つまるところ。

観劇や演奏会の感想を置いて行く場所。だって青い鳥には推しがいるから。もっと雑多なログもある。 https://utayomichu.hatenablog.com/

エリザベートログです(10/28S)

自分のツイッターから拾ってきたログです。単発だから耐えられる文だなっていうのは自分でも思う

 

香寿ゾフィー、あんなに凛としてるのに髪飾りの宝石薄いピンクなのかわいいですね……ピンクダイヤモチーフかな……。クンツァイトやカラーサファイアでもかわいいと思うけど、涼風ゾフィーの濃い緑(たぶんベリル系、エメラルドモチーフだと思ってるんだけど)と並べる格であってほしいんですよね。
ここまで書いてまさかゾフィーの宝石モチーフベリル系で揃えてたりしないよなと思いました。香寿ゾフィーはモルガナイト(淡いピンク)、涼風ゾフィーはエメラルド(緑)、剣幸ゾフィーは色確認してないんだけどアクアマリン(淡い青色)だったりしない?
いや妄想ですが……。でもあのたぶん、シシィの戴冠式時の宝石ってサファイアモチーフの深青じゃん? ベリル系はサファイアに硬度が1劣るのよね、それらだったら構図が綺麗だなって思う。老いての黒は黒曜石かオニキスだと思ってるんだけどなんだろうねあの黒い石のモチーフ。

香寿ゾフィーのさ、感情は見せるけど一定のラインを逸脱しない厳格な感じがめちゃくちゃ好みの皇太后なんですけど(『王という機構』がヘキなので)、お見合いでルドヴィカと話してるときは表情豊かに感情を出していてですね、家族の前では自律が少しだけゆるむの、ゾフィー……好き……。
私は『王という機構』が大好きなのでゾフィーとフランツが並ぶたび、またフランツとルドルフが並ぶたびそのペアの親子感を探してしまうんですがあまり気にしないでください。あと信じないで自分で観たものを信じてください、この話をしてるときの私はあんまり正気ではないので。

謁見の間でゾフィーが言ってるの「強く 巧く 狡く」なんですね? 最初のはともかく後の2つはきみの息子には向いてないんじゃないかな……もう一人の母親の嘆願に目を赤くしてるのを見たかい見たから止めたんだよねうん

香寿ゾフィーは情動に乏しいわけでは絶対になくむしろ細やかな感情表現をするゾフィー様だなと思うんだけど、1幕の感情を見せてみせつつも決して余裕は失われない、(自身もそこで起きてることも)アンダーコントロールリカバリ可能の範囲内な感じがすごくいい。好き。
それだけに2幕で見せる、儘ならなさに顔を歪めて歯噛みする姿や国の行く先を憂う焦りに彼女の『老い』を感じるんですよ……。完璧だった自律が弛んでることも、力及ぶ範囲が衰えた屈辱も、雌伏を選ぶ時間がない焦りも、彼女がもはや過去の人である証のようでさ。

胸の痛みに顔を顰めて喘ぎながらも息子が振り向ききる前に背筋を伸ばし毅然した顔する香寿ゾフィーと、皇太后が正対すると姿勢を正し胸を張る田代フランツのそういうところ親子よね感の話をしてもよいですか、ついでにフランツのその立ち方がゾフィーが「未来の皇帝」にさせてた姿勢と似てるよねという話を

ゾフィー陛下、フランツが最後に目をやって、立ち去ってからの独白ではじめて愛情と哀しみに溢れた顔を声をするので、あなたそれは彼の前でこそ見せてやるべきだったでしょと思ってしまうんですが、彼女が彼女である限りそんなもしもは起こり得ないんですよね……。まあフランツくん母の愛自体はわかってそうだし


花總シシィ、かわいいよね……ちっちゃい女の子の無邪気さって感じで……。元気で無防備でとろっとした甘えっこの子どもの声がめっちゃ好きなんですよおれは パパに膝ぽんってされてわぁっって駆け寄り腰掛けるのかわいいよ あの笑顔

花總シシィの「あなたが側にいれば」に愛の証を出されるまではずっと無垢に笑っている印象があったんですが、フランツが先を思い憂うのを見てしょんと顔を曇らせるので、心配したげるの……いい子だねえ……となりました。自分じゃないものに気を取られてるのがヤだったのかもだけどそれは…かわいいじゃん……?
フランツが首飾りを取り出したときにふっと顔を曇らせていて、すぐに笑顔を作って勿体ないって固辞するけどでもさっきまでと比べると影があるんですよ。それもしかして自分が断ることで相手を傷つけないための、あなたは嫌いじゃないんですの笑顔なの……?育ちよい人々の中で大事にされてきたんだねシシィ……
オタクなのですぐに情緒が限界になる 人の害意を向けられる痛みをまだ知らない少女の無防備さが大好きなんだおれは 恋する少女が向ける無防備なあなたが好き、これを私は少女性と呼んで偏愛してしまうので
  
初夜明けての田代フランツがシシィの手を優しく握ったまま小さく揺するのがちいちゃい子におにいちゃんが言い聞かせてるようでかわいいなと思っているんですが、花總シシィの人を信じきったふわふわ感を見るとあの言い聞かせ方したくなるよな辛そうな顔させたくないもんなとなる。まあさせるんですが辛い顔を
このフランツくん、結婚式で抱きついてきたシシィが怯えているのに気づくと顔覗き込んで『どうしたの』『シシィ』って言ってる(口が動いてる)ので、人の痛みに敏くて共感性も高そうなんだけどな……。ゾフィーかしきたりが関わると思考が硬直しちゃうのかもね。

2年目の諍い、花總シシィはフランツの答えに焦れて突き飛ばすんですね……。田代フランツは突き放されて目を白黒させるし、シシィはもうフランツを目にも入れないで、自分付きのゾフィー派閥の侍女にぅーってちいちゃい子が言葉見つけられないでいるみたいにして出てっちゃうし。どっちもかわいい

ここのフランツくんシシィの訴えを聞いて答えを返すまでに(「子ども盗んだ」あたり)1回、どうしようって顔してゾフィーのほうを見るので私は最高にテンションが上がってしまうんですよ……そういう場面でないのは承知してるんだけど誰も悪くないじごくを見出すとテンション爆上がりしてしまって……

心を殺した結果今があるゾフィーは皇族教育の意味と必要性がわかってないシシィに子どもは任せられないし、その皇族教育を鞭と助言で叩き込まれたフランツは本心より義務を優先する上よりによって教育方針に意見できるはずがないし、宮廷に味方がいないシシィが我が子を手元で育てたいは自然な感情だし。誰も悪くはないが誰も譲れないのでじごくができる

2年目まで幼くも見える、双方本気で傷つけ合う喧嘩もしたことなさそうな、大事に育てられた娘っこなんだなって感のたっぷりだった花總シシィが、3年目に己の武器に気がついたときには静かな強い目をするのがさ 少女時代の終わりだよ 闘うために鎧を纏うことを覚えてしまった かわいい

ほんとに悪趣味なこと言ってる意識はあるんだけどさ、この夫妻ペアの2年目の諍い、皇帝も皇后も幼さ……というか心のやわらかいところを家族に対してしまい込む必要性をまだあんまり実感してなさそうで好きだな……近しい人に無防備でいられなくなるのを少年/少女時代の終わりって呼ぶの悪趣味でごめん


エリザベート、今期で花總シシィはラストみたいな煽りがついてたわけなので花總シシィと全ての組み合わせを記録に残してほしい ゾフィー様も3ゾフィー残してほしい 無茶なのはわかってるが 東宝と宝塚とイケコ氏協同で3枚組5万とかで出せませんか

ん?と思ってキャスケ確認したら今回も田代さんマチソワ連勤でうおっとなった マチソワ連勤であの序章の動きやってるんすかすごいっすね 段の上でくたっと崩れおちるのとか、ゆっくりした動きが滑らかにかつ意味をもって見えるのはすごい

黒羽ルキーニ、「皇后への愛」で顎を少し引いて口元だけで笑みを作るの、おっちょっと余裕でてるじゃーん(ルキーニが)となった
推しがちゃんと自分の理想に戻ってくるとわかってる余裕かい たぶん違う


今回古川トート閣下テンション高くて、少年ルドルフの「ほんと?」に「ああ(オンマイク)」って応えたり悪夢で「ルキーニ!早く取りに来い!(全部メロなし台詞)」ってしてて元気だった。カテコでセンターライン歩き出す前に上手側(残ってるのはシシィだけ)へちょっと会釈したの見ましたからね

古川トート閣下、1幕カフェソングでお姿現すところを初めて目撃したんですけど、あちこち見ていらっしゃるなと思ったら革命家たちを見つけて小さく手だけを上げて合図してて、人群れに紛れこむ変装までお上手でいらっしゃる……とヒトに化けていてもあふれる気品、それでこそ閣下……で反復横跳びした
気品あふれるお姿で革命軍の卓につくとき、座る前だったと思うんだけど、他の客と混じってるルキーニに一瞬目を留めてて、閣下そういうところが信仰できると思いました 立ち去るときも臣下の礼してるルキーニに目を向けたときうっすら笑みを湛えたまま少しだけ顎を上げて視線をくれてやるの、信、……

古川さんのことは一生懸命な優しい(この優しいは根気強いまで含むやつ)方なんだなとこないだ認識した感じなんですが、それとは別に今期の古川トート閣下にはなんか……信仰スイッチ入っちゃうんですよね……閣下を尊ぶ……
井上トート単推し(井上さんではなく井上トート推し)の妹の気持ち、これか?

ズェーブルガーに化けてるときの閣下、声が嗄れてるんですね……? 「事実だ」から張りのある甘い響きを伴うあの感じになる 口調だけは医者を擬態しながら異質なヒトでなきものへ戻っていくみたいなさ
座椅子に飛び乗った陛下がふわっと軽やかに着地してて、こないだ飛び乗った勢いで椅子がズッと動いた(そこに立ってるのに脚の動きと体幹で流して胸から上はぶれないのつよいな……と思った)のは勢い余ってだったんだなと思いました

少年ルドルフの「かわいそう」を聞いた瞬間、正確には少年の意識がトートから離れた瞬間だと思う、古川トートの表情がさーっと冷たくなっていってそこからずっと冷徹なの 閣下 それまで見せてた甘いマスクの優しげなお兄さんしてた柔らかな雰囲気が一瞬でさめた
「友達さ」「ああ!」とかたるときの歓びのある励ますような笑顔も、「猫を殺した」と聞いたときの褒めてくれるみたいな笑みの気配のある驚き顔も、その目に光が入ってすっとあたたかく輝いたのも、全部虚構なんだな、閣下のほんとうはこっちなんだなって
その閣下が成長したルドルフに再会したときあの日の銃を差し出し、立石ルドルフが手を伸ばしたところで(届くはずがないのに)す、と腕を引くの閣下が尊い 突然語彙がなくなってしまった “好”の一次感情がでかすぎて言葉が出てこない

闇広2番で追い込まれるとき立石ルドルフは俯くのでそのままだとトートが視界から外に出るはずなんですが、ルドルフの惑った目が下を向くたび古川トート閣下がぐっと下から覗き込んで彼のまなこから目を離さず、最後には俯くその視線の先にご自分の手を差し込まれていて、逃さない強い意志を感じました

今回はルドルフを突き倒す前には(実際の接触はないまま)両手で肩を撫で下ろすをやってた 「そばにいてやろう」の笑顔……っていうか親密さとゆるしと上位存在のあの感じ そいえばキスの前後で指先で髪をくすぐるの出なかったですね

ルドルフにとっては友達、あるいは信頼できる力強い人(両方かもしれない)だった古川トートが、ルドルフが偽冠を外された瞬間に猛禽みたいな獰猛な顔で弾けるように笑うんだよ 澄ました顔で頼りになりそうに見守ってるようだったのに 飛び込むように崖に座って駆けてきたルドルフを手招き鞭を振る

失意のルドルフが「ママも」と口にしたところで閣下がすいと頭を擡げるのがキュートだなと思いました 死の望みを察知して輝きを増すうつくしき黄泉の帝王という感じで
このときの閣下の美が好きすぎてまず引きで見てから細部を見るをしてしまう 寝転んでるのにポーズが完璧にきまってるのすごいよね

古川トート閣下、口付けたシシィが亡くなってからずっと哀しそうな眼差しをしていてかわいいだった 力の抜けた肢体を棺に横たえてやる(立ってるんだけど)手つきの優しさよ 黄泉の民が死が喪失であると実感したようだったなと


エリザのフランツくんにあと100年、いや50年早い時代だったら彼の望む名君になれただろうみたいなことを毎度思ってしまうんですが、ゾフィーの生きた時代ならばゾフィーが殺しきらなかった臣民の痛みへの感受性でもって息子は名君であれただろうってことじゃんと思い軽率に情緒をやられた(楽しい)

婚姻関係だけで政治ができた時代なら優しい采配でもよかったけど、革命もあり民族問題も熾烈化した激動の時代に求められる君主の素質はまさにゾフィーが叩き込んだ「強く厳しく」「冷静に冷酷に」できる皇帝を演じることなんだよな、って フランツくんには本当にかわいそうなことを言ってるんだけど

ルドルフと赤新聞の話してるときは厳しく揺るがない皇帝をできているのに他の民族より自分たちが優位に立つことを求めて過激化する民の現状を目の当たりにするとひどく動揺するのかわいそうねって思う 諸民族の平等を貫くためには寛容でなく冷静がいる時代

そういえばなんですが、捕まったルドルフへの主感情悲しみなんですね?
私は声から感情を拾うアンテナが育ってないのでそれこそ佐藤フランツの発声ぐらいの勢いで流し込まれないとわからないんだけど、あそこまで細密にしてもらったらさすがに悲しみなんだなって思う

田代フランツ、シシィの書斎でノックをしてそのままドアノブに手をかけ、鍵がかかっていることに気がついてからエリザベートに懇願するのそこまで拒絶されると思ってなかったんだなあ感ある
花總シシィもノブが鳴る音でドアに目を向けるから、呼ばれる前にフランツがいるのはわかってるんだろね

今期のエリザベート、古川さんも田代さんもけして声量がない役者ではないのに相方がめちゃくちゃハイパワーなので、その山崎トートと佐藤フランツの回は役単位でバランス整えてるっぽいマイクの増幅がどえらいことになる うぉでかっ、と怯ませるけど音割れまではしないのは流石の帝劇ってかんじ
  
章平さんの精神病院職員が患者の世話したりルキーニ職員と話したりする合間合間でシシィを気遣わしげに見ているのが優しげでほっこりする
  
田代さんのフランツがする戴冠式で捌けるときのマントの扱い、象徴として立つことの重さそのものみたいな隙のなさと自然さが私は本当に好きでですね あれは1階より2階のが見やすいので戴冠式で見るとこ迷ってるみんな頼む 2階だからこそ観られる美があるんですそこに
田代さんWのときに「こっちはこうしてる」の比較が流れると相手に合わせて変えちゃうことあるので3年前は言わないで隠し通したんですが、みんなに見てほしすぎて遂に表で喋ってしまった 戴冠式、段から降りるときのマントの扱いを見てくれ 式典服なのに身に慣れたものの如く完璧な扱いをする皇帝を

こないだ観たとき山崎トートが初子のゾフィーを奪い取るときシシィをじぃ……っと観察してて、おお……こわ……と思いました そこで愉悦とか期待じゃなくてただただ観察してるの、ヒトを知るための挙動という感じで

「私が踊る時」の花總シシィと古川トート、閣下がはじめ余裕綽々に甘やかなのに段々その余裕が剥がれていくのが好きだなーと思う シシィ、1幕より好戦的で戦ってるなーと思ったりしたけど、上から観たのと下から見るので印象が違うからなのか変わってるのかはわからない