つまるところ。

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ジョン&ジェン12/19S Aペア感想

このペア、わたしの観られる公演回が物理的にこの日しかなかったのですがあと3回ぐらい見たかったですね……。ストプレみたいな2人の臨場感はそれゆえにシンクロではなく傍観をさせてくれて、その音楽をもって作品を食べやすい劇薬(賛辞)にしているDペアとはまた違う質感があった。みんな違ってみんないいだよ。すき。

 

1幕ジョン、登場でボールを投げるような動作をして飛来音を口で言ってて、野球好きなんだなーって感じ。

13歳ジェン、3回目の「マーサ!!」の前に『あたしあたし!』みたいな手振りをしていて可愛いでした。2人のなかでのブームなんかなマーサ。
現在する(健在する?)アメリカの偉大な人、「僕らの父さん」を聞くまで新妻ジェンも楽しそうににこにこしてジョンのテンションと一緒にはしゃいでいて可愛い。可愛いしか言ってないな、でもAペアの13歳新妻ジェン、子どもっぽくて可愛いんだよね。
「姉ちゃんがやったんだって言いなさい!」で痛そうな顔して少し俯くジョン、姉ちゃんの言葉の意味をしっかりわかっているじゃん

1幕のジョンジェン幼少期、ジョンもジェンもお互いに、自分を笑顔にしようとする相手の気持ちに笑顔を作る(楽しくなって笑みがこぼれるも笑ってみせてるうちにだんだん気持ちが緩んでくるもある)の関係なんだよなというのが見やすい2人だなと思う。ジェンはジョンに笑顔でいてもらえるよう色んなことを考えるし、ジョンはジェンの気持ちに応えるように笑顔を作ることが多いような。
森崎ジョン、誓いを立てようのところで、2人で助け合う、は笑顔だけど「早く」「遠くまで」には笑顔が消えて少し哀しそうな顔するんだな……。「鳥になりたい」のときも彼女を痛々しそうに見ていて、遠くを見て希望に憧れているような新妻ジェンと対照的だなと思う。

10歳の森崎ジョン、試合中がめちゃくちゃ悪ガキでおもしろいですね。ほんとに純度100%掛け値なしジェンをむかつかせることに全力を注いでそう。

中高時代、ジェンを頼りに慕っていたジョンがだんだんジェンに失望していくのが見えるようで辛いな……。父さんが言ってたジェン(の家族愛)を否定するような言葉を苦しそうな顔で言うような子がさ。
だんだんジェンの意見や言っていたことを口にしなくなって、父さんの考えや言っていたことを、ちょっと悩んでいるような苦しんでるような顔で繰り返して。
切ないな

中合わせのやり取りこれ電話なんだね!やっと確信が持てました。ジェンの今年のクリスマスは帰るね、サンタの代わりに、で森崎ジョンが顔を上げて、ほわっと口元が緩んだので……。
いや文脈で会話だろうとは思っていたんだけど(そうでなきゃジェンの言葉の矛盾が説明つかない)、田代ジョンはジェンの「今年は帰るね」に反応しないから、もしかして聞こえなかった一言なのかなって思ってたんですよね。電話だったぽいので彼はこのときでもうジェンの帰るねにミリも期待を持たなくなっていたんだなが出てきたわけですが

ジョン12歳のジェン旅立ち、激昂する新妻ジェンから『おにいちゃんでしょ!』が聞こえてくるようで、ゎぁ臨場感……となりました。そういうようなことも言ってるんだけど(「もう12歳でしょ」「赤ちゃんみたいなこと言わないで!」)、なんていうかな、『お姉ちゃんでしょ!』を言われて我慢したことが何度もあるんだろうなって感じが。
6歳ジェンは自発的なお姉ちゃんだからあたしがジョンを守るんだをしていたけど、嫌だけどお姉ちゃんだから我慢しなきゃを強いられたこともあるんだろうなって。(ママが言ったかはともかく)ジョン10歳の「母さんが行けって」から『来るな』とは言わなくなるの、そのあたりもあるんだと思うし


「ようやく気づいた」、この曲を歌う森崎さんの声が深くて優しいので、こんなに優しい男の子がこの選択をしたんだなの気持ちになりますね……。森崎ジョンの「父さんに叱られて」、ちょっと視線が落ちるけど優しいままの眼差しと声に、殴っ……きみの父さんはきみを殴ってるでしょ!の気持ちになる、父さんの描写は1幕2場きりなんだけど、でもAペアのパパはジョンを殴ると思うな……森崎ジョンくん幼児期も青年期もひどく優しいから……。

最後の再会で姉の言葉にカチンときながらも笑って切り替える、を繰り返していた森崎ジョンが姉への気遣いを手放して怒るのが兵士の死を侮辱されたときなの、この男の子は優しい彼のまま軍隊に入ったんだなって……。
死んだ兵士の前で同じことが言えるか、俺の家族を侮辱するな、ジョンの怒るポイントはそこなんだなと。「パパの言う『男』になりたいの!?」で怒りに油が注がれるように見えたのでそう思ったんだけど、いえ本音は家族を侮辱された彼がお前はもう家族じゃないで返すのだったら楽しいななんですが、優しいジョンがこんなに怒りをあらわにするのが自分でなく家族のことなのは熱くないですか。

18歳森崎ジョンが「大学院に行くんだって?」をあんまり歓迎してるように見えないの、もしかしてジョンはジェンが大学を卒業したらこの家に帰ってくると思ってた?


2幕5歳森崎ジョン、出だしのちょっとの動きで1幕弟ジョンより(運動神経の)どんくさい子っぽいのがなんとなく伝わってくるのどんな技術を?

新妻ジェン、おじいちゃんちに行く話よりおじさんのグローブをの話をしているほうが(精神状態が)やばそうで、こっちのほうが傷が深いんだな……の気持ちになりました。
前者は対等に扱ってるような感じの、『大人』をしてあげる余裕がなくなったような印象だったんですけど(1幕最後の喧嘩みたいな)、後者は……なんか、なんだろう、あれはやばいやつだよ(メンタルが)……。さっきと違って強張っていながらも口元は一応笑っているのに、見開いた目が全然笑ってなくて切羽詰まってるような破裂しそうな切実さがあって

10歳ルール!のラスト、滑り込んだものの「アウト!」で悔しそうにしかけた森崎ジョンが、次の瞬間に聞こえるジェンの叫び声でそれが飛び、次に浮かんだのがジェンへの苛立ち(またかよー!みたいな)だったのを見てぞっとしてしまいました(好きです) 子どものやりたいや生理的欲求や感情を先回りして取ってしまうこと、親の過干渉の典型なので

12歳ジョンのキャンプは行き先コロラドなんだな どっちも同じ服だ


ジョンの「話を聞いて!」に腕時計をちらりと見て、了承の頷きをしながらも漫ろな感じの新妻ジェンが「大学には行かない」「ずっとここに残る」を聞いたときの、衝撃に打たれて小さく口が開いたまま、目も動かせないままさー……っと血の気が引いていくような静かな変化に大興奮してしまいました

暗めのライトが危機感を煽るものすげえ色になってる中(表情は見えるけど、くらいの暗さのなかに赤が入ってる色だった気がするんだけど違ってたらごめん)、森崎ジョンの優しい声で彼の決断を聞くの、母さんの心象風景って感じでいいな……と思いました。
ここの歌詞、「ひとりで生きられない」「母さん、僕も同じだ」だと思ってたんだけど、森崎ジョンを聞くと「ひとりで生きられない母さん」「僕も同じだ」なのかもなという気がしてくる。いや意味はおんなじなんですけど。僕も同じと続けるんだから前半はジェンのことを話しているんですけど。
このときのジョンくん、ジェンの正面に回り込んでから膝に手を置いて腰をかがめて母さんにぴったり目の高さを合わせ、優しく笑ってこれを言うのでほんとうに、
世界が傷つけるばかりのこわいものだと教えたのは母さんじゃないか、からの、「ひとりで生きていられない」「僕も同じだ」、ここにゆるしのような優しさと自分もだよの共感が続くの、子どもを守ろうと(主観では)してきた母親にこれ以上のインパクトを与えることがありますか。
Aペアの森崎ジョン、1幕も2幕も彼は子どもの頃から(そこは)何も変わらない優しい男の子のまま、優しさでこの選択をしたのかなという気持ちになり、誰も悪くないじごくだよ。


ジェンの最後の独白曲、1つ目の部分がどうしても息子にも弟にも向けてるように聞こえていたんですけど(作品はたぶん息子だけに言ってるよな……とは思って聞いてる、「あの子」と「あなた」で使い分けされてるし真ん中は弟、後ろは息子を想っての話だし)、これ私が日本人だからだなと気が付き、すっきり。
「あの子を引き留めていた」「この涙も」に弟にも息子にも愛していたつもりで道を進むのを妨げていたと気付いたんだなを想起していたんですけど、生者の強い悲しみは未練となり死者の魂を引き留める、これじゃぱにーず死生観でしたね!アメリカの話だもんな、そういえば十字教にはないもんなこれ。”亡霊は生きてた者が一番執着している姿を取る”、”(死者が自分の未練で残るだけじゃなく)生者が想い続けることが死者を引き留める”、そういえばこちらの文化でございましたね。向こうは現世に引き留められてる死んだ者は悪霊くらいだったな?そういや?

ジェンの子ども時代のアルバムを見ながら(たぶん)弟ジョンを想う曲で「あの子は見抜いてたのね」「(子どもジェンの?)悲しみを隠した微笑みを」を言って、
ここの独白曲で「子どもの瞳は見透かしてる」と出すのやっぱり作詞が天才だよ。
あの子(弟)はそうだった、あの子(息子)も同じ、でも弟とはちょっと違う、からの、弟にはできなかったことをあの子にはしてやろうを、息子の誕生時に決意したのとは違う形で再決意するの、作詞と構成が天才すぎるんだよな……。原語版どうなってるのか見てないけど(kindleは買った)、同じニュアンスをもつ違う単語で訳してみせた翻訳も天才。

森崎ジョン、1幕ジェンが戻して「ぁい(再開どうぞの手)」をしたときにバンドを見るのおもしろくて可愛いよね

旅立ちのAペア新妻ジェン、はいはい、するときにCペアみたいなやれやれのジェスチャーしないね?相手によって変えてるのか変わってるのか知らんけど

「お母さんはきっとこう言うでしょうね」でもう身構えてるの、ジョンは何度も何度もジェンと似たようなやり取りしてきてる(からそういうときの想定がつく)のかなの感じがあり、かわいそう

カテコ、3回目で濱めぐさんが森崎さんに話しなよーみたいな手ぶりをしていて、お二人で顔合わせて何事か確認してから森崎さんが客席に拍手して!の仕草をするなどありました。(Bペア東京楽は次の回)