つまるところ。

観劇や演奏会の感想を置いて行く場所。だって青い鳥には推しがいるから。もっと雑多なログもある。 https://utayomichu.hatenablog.com/

エリザベート2022の感想そのに。

たしか10/12Sと10/14S時点のものです。ソワレ入ると毎回連勤ソワレに入るなって思った記憶があるので。途中からフランツもゾフィーもだいぶ(私の)印象が変わったので続けて書くには難しく、一旦ぺいっとします。ルドルフとルキーニは今書いてる。
個人の感想です。そして私は役者さんへの印象と登場人物への印象を完全に切り離す派ですご了解ください。


田代フランツ
なんか……(登場人物の)精神状態安定したね……?(”登場人物が”です。まじで。)
最初に言った「役者への印象と登場人物への印象を完全に切り離す派です」は主に彼に係ります(山崎トートと涼風ゾフィーにもだいぶ係る)を念押しした上でですね、フランツくん、なんか'19年より精神の逼迫具合がマイルドになった……? 謁見の間や初夜明けてのぎりぎりいっぱい限界まで張り詰めてて無理してます感が和らいで、ちょっと大人の割り切り方で順応している印象。

皇帝としての言動すべてでゾフィーの意思をなぞるがっちがちの自由のなさを、嫌、というか*1息苦しいは苦しいけどある種の愛情でもあると、……感じてるのかな……どうなんだろう……。*2ゾフィーの支配が愛情ゆえと感じているかどうかはともかく、ゾフィーが自分を(我が子として)愛しているのそのものは疑ったことなさそうで可愛いなって思います。親から愛されているのを疑う発想がない子どもは可愛い。

前回よりちょっと大人っぽい……大人っぽいというかシシィ抜きでも立ってはいられそうだなと思って眺めてたらあの綺麗で高い「シシィ!」が飛び出してくるので、べた惚れじゃん……となってしまうんですよねおれは。

座席位置による差な気もしているんですが、ハンガリー凱旋でシシィがドレスお披露目したときの反応が日によってじんわり違うので、今回のフランツくんは外交どうかなと思ってちょいちょい抜いています。*3外交はわからんけど民衆の感情の動きには気がついて様子見してるくらいがかわいいなと思うけどエリザベート万歳が出てくるまで全然気づいてなさそうなのもかわいいなと思う。根性が悪いことしている意識はあります。

ここから、今期の途中から(私の中での)印象変わったのでどうしようかなと思っているログです。
哀しそうな顔するのはシシィのことだけで強い怒りを見せるのはゾフィーやルドルフ相手だけなのフランツくんの可愛げだと思っているので、そういう状況じゃないのはわかってるけど毎回にこにこしてしまう。家族に対してだけは皇帝の義務が少しだけ緩むの可愛げだし、それっぽっちの自由さえ見せてくれる人がいなかったゾフィーとの違いだなとも思う。ゾフィーはフランツに抱き続けている深い愛情を息子本人の前でさえ見せないで逝くよね。
ここまで。いやあ今期フランツくんママのときもルドルフのときも哀しそうでしたね。私は声から感情を拾うアンテナが育ってないんだけどあそこまで丁寧にされたら流石に哀しみだなって思う。ゾフィーのときはどっちかなってまだ考えてる。

 

涼風ゾフィー
なんか……(登場人物の)精神状態安定しましたね……?
さっきも言いましたね、はい同じ印象を受けたので。
涼風ゾフィーは特有の稚気が覗くのが特色だと勝手に思っているんですけど、なんか、今期のゾフィーそれで政治する按分がすごい上手だなって……一言で表すとすげえこわいなんですけど。皇太后陛下の気分を損ねると碌なことにならない、国内の、自分が権力を握った宮廷内でその評価をされてもマイナスには働かないもんな……国外とやり合うにはあれだけど外交窓口はフランツだし……。
公務じゃない場でフランツへ話しかけるにっこにこの笑顔とちょっと高く整えた声、あの甘やかしは彼が彼女に従順だからこそ与えられているものだとバシバシ伝わってくるのほんとこわいよ。
1幕と比べると歳経た抑えがきいてる振る舞いなのに、付き合いが長いサロンメンバーにはそういうとこ昔から変わらないよねって見えるだろうのがすごいなって思う。
時に子どもっぽく感情を出して宮廷内を自由に締めていたように見えて、最後の最後で“皇族の振舞いとして相応しくない感情”を全部殺してきていたのがお示しされるの本当にすごいと思ったしひどいよクンツェさんと思った。


いやあのね……人物像が好みの女(架空)に近いかどうかとは全く別なところで、涼風ゾフィー-田代フランツの親子感(君らほんとそういうところそっくり……)がクリーンヒットするんですよ……。
ゾフィーとフランツ、フランツとルドルフも、どのペアで見てもあー親子だなーって瞬間があってみんな楽しいのはとてもそうなんですけど。好みなんですよこのペアのときにおぼえる親子感の種類が。知らない自由は与えられない、小さい大人を強いられた子どもは上手な本音の言い方も知らない。

*1:役者さんのちがいによらず、ミュージカルエリザの若き皇帝フランツがゾフィーの支配を嫌だと感じる(感じてもよいと理解する)日が来たら赤飯炊いちゃうよおれは。

*2:佐藤フランツはわかっている気はする。彼がそう感じているというより、ゾフィーがそれを愛情だと『思っている』ことを『わかっている』というか。

*3:フランツくん彼を溺愛している著者が書いた伝記(伝記はその人物を贔屓目で見るものだって前に聞いた)をもってしても外交のワザマエは言葉を濁されていて……。シシィがそのあたりをよく助けていたみたいな記載もあり、どのあたりまでを助けと取るのかなってにこにこしてしまうんですよついね。