つまるところ。

観劇や演奏会の感想を置いて行く場所。だって青い鳥には推しがいるから。もっと雑多なログもある。 https://utayomichu.hatenablog.com/

CROSSROAD感想(6/12S)

香寿さんが出ると聞いた、中川晃教氏もいるらしい、ということで観に行きました。
先行抽選はサイレント落選*1だったのですが、当日券もあったりしたので案外狙いやすいかもしれない。

ツイッターで書き散らかしてたののログ取りです。ついったちゃん、いつ消えてもおかしくないいつ出る覚悟をするかわからないし。
あくまで個人の感想であり、すべての個人団体政治思想と無関係です。解釈はひとの数だけあるのであなたの見て感じたものがあなたの正解だと思います。


・少年期ニコロが持ってた(というかこの演目の)バイオリンは本物らしくて、ケースに収めたときに弦に指が当たってぽろんと音がしてた
・音楽は好きだけど才能のないママには悪魔と契約した彼の音楽は「天使の音楽」に聞こえ、ある程度の才能がある先生やパガニーニには天才にはなれないことがわかるし変質したこともわかるのとても残酷。好きですね……
・先生は「音楽には金がかかる」、ニコロ坊やは「僕がいるのは行き止まりだ」といい、悪魔と契約した彼は「音楽に縛られている」といいアーシャは「音楽は自由だ」「そばにいてくれる」という
・契約前にママに「もっと才能があればわかる!(僕は天才にはなれない)」をごめんって謝れたのに、契約後はもっと酷いことを言ってもごめんが言えないの、よき。ごめんのかわりに口から溢れた「お願いだ」って祈りを向ける先はもうどこにもないのにね
・ニコロくん、契約成立で髪と束ねるリボンを取ってそこからずっと髪を解いたままなんだけど、そういや悪魔も伸ばして束ねないままなんだよな髪をな……。教会で「弾いてやるよ」の前に髪留めを取る仕草をしたからやっぱりそういうメタファーなんだろうな
・眠るように逝った悪魔のヴァイオリン弾きパガニーニを天国に行ったニコロママが降りて彼に声をかけにくるの胸熱でしたね。レミゼのそれとは違ってあんまりキリスト教の色はなかったから違うものかもしれないけど
レミゼを観たみんなならキリスト教わからなくてもママが迎えに来た(から彼は天国に行けると)通じたでしょたぶんという信頼でできているなあれは

・水江さん?の回だったんですけど、この人ダンスの振りでの意味ある動きだと途端に演技の解像度が上がるのでなんかダンスの人なのかな。アーシャの子もアイドル系なのかな?歌がアイドルの声の作り方してる


・血の契約の場面、歌詞があるのはニコロ坊やのほうなのに、旋律だけの悪魔のほうが場の支配者なのが音楽だけでわかるの、強い……。悪魔の声、男性でも女性でもない無性別のなにかなのがすごいですね……中川晃教(敬称略)すごいな……。
・はじめの姿の見えず声だけ流れる悪魔の声、一瞬男役トップのOGかと思ったぐらい男くささが何もない。音楽を愛する悪魔、彼の愛するというのは黒い紙に落ちた雪の結晶が瞬く間に形を失うのを愛でるようだなと思いました

・「契約違反だ!」って言った悪魔がはじめニコロを目を剥いて見下ろしてたりした(と思う)んだけど、見ながらすうっと笑みに目を細めたり唇を綻ばせたりしてるのでニコロちゃんが教会で踊らされてるのを楽しんでるよやつは 教会の中でさえ悪魔に捧げたのでお気に召したのかもしれない
・中川さんの「(血管を)撫でられる」の音色が弦楽器かなにかみたいで音楽の悪魔の説得力がものすごかった 女性と対決デュエットして美しい音色で上を行く(パートも艶も声量も)のまーじで音楽の悪魔
中川晃教(敬称略)、天使の歌声から音楽の悪魔にまでなれる
・ところであのもしかして、悪魔の黒髪に後ろに3筋・前に1筋と糸のように白い束があるの、あれはもしかしてバイオリンの……弦……?

・悪魔、すぐに消える雪の結晶を黒い布で受けて愛でている上位次元存在だと思っていたら、種まき水やり草抜きをして香りを楽しみながら一番おいしいところで収穫するのをたのしみにしてる農家でちょっと楽しくなっちゃった 最後に雀にひっさらわれちゃったね かーわい
・雀っていうか雲雀っていうか。ママが悪魔に初めは目を向けてたもののだんだんきらきら嬉しそうに舞台の上の息子だけを見てコンサートは黙って聞くものでしょう、っていうのかわいかった それで引き下がる悪魔ちゃんもかわいい
・ニコロママと悪魔の語らい、香寿さんのママの水気にあふれたきらきらした目と悪魔のしとりとしてる光を弾かない蛇のうろこみたいな質感の目の対比がとてもよきだった。あの光の入り方の差、役者さんたちの技術のほかに照明技術もあるのかな。
・「あなた十字路の悪魔でしょう」だったか「一度あなたに会ったことがあるわ」だったかで悪魔がゆるりと目を見開いてみせるのが、ヒトもする驚きの表現なのに人外じみていてとてもよきものでした

・アーシャ、初めてパガニーニに会ったときはアムデュシアスにもなにこの人?みたいな感じでちょこんと会釈するだけなのに、2幕の終わりのほうでは彼から滲む音楽の気配に魅了されて手を伸ばすのパガニーニが彼女の音楽への感受性を育てたんだなって感じ
・ギャンブルに負けてもしばらく気が付かないでうっとりしている悪魔ちゃん可愛かったよね


・2幕ハプニング
「お前は俺にギャンブルを教えたいのかバイオリンを教わりたいのかどっちだ!」
「ギャンブル!(元気よく)……バイオリン、です」
「……バイオリン、だよ、な」(恐る恐る確認するニコロ)
(こくこくするアーシャ)


・エリザ「あなたは世界のすべてを手に入れる!!」
わたし「パガニーニに世界の全ての虚栄を手に入れてほしいー!!!!」
お恥ずかしながら一番テンションがぶち上がった瞬間です バイオームの爽快感がまだ体から抜けてなくて……じごくを期待してしまって……

・悪魔「お前はそれでよい、ファムファタール」(うろ覚え)
わたし「ファムファタームの解釈違いです!でもこの作品においてこの解釈は美味しいと思います!」
ファムファタールは脆さや弱さを抱えた周りが勝手に狂っていく無垢なる偶像派です
でも利用された虚栄しかない無知で空虚な女もおいしかった


・わたしは古典音楽に多少なりとも触れたのがSHとクロケスタからだけなので「このフレーズ知ってる!……いやあの曲リストだったな……」を2フレーズほど繰り返してしまい、結果としてリストさんがパガニーニ大好きなことだけ理解する形になった リストさんパガニーニ大好きだな

・他人事で話し出したのに何事!?とびっくりしたんだけど、元は朗読劇だったと聞いて納得。

 

 

 

*1:東宝ナビザーブちゃんは落選でも当落メール送ってほしい。