘う層がそこそこいるんですよお兄さんあなた……(すげえな強火だなと思いつつ聞いてた)
*19:「ジャック」に「エヴァ」をあてがい一座についての決定権を妻のほうが持ってるのとりわけ悪趣味(うわ……と思うけど好き)だと思っている
*20:検死体が手に入らないから殺人鬼から死体を買い取る医者、そのまま読めば狂人の論理だし控えめに読んでも職業倫理と善悪の基準がイカれてるじゃん……。趣味ならマッディな熱狂だなで済むけど通りすがりの怪我人も放っておけない職業医がこの件で合法違法しか弁解しないの精神が狂ってるでしょ……。
*22:ちなみにピピン(あれがしたいなら「ミュージカル・ショー」と名打ってくれ、サプライズと精神的ブラクラは違う。歌と演技とサーカスと美術はとても楽しかった、「ミュージカル」の謳いで客を集めといて音楽の力を否定するなという一点)と怪人と探偵(センスと人権意識が死ぬほど昭和、ギャグが何一つ笑えない。と思ってたらそれらの気持ち悪さを噴っ飛ばすケイコの三人称「明智」の衝撃(もちろん良い意味ではない)原作日本語だろ!?!?)加藤和樹(敬称略)の使い方はめちゃくちゃうまいが他の全てが砂を噛んでる。