つまるところ。

観劇や演奏会の感想を置いて行く場所。だって青い鳥には推しがいるから。もっと雑多なログもある。 https://utayomichu.hatenablog.com/

ジョン&ジェン感想ログ2

ツイッタがいつなくなるかわからないから別所で書きだす癖つけようという試みです。向こうの移してからブログにログ置こうと思っていたんですが、完全にそれどころじゃなくなってるのでとりあえず丸っとおいていくね……。

個人の感想であり解釈なのであなたの正解は自分で観て探してね。毎回言ってますが。
見たのはDペアが2回とBペアCペア1回ずつです。

情緒がわやになってる10日マチソワ

2幕の息子ジョンは1幕の弟ジョンとはまるで別の存在である。
これがクリスマスの場面どころか最初のSEから示されているのめちゃくちゃ業が深いなと思いました。
弟ジョンは泣き声なのに息子ジョンは笑い声なんですよ。みんなあれ聞いた!?!?私は聴きましたし情緒は無事KOされました。
いつから「違う個性の存在」をお示ししてくるのかなと思っていたら最初も最初なんだよ……そんなの情緒がしんでしまうじゃん……。
それなのにジェンは「そっくり」という、そのたびにこちらはゾッと背筋が寒くなるんですよ(楽しいです)

5歳のときも見えているよね、弟ジョンは野球のバットを欲しがる活動的な子どもで、息子のジョンはナプキンスタンドを先生に褒められるようなものづくりが得意な子どもなんだよ。ついでに言うと「芸術家なの」と言っていたジェイソンに似ているんだよ、元ベトナム兵のパパ(息子ジョンにとってはおじいちゃん)ではなくてさ。

弟ジョンと息子ジョンはまるで違う存在なのに、ジェンの気持ちを汲み取って自分の感情をいったんは引っ込めるところだけはそっくり。
あれは個性っていうか緩衝役や癒し役を強いられているヤングケアラーの特徴なのでそれはまあ似るよなの気持ちもあり、ジェンは確かにジョンを殴ってはいないようだけどたった5歳の子どもがあれをやれてしまうんだとキツくてキツくて(好きな場面です)(安全圏からしんどくなるために物語を食っているので)

 

なんてことをソワレ幕間で言っていたら濱めぐジェン&田代ジョンで聴く2幕ジェンの独白曲で打ちのめされてしまいました(楽しんでいます)

赤ん坊のときから違う個性を持っている、今もやっぱり大きく違ってきている(「父さんみたいに」「強い兵士になる」「作家になるんだ」)2人のジョンをジェンはそっくりと言う。
息子のジョンが浮かべる微笑みの奥に弟ジョンの面影を見る、と言うんですね。
森崎さんのジョンはまだ観てないから知らないけども、田代さんの息子ジョンはジェンを宥めるために綺麗に静かに笑うんですよね。5歳クリスマスの「OK、ママ」もだしキャンプ出立直前に無抵抗でしたいようにされているときもだし。
小さな子どもが心理的安全圏になるはずの親の前で最新の注意を払って笑ってみせている、そのときの表情にもういない弟の面影を見て「そっくり」だと感じる(なお息子ジョンは母が自分を通して「おじさん」を見ることを嫌がっている節がある)

そこからの「笑顔の奥にかなしみを隠した」が続くので心が完全KOされてしまったじゃん(好きなところです)

→これ私の勘違いでした、ジェンがこう言ったのは『幼い弟は私の微笑みの奥にあった悲しみを見抜いていたのね』のニュアンスでした。ちなみに「ようやく気づいた」リプライズの前曲。

ちいさな子どもが親を安定させるために(あれは安心ってより安定だと思う)自分の気持ちを曲げて”ママとおなじ”になってみせる、「ママ/母さんを愛している」から。その表情にジェンは悲しみを見て、けれどそこになぜあの子はかなしいのだろうではなく弟ジョンの面影を見てしまう。じごくじゃん。
あっ私のテンション的にはやったーじごくだ!誰もわるくない地獄、愛という鎖と愛していたがゆえの傷でできたがんじがらめ!私だれもわるくないじごく(架空存在に限る)大好き!くらいのもんです。でもじごくじゃん?

弟ジョンの微笑みの奥に悲しみがあったのは自分を傷つける(けれど愛していることも伝わる)家族の存在があったからで。息子ジョンが「そっくり」に笑うのはなんでか、ちょっと離れたところから見ればジェンにはわかるはずなんですよね。弟がそんな風に笑う姿を覚えているんだから。ジョンとジェンがいればいい、と言っていたあの頃、家族を守りたくてケアラーをやっていたのは彼女もなんだから*1

 

ところで私はあのジェンソロ曲とようやく気づいたリプライズ前の2曲をJ&Jのベストおぶこわい曲だと思っており、曲を聴くに従いどんどん体温が下がっていくんだけど(楽しいんですよお化け屋敷がこわいのは楽しいことですからね)
なんか、ある程度歳いった女性があの曲で軒並み泣くんですよね……。男性や若い(若いっても40くらいまで)人はそこまででもないんですが……。

いやそれが悪いって言ってんじゃないんですよ物語は受け手の感性と背景のフィルター通って確定するものだし、でも私にはわからな……いやわかるんですよ泣きどころになるのは、家族の死でジェンが負ったトラウマも行動動機もここまで2幕かけて丁寧にご説明されてきているから、されてきているんだけどジョンが「ママの玩具じゃない」とまで怒ってるのを見た後でもって「ママかわいそう」に”親の立場から”なれるの見えない虐待とヤングケアラーへの客席の無理解で完成する人間ホラーの様相を呈しており、いや楽しいんですけど。

ただそれはそれとしてめちゃくちゃ怖かった(しつこいけど別に嫌だと言ってるのではない)、私はNHKの朝ドラで具合悪くする人間なので……家族にならどんな酷いことをやっても赦される何故なら家族だからが私自身の傷もあって食えなくて(J&Jは作劇でその癒着と束縛がやべーのまで描いてくれているので楽しく消費できるのであって。投げっぱなしだと制作側はこれを“善”と思って!?の悍ましさが出てきてしまうじゃん?)

そんな母を見たジョンの選択を、感動的とではなくたった十何歳の子どもに人生を投げ捨てさせるほどの関係の歪さとしてやってくれるので現代時間軸の物語としても安心して食べられる話になってる*2なと思う。

濱めぐジェン、年齢や感情で声色も変わっているんだけどそこを超越して歌がうまく、歌だけで感情や子どもを出しているのですっご……となってしまいました

弟ジョンが“大人になった”のはジェンが「家族じゃな」くなったから、ジェンが大人になったのは家族(弟ジョン)がいなくなったから こわ 最高
「目を離したらしんじゃった」、きょうだいは関係性の言葉だから、弟がいなくなればジェンはもう「姉」ではなくなるんですよね
そこからの2幕で息子ジョンは母を死なせないために大人にならないを選んだのあの ひい

1幕ジョンジェンパパ(2幕のおじいちゃん)が絶対を強いて子供を殴るような不機嫌でいらいらした男なの、バックに戦争のPTSDを抱えていたから、そう解釈するなら軍隊に入ったジョンにジェンが言い放つ「パパみたいに!」「子どもを殴るのね!」もそうなりたくないから国を出るも合点がいってしまうのがさ。

J&J曲、大変耳に残るしフレーズ単位の繰り返しも多いからだと思うんですけど、2回目観たときにはもう序曲のやり取りが頭に残るんですよ。メロディの記憶が速い人は一発だと思う。
でね。2幕のジェンプロローグ曲、出だしの音が途中まで序曲とまんま一緒で。だからジェンのフレーズに呼応してたジョンの「ねえさん」が聞こえるんですよ観てるこっちの頭の中で。

でも1幕では続いたジョンの呼応が2幕ではなくなっていて、その分の長さにぽっかりあいた空白があってからジェンが自分で「姉さん」と言うんです。
聞こえるはずのジョンの声の不在に、あれっ、と思って、意識が向いた次の瞬間にジェンが弟の声をなぞるの。
そんでもって、この曲の最初の台詞は「聞こえる」なんですよ。ジョンの声はもう聞こえない、隠せない不在の空白があるのに。ジェンは自分の声で記憶をなぞり、その空白がなかったみたいにジョンへ語りかける。

めちゃくちゃ、めちゃくちゃテンション上がるからみんなぜひともあの空白を聞いてね……。

濱めぐジェンは声の色とタイミングまでばっちり1幕と重なってるので呼応するジョンの幻聴がかなり強く聞こえます。聞こえました。
→あの曲でジェンは「姉さん、元気よ」と言ってたので、もう聞こえないジョンの声にジェンがこたえて会話してるんだね?

2幕の32歳の誕生日→キャンプ からのデュエット、濱めぐさんが声を小さくしたのに呼応するように田代さんも声色そのままに音量を弱め、歌が弩級にうまい人らがペアを組むとこういうことができる……になりました。BCも観たけどそのときはジェンもジョンもそういうのしなかったからあれ固定演出じゃないんすよ。
っていうかあなた方あの曲で相手のパート聴きながら歌ってるんですか!?すごいですね!?

 

2幕の「ようやく気づいた」リプライズの後の場面、ジョンが「大学へは行かない」「ずっとここにいる」と言うのを聞いた濱めぐジェンがさ、衝撃に固まったそこにうすーく安堵のような喜びの表情を浮かべているんですよ 絶句してしまいました 最高

ほうけて開いた口の、固まった頬と口角がうすーくうすーく上がっている、強いストレスが突然消え失せたいきものの安堵の顔をしているんだよ

濱めぐジェン、物を考えられるほど衝撃がさめてくると同時にこれを振り払って何を馬鹿なことを言っているのか、あんなに行きたがってたじゃないかとジョンを止めにかかるんですよ。本気で。ジョンがいいと言っても行かない理由を並べても全部否定して。

本当は行ってほしくない、息子がここにいてくれるのはジェンにとっては嬉しいことで。
でも「OK、ママ」を、その文句(not不満の意)を言葉にするにしろしないにしろやり続けてきた優しい息子に、今度だけは絶対に自分が譲る、譲られた負い目を背負わせたくもないの意志を感じてママだなあと思いました
まあジョンくんはそのママの(誰にも見られず隠していたつもりだった)「離れて行かないで」をもう見てしまっていたわけですが。

コロンビア大学合格メールの場面で息子ジョンが「祝ってくれるよね……?」の訊き方をしたのにジョンうまいな最適解じゃんと思ったのがここで再び押し寄せてきて情緒がやられてしまいました。
あそこでジョンが望みを叶えようとするなら行きたい!や 行ってもいいよね?じゃだめなんですよ。ママはあなたを愛しているから危ないところに行かせられないと言われてしまうから。
ママは僕を愛しているから一緒に喜んでくれるよねじゃなくちゃだめなんですよ。たった十何歳の子どもが準備もなしのやり取りでこれを出せてしまうご家庭環境 この脚本家やっぱりヤングケアラーの解像度がえぐい高い(好きなところです)

 

1幕の田代ジョン(5〜7歳)、目を丸くしてぽけんと口を開けジェンを見るときの顔つきが、幼児、その顔する〜〜!!!のそっくり具合でオタクは大喜びしてしまいました。田代さんなんか……なんか、赤ちゃん時代から知ってる幼児の知り合いいます!?よく懐いてる幼児のする顔だよそれは!?

ちなみに2幕の田代ジョンはこの顔しません。少なくとも今日のマチソワではどっちもしなかった
1幕ジョンがときに加減のない「悪ガキ」やれてるのは守ってくれるお姉ちゃんがいるからなんだよなの気持ちになる。2幕ジョンはジェンを守っている側だから……安全な家のなかに安心しきれる居場所がない

J&J、ベース?っていうんです?リズム隊のドラムと低く鳴る鍵盤の音を掴んでおくとジェンとジョンの両方を聞いてても迷子にならずに聴けるんだけど、どんな魔術で曲組んでるのか初見でメロディ知らなくても音やリズムをちょっとでも踏み外したら「なんか変」なのはバッチリ伝わるので演者や音響はものすごく気を張るだろうなと思いました。
マチネで5歳ジョンパート初めの2音と「男だらけ」の1回目サビ(サビ?)、そこなんだ?と思ったところ両方ソワレで変わってて、あれたぶんソワレのタイミングと音が本来出したい音なんだろうな、と。観たことなくて何もわからんのにずれるとあれ?とはわかるのなんていうか作曲家が天才なのでは?

 

1幕終わりに渡されるタグ:ドッグタグ、兵士の身分証明となるもの。
遺体が見つからなかった、持ち帰ってやれなかった兵士の遺族にタグが返される。
キリスト教圏は伝統的には遺体の火葬をしない(復活のとき、魂が戻る身体がなくなってしまうと考えるため)
※ジョンは侵攻先で死んだ、遺体も帰ってこなかったってことだよね?マシンガンだか飛行機のプロペラ音だかがしていたのがその瞬間の暗喩なんでは。
(16歳のジェンが「神様 今すぐ撃ち殺して」と言っているので)

たぶんこれBぺアの感想(12/12S)

森崎ジョンと森崎さんとどっちの話すればいい!?!? いえ正気です演者とキャラクターを完全に切り分けて考える派閥なだけです

森崎ジョン、見るほど弟だー!!となるジョンで面白いですね。田代ジョンが弟に見えないわけではないんですけど、細かいところ……というか空気ですね、姉ちゃんのいる弟だ!となる。
10歳ルール!の導入の「早く!」に肩が跳ねながら振り向き、ざざざっと動いて正面に向き直るところとか。弟へ対する姉は暴君なんですよね。個別でなく普遍として。わかる。
いつもと違うぞ?の出だしのときも調子に乗ってたのが鋭い語調の一声でひゅっと縮む。このときの濱めぐジェンはスカートで床に正座してるんだけど、それでも気を緩めたりしないんですよ。弟だなーとなる。

1幕5歳クリスマス、テンション上がると声色はそのままほんのり声が高くなる5歳児ジョンが可愛かったです。あと森崎さん滑舌とても良くて、これまで聞き取れてなかったナンバーの出だしが聞き取れ私はガッツポーズしました。「明日はようやくクリスマス!」
パパとママの喧嘩、ペアによって声変わるかなと思って聞いてたけど1種類みたいですね。ママの声がくぐもって聞き取りにくいのは殴られ腫れてるからなんだろうか。顔を。

7歳隠れ家にて、田代ジョンの被虐待児感と森崎ジョンの被虐待児感がじんわり違う、そんなところに個性が出ることあるんだ……と天を仰いでしまいました。これはほんとに仰いでしまったやつです(楽しかったです)
田代ジョンは覚えてないとか僕が悪いんだとか言ってるけどジェンへの言い訳でほんとはわかってるような印象を受けたんですが。(ジェンがパパを嫌いって言うのを聞きたくないんだな、自分に対してでなくても家族の誰かが怒るのを見たくないんだなというか。)
海宝グレブの上官とお電話、あのグレブくん本気で素敵なお部屋と電話をくださいましたしてる感があったじゃん、森崎ジョンあの感じがする……。5歳のときに「ママが悪いんだ」と言っていたのと同じように、僕がパパを怒らせるような悪いことしたからなんだとほんとに思っている(そう思うのが一番楽になれるから)みたいな。
どっちがより(状況として)嫌かってどっちも嫌だよ齢一桁の子どもからあんな言葉が出てくる世界はもれなく滅べばいいんだ

見えている世界が狭い、狭くしようとしているみたいで幼なげな印象のある森崎ジョンが「『お姉ちゃんがやったんだ!』って言いなさい」のところで下唇をぎゅっと噛み目を伏せるのを見てしまい、おれは
ジェンの言ってることの意味がわかってるじゃんちゃんとさ、自分が「悪い」ことしたときにジョンの代わりにジェンが痛い目に遭うって言われているって。
「ジェン……なんかこわいよ」を言う前にもちょっと表情が変わって、歳より大人びた子だなと思いました。


1幕ルール!、ルールを言われてるジョンがその2!とかで毎度衝撃を受け、続く詳細にもなんでそんなひどいこと言うの?みたいな顔をしてるのが たぶんああいうやり取り何回もしてるのに、毎回新鮮になんで!?してるの幼くて可愛いなと思いました。予想してないっていうか、なんで自分が!?のなんで顔っていうか。でも姉ちゃんにひどいこと言われると反感よりショック!が前に出るのかわいいよね。

ゴール決めた後のジョンが急に態度と言動を変えるの、田代ジョン見てるときは自慢したくなっちゃったのかと思ってたんだけど違うね!?森崎ジョン、ころっと言動変える前に一瞬右下のほうに視線を落として考える顔する、これルール2だね!?「あんたがあたしの弟だって誰にも言わないこと」だね!?だから最後にビリークレイにも話しかけるんだ!?ルール3を破るために!?森崎ジョン、「あんたひょっとして、ビリークレイ?」で声色も変わり態度もふてぶてしくなるんですよ、嫌がらせじゃん。
ところでこのシーンの「(ジェンと僕が)ほらそっくりでしょ!」言うときの濱めぐジェンと森崎ジョンの笑顔が確かにほんとそっくりな表情で大変説得力がありました。あれ合わせるとしたらジェンの側なんだけど(奥にいるのが彼女なので)、同じタイミングで正面にあの笑顔向けるように微調整してるの?濱めぐさんはしそうだな……。

男ダラケのウィンくんの音ハメがすごいんですが。すごい、曲の音が動きで見えるみたい。ハイカットっていうの?ドラムのチキチキ音もピアノのつるんつるんする旋律も動きに入れてってる。歌いながらだから首振り使えない中で、こんなに細かい音まで強弱も拾ってハメにいけることある?
私この演目のことCDにしてくれとしか思ってなかったんだけどしっかりした音で編集された円盤が猛烈にほしいです。このダンス見ちゃったらそれを思うしかないでしょ。


「いつもと違うパターンだ」の言い方、反抗期みがある 思春期みというか

森崎ジョンの「ようやく気づいた」、スピッツ……と思いました(好きです) 「空も飛べるはず」とか「青い車」とかのスピッツに雰囲気が似てるなって。何かのたとえに別の固有名詞を出すの自分でもどうかと思うんだけど、ごめんね普段人間の歌う音楽を聞かなさすぎてああいう感じを指す言葉がわからなくて。

最後の喧嘩、森崎ジョンが昔の楽しい雰囲気じゃなくなるのが濱めぐジェンの「戻ってきたぁ!」からで、ジョンは姉ちゃんに姉ちゃんでいてほしかったのかなと思いました。なんとなく。自分より優れて頼りになる姉でいてほしかったのかね。

ところで、おんぶをせがむジェン(濱めぐさん)とジョン
12/10「おんぶおんぶ!」「まじ?(びっくりした後に笑う)」
12/12「ほら、ほらっ(手で後ろ向いて!のジェスチャー)」「えー?(しょーがないなの感じで笑ってる)」
日替わりなのかキャストで違うのかどっちかしら 日替わりな気がするな

 

ところで4キャスト全て観たんでいいですか、ジェンがトークショー〜「行かないで……」まで着てる上着とジョンが卒業式前日に着ているシャツが多少模様は違うけどほぼおんなじ柄、青みがかった黒と赤のチェック模様なんですけど
ジェンがこのジャケット羽織ったときから嫌な予感がしてたんだよいやーに見覚えがあったから、ジェンが誰にも言えない本音をひとりで(ひとりのつもりで)絞り出して立ち去った後同じ椅子に座る、そのジョンが同じような服を着ているのでおれは1ヒットを喰らい、「僕らは初めからひとりだ」「僕だって同じ」「ひとりじゃいきていかれない」で完全KOされました。
ジョンがジェンと同じになった、なりに行った、でしょこれはさあ

→あとでまとめるけどこのチェックシャツキャストごとにちょっと違って、こんな感じ

・新妻ジェン:赤と白の大柄、グレーで細い線が入っている
・濱めぐジェン:赤と黒(紺?)が太い線、組み合うときに白のスクエアもできる
・田代ジョン(2幕):青と白
・森崎ジョン(2幕):赤と黒、黒の線の色合いは濱めぐジェンのそれより濃い
・1幕ジョン:物は違うが二人とも赤青緑の3色、田代ジョンのは淡め、森崎ジョンのはビビッドめ

死んでいったときのジョンは暗い緑の迷彩服だったよねって話ここに足していい?

Dペア(12/14S?)

田代ジョン、もしかしてジェンが「頼れる姉ちゃん」でいてくれない、そうじゃなくなったことに癇癪起こしてる?10歳のときも12や18歳でもおんなじ、ジェンが視野が広くて頼りになる姉ちゃんでなくなってしまうのがいやなんだなって感じ

最後の喧嘩で田代ジョンの雰囲気が大きく変わるの「ここはなーんにも変わらない」からっぽいな、それまではちょっとカチンときてもしょーがないなだか懐かしいなだかでへらっと流してる。昔とおんなじようなつつきあいを、でも大人になったから苛立ちよりこの距離感の懐かしさが上回る、みたいな。濱めぐジェンは煽られてもずーっとはしゃいだ目で笑ってるのよ。こうやって盛り上がってるのが楽しくて仕方ないかのように。
ウィンくん回で文字を見たので田代ジョンでも歌詞の文字を追えるようになり、激昂しているジョンの「ここから出ていけ」「あのドアから」「それで終わりだ」「家族じゃない」に情緒をふるぼっこにされてしまいました(好きなところです)
ジェンが言い返す「家族への愛よ!」にもう一度「家族じゃない」を突きつけて叩きつけるような拒絶をするの、2つ前の曲で『父さんはジェンが家族を捨てたと言っている』「会いたい」(中学を卒業して、高校でも言いつけを守り続けて、ジェンはそれでも会いにきてはくれなかった)を見てからのこれが来るの伏線回収がうますぎでは?
あんたを信じない、父さんを信じる、ずっと一緒にいてくれた『俺の家族』は父さんだ、じゃんそれは。

「ようやく気づいた」、ジョンの「軍人になるんだ」を聞く濱めぐジェンが痛い顔をしてぐっと唇を噛んだのを見て私は大はしゃぎしてしまいました。大事な弟がパパと同じになってしまったね。でもそこまで放っておいたのはジェンなんだよね。
よくも悪くも家族を疑うことを知らないジョンをパパとジェンで引っ張りっこしてつり合っていたのを何年もほうっておいたから。姉ちゃんが引っ張るのをやめたらそら父さんに寄るんだよな。
「(自分の中にある強さに)気づいたんだ」を境に田代ジョンの表情がすとんと落ち着いて、ここで“大人になった”と思いました。大人になってしまった……。

自由だー!の曲の歌詞を聞いてるとさ、ジェンが家を出てから変わらないテンションと考えでいる間に、かつてはジェンが「どうしてそんなに父さんのことが嫌い」なのか以外はジェンの見てるものや憧れに同調してたジョンがさ、ジェンの不在の6年間でジェンと父さんの考えの間で迷うようになり、やがて父さんの考えのほうに信を置くようになるんだよね。ぅゎ……となってしまいました。楽しんでいます。それはそれとして1幕ジョン、自分の意志というものが希薄で(意思はある)、かすがいをやらされてきた子どもだなの顔をしてしまう。

最後の喧嘩の田代ジョン、ご体調なのか席の音響なのか、初日で見たときより男っぽくておもしろかった。男っぽい?声が太く強くなって、勢いもそれに伴っているというか。ジェンが揶揄うように軍隊暮らしでいかつくなって、って感じ。なるほど父さんみたいに、ね……と思いましたね。


「僕だって行きたくないよぉ。母さんが行けって」に濱めぐジェンがはあっとため息ついて、でもそれ以上拒まなくなるの、ジェンはママがどうしてそう言ったかちゃんとわかってて、そんなら仕方がないと諦めたんだなと思いました。ジョンはわかってないよね、たぶんね。
家にいるとパパがジョンを殴るかもしれないから、ママは守ってやれないからジョンを逃してやるしかできない。

ところで本筋とは全く関係ないんですが、今日のDペアちょこちょこ発音が(単語単位で)西のそれになるのがおもしろかったです。西のほうのかは厳密にはわからんのだけど、東京周りでよく聞くのイントネーションじゃないやつ。お一人がそうなると相手方もつられて変わってて、仲良しきょうだいっぽさがあってかわいいなと思って眺めていた。

7歳隠れ家にて、ジェンから石筆か何かを受け取ってワシントンについて話し始めたときはかしかし言う音が聞こえる(ドラムの……ハイアット?っていうの?あれ)のに、2回目、偉大な人について話すときはその音がしないの。作曲と編曲が天才。テンション上がってしまいました、譜面と歌詞に全部書いてある系の物語音楽を愛しているので……。Revoちゃんソングサイクルミュージカル書いてよ演者と奏者は呻くだろうけど……。


田代さん、ジョンだけでなく子どもの役のとき基本的に言動がやかましい(貶してないです)(ほんとに)(理由なく子どもを虐げない大人のほうが当たり前の世界を信じているんだなと思う)んですけど、しんどい事象の開示や虐待シーンになると声のトーンはそのままに棘がするっと丸くなるので、音楽で引っ張らないと飲み込みにくいとこだと(作ってる側は)わかってるんだなの安心感があります。わたしやべー親子の感度がかなり過敏な自覚があるんだけど(癒着した親子の事例を見すぎていて……)、今んとこどのペアでも、にーさんねーさんの中でそれはセーフラインなんですか……?の不安はいっこも出てきてなくて、個々に任せる前段階である程度の見解共有がなされてるんかなーと思う。知らんけど。

何回聞いても2幕1曲目のジョンのいらえがあったはずの空白に慣れない 毎回新鮮に心をえぐられている(楽しいです)し濱めぐジェンはその空隙にも一切の翳りが見えないで懐かしさと喜びのように笑って「姉さん、元気よ」と返事をするから泣いてしまう こわくて(楽しんでいます) 姉を呼ぶジョンの声が彼女にだけは聞こえている……。
何の色も乗らないまま、すー……とジェンから視線が外れてそのまま後ろを向いてしまう 死人は物を想わないもんな……

「祝ってくれるよね……?」を訊ねた田代ジョン、それを聞いたジェンの唖然、我に返る、疑うのも馬鹿らしいと言わんばかりの声がもれる、の一連の動きの間もずっと固い微笑みを浮かべたままで、「もちろんよ」まで聞いてやっとじんわりした安堵と歓びを見せるの18年の積み重ねと繰り返しをうかがわせて壮絶じゃん……となる
これをふわりとした笑顔のままで問うことも、ジェンを問い詰めるときに淡々とした声と表情で感情の波立ちを一切見せないことも、表出させてみせるのが哀しみであって怒りではないことも、話が通じなくなるほうにジェンを刺激しない最適解の接し方でさ。たった18の子がこれを完璧にできるようになってしまっていることにさあ……。そこまで含めて楽しくみているんですが(心理的安全圏が確保されたところからしんどくなるために舞台を観ているので……)

そーいやさ、J&J、パンフがパンフってより写真集なのはジェンがめくる(ジェンと弟ジョンと2人のパパママの)アルバムを模しているからなんかね。そういうことしてくれるのコンセプトは大好きだけどそれならいっそ物販グッズにあの写真立てを入れてくれてもよかったんですよ?ちょうど舞台写真も売ってる演目なことですし……。
さてその写真立て、縁の飾り付け見ました?私はやっと見える席が当たったためワクワク抜きまして、ぜーんぶ野球絡みのステッカーなことにこわくて泣いてしまいました(楽しいです)
バット、ボール、グローブ、ベース、青のキャップ。
2幕のジェンは弟ジョンと息子ジョンを混同しているのではなく、息子のジョンに弟のジョンを重ね合わせているんだと、個人的には思っているんですが。ジェンが弟ジョンについて確信できているの、野球が好きだった男の子、だけなんだなって……。
12歳のジョンに、既に「姉さんはそれ(野球をしなさい)ばっかりだ!」を言われていたのにね。

男ダラケの2回目サビ、「ケリーと」から始まって誰!?wwwとなりました。1回目のサビと違う男の子たちじゃん。
2幕トークショーでの「つまり問題は、男だらけってことですか(それとも問題はあなたの方かもしれません、ジェン)」とか卒業式前の「(パーティーの支度をしなさい、この話は)それで終わり」とか、対応してるナンバーをフレーズ単位で持ってきてるっぽく、歌詞カードがほしいよやっぱり。というかなんで歌詞の公開文化がないんだよ日本ミュージカル業界。(これはJ&Jに限ったことではなく)写真集とか役者インタビューとか“作品”パンフレットじゃなくて役者のパンフレットじゃんよう

*1:1幕のジョンより2幕のジョンのほうが相手の様子の変化に敏感なの、弟ジョンはジェンに守られていたから過敏にまでならずともいられたのはあると思ってる。

*2:ママのために自分の気持ちを折って変えてをしてきたジョンがここで”自由に”とされても間違いなくキツくなるがまあそれは彼が頑張っていくしかないやつなので。親に与えられたデバフは自分でひとつずつほどいて埋めてをしていくしかないんですよ。