つまるところ。

観劇や演奏会の感想を置いて行く場所。だって青い鳥には推しがいるから。もっと雑多なログもある。 https://utayomichu.hatenablog.com/

ストーリー・オブ・マイ・ライフ感想その2(個別ペア感想)

こっちで語りたいこと語ってからと思ってたんですが、なんか書く前にスクルージ始まる気がして(真顔)

基本的に好きなとこしか書いてませんし好き勝手なことを言っている。個人の感想・解釈であることをご了解ください。
板の上にいる物語の登場人物と役者さんを完全に別の存在として情報処理しています*1のでそこだけはどうかご理解ください。もともとが二次元に推しのいるオタクなんですよ。

 

〇田代さんトーマス・平方さんアルヴィンペア 

田代さんトーマス

4人(4人?)のうち一番人物造形がツボにはまる*2のこの人物なのですっごい長いです。あと最初にも言いましたが板の上の人物と役者さんを完全に別の人物として見ているのでよろしくお願いします。
アルヴィンに引っ張られてた気弱な弟分、ずるくて誠実でやさしい人。“人気作家トーマス・ウィーヴァー”としてあんなに綺麗な作り笑いができるのに、アルヴィンの前でだけ余裕がないのを隠さない、隠せないのかな、あれずっこいよねえ。憐れなほど誠実で。
3度目の「神の偉大な図書館」でアルヴィンに言い訳するトーマスはスピーチをするときのあの綺麗な作り笑いを浮かべてて、でもアルヴィンのひと言で笑みが剥がれて真顔になり、また笑顔を作り直して次の言葉を口にしてというのを繰り返していた。*3 あの場面でトーマスの表情見たの1度だけなんですが、アルヴィンの前で嘘を吐き続けられないの可哀想になあと思って見ていた。その言い訳が本心だと自分を騙せれば楽になれるのに、アルヴィンの前ではできないんだなあって。その誠実さで苦しくなるのは自分なのに。
なんとなくだけど田代さんのトーマスは生来こわがりで人見知りな男の子なのかなって印象をもっている。アルヴィンに手を引かれながらあちこち振り回されて、でも楽しいことや素晴らしいものを見せてくれるアルヴィンを心から信頼している男の子。トーマスはさ、「ベルが鳴るのは天使が翼をもらった合図だ!」*4やパパの話を口にするアルヴィンの背中をわくわくした楽しそうな顔で見てるんですよね。アルヴィンの世界を誰よりも愛しているのはトーマスなんじゃないかと思う。
年を重ねるにつれ対外的にはトーマスがアルヴィンを守るようになるけど、トーマスが重大なことを決めるとき一番に頼るのはアルヴィンのままなんですよね。トーマスを安心させて導くのはアルヴィンのまま*5なんですよ。物語的にもたぶん二人の関係の転換点(のひとつ)は「バタフライ」なんですが、このペアはトーマスがアルヴィンに見せる押しの弱さがあるぶん2人の関係が「バタフライ」を挟んでくるりとひっくり返る印象を強く感じた。
閑話休題
このトーマスは、なんというか、自分を守るために強くて自信のあるふりをするのが習い性になってるのかなあって思う。そう見えるよう頑張り続けてきて、それが普通になっているみたいに。
「いじめっ子の悪党ども」で殴られてるアルヴィンを庇って割って入り、返せ、返せよ!って怒鳴りつけてるときはすごく強気に見えるのに、その後アルヴィンに「でも冗談抜きで、何考えてるんだよ」って聞くときは怒ってるというより困ってる感じなんですよ。*6「むかつくぴらぴら虫」でもあんまり余裕がなくて、表情がくるくる変わる。アルヴィンがトーマスを傷つけないと信じてるから鎧をつけてる必要がないのかもしれない。
「ぴらぴら虫」でアルヴィンに言い聞かせてることを、トーマスは自分でもやってるんだろうと思う。努力して。だって「アクション映画とカーレースとスープが好き」な女性と「素晴らしき哉、人生」とお話づくりが好きなトーマスは話が合いそうな気はしない。雑誌の中身も取り出したときにぱらぱらめくるくらいであんまり興味なさそうだ。それでもトーマスは普通の男が好きな雑誌に興味があるふりをして、そうやって生きてきたのだろう。本当に好きなことは心の奥にしまっておいて、目立たないようにみんなに合わせて、そうやって自分を隠していることにも気が付かれないように。

トーマスにとって、「大人になる」というのは虚勢を張ることだったんじゃないかなあ。
いじめっ子に舐められない強気な態度でいること。サラに何を言われても穏やかさを保って話し続けること。綺麗な笑顔と流暢な言葉でおべっかを振りまいて、"完璧な人間"を演じ続けること。弱い部分*7を誰にも(自分にも)見せず、孤独から目を逸らし続けて、心のやわらかいところに触れられる前に相手に背を向けて突き放すこと。
ノイローゼにもなるわ。アルヴィン今すぐこのワーカーホリックをベッドに放り込め(賛美の表現です。)

〇田代トーマスの特にここが好き
トーマスはアルヴィンが差し出した「出会い」の物語を自分で投げ捨てて置いて、一度は拾ったアルヴィンがぽいって投げ捨てると「あっ」て心許なさそうにするんですよ。
でね、「無邪気で無害な軽い一押し」でも自分からさよならを口にしたのにアルヴィンが「さよなら、トム」って返した途端、目にわーっと光がたまってぼろぼろ泣き出しちゃうの。
なんかもうそういうところだぞ!!!!って感じ。大切なものだと素直に言えなくて、でも自分がそっけなく扱ってもアルヴィンが大事に取っておいてくれると思っているでしょう!!!!(高濃度の幻覚です) アルヴィンに対してのそういう甘えたなところにトーマス自身は気づいてないんだろうな。
・「説明ありがとう そこをどけ!」の音符を蹴飛ばすような"どけ!"の音。このときのトーマス、アグレッシブなすっごいたーのしそうな顔してるの。子供みたいにはしゃいで。ここ以降そんな晴れやかな顔してるとこそう見ないのもあって見ててわくわくする。

あとこれは解釈も何もなく純度100%の幻覚かつ個人的なヘキなんですがこのトーマス、ハンカチの出し方や姿勢がお育ちが良さそうなのに所々仕草がお行儀悪くてその落差がすごい可愛い。机に足乗っけたりとか、余裕がないときの舌打ち?ちゃっと軽く音を立てる仕草*8とか、考えてるときの手慰みや書けない苛立ちでボールペンをかちかち鳴らしてるのとか。目を輝かせてるときと雰囲気ががらっと変わって、情が薄そうというかナーバスそうというか、そういう風に見えるんだよね…見えません…?パンフの表紙めくったところのお写真にどう見えるか絶対わかってらっしゃるでしょう!って爆笑した。いやあの大好きですよ。(あの角度とポーズのスチルにそういう記号があると認識しているのでトーマスの演じる”完璧"のイメージがこれ(人々に求められる幻想をかなえるため孤高な君臨者として振舞うこと)なのかってめちゃくちゃ笑ったんですが、)そういう意図でなかったらホントにすみません。その記号を抜きにしてもトーマスの虚勢の張り方がこれなの可愛いと思う。傷つかないために近寄らせないの、"私生活を整理した"立て続けのさよならがよっぽど堪えたんだなって。頭に書いたけど純度100%の幻覚です。

 
平方さんアルヴィン
おっとりのびのびした男の子。平方さんのアルヴィンはおっとりとして穏やかで、自分の周りのものと過不足なく向き合ってるように見える*9
トーマスに対してもそう。思ったままをぽんっと行動に移して、怒らせたら「ごめん」ってしゅんとして。で、またすぐに素敵なことを思いついてトーマスに話しかける。可愛い。*10何気ない場面で見せるアルヴィンの、無邪気なトーマスへの信頼(トーマスが僕を嫌いになるはずがないでしょ)がめっちゃ可愛い。言葉や感情を過不足なく、ストレートに投げるんですよ。
何気なくない場面ではトーマスのために自分の気持ちを諦めるのでおまえー!!!!ってなる。平方アルヴィン、自分の気持ちを諦めるのが速い。速いを通り越して判断の天秤に乗せてくれない。その感情ちゃんと咀嚼した?だいじなものかそうじゃないかまで考えた?
普段あんなに思いつくまま動いてるように見えるのに、自分のさみしさだけは淡く笑って手放してしまうのめっちゃキツいからな(賛美の表現です。)しかもそういう顔するときは大抵トーマスのためだなきみは? 悩むまでもなくトーマスのほうが大事だったんだね知ってた(幻覚です)
アルヴィンはトーマスを励ますときににこっと笑ってみせることが多いんですが、たまにトーマスの見ていないところでちょっと目を伏せて笑っていることがあって、そういう時のアルヴィンはすごく寂しそうなんですよ。「バタフライ」で羽ばたこうとする蝶(を語るトーマス)の背中を見ながらちょっと目を伏せて笑って、そっと顔を上げた口元にまだ笑みが残っているのがですね。しかもこれ2番のあたりなんですよ。海を目指して翔んでいく蝶を、よろこびと高揚いっぱいに歌うトーマスを見ながら目が潤んでいく。しょうがないよねとでもいうように一度は笑って、それでもやっぱりトーマスが離れていくのが寂しくて(他の感情なのかもしれない)感情を抑えきれないで、でも長い沈黙の後になんでもないように送れば?って言うんだよ。トーマスのために。
このペア、トーマスもえらく虚勢を張るけどアルヴィンもけっこう虚勢を張るよねって思っている。
「もし僕が気に入れば、君はそれを大学に提出する」「うん」「もし大学が気に入れば、君は合格する」「うん」「もし合格すれば、―― 君は町を出る」「……うん」「……、もし僕が『気に入らなーい』って言ったら?」「状況が変わってくる」「つまり君の運命は僕の手の中にある? ――いいね!気に入った!読んで」 

 「バタフライ」を読む前のアルヴィンとトーマスのやり取り。このときアルヴィンは「町を出る」にトーマスが頷くのを見て一度視線を外し、また向き直っておどけて見せながら次の質問をする。このときの目に一番似てるのが「すごいよね、トム」のときで、本心を見せないようしまってるのかなって(思っているんですがどうなんでしょうね。)虚を突かれたトーマスがおろおろする姿を見ての返事にはもうどこか強張っている感じがなくなってて、トーマスを引っ張って色んなものを見せるいつものアルヴィンみたいに見えた。

平方さんアルヴィンは要所要所で振り向いてトーマスの顔を見ていて、思うまま動いてるようでいてなんだかんだ気を遣ってるというか、トーマスがちゃんとついてきてるか確かめてるのが可愛いなって思う。バタフライでひっくり返るまでアルヴィンのがお兄ちゃんに見える(個人の感想です。)2度目の挑戦で逃げ出したトーマスが泣いてるのを見て「素晴らしい仕事素晴らしい仕事…」って記憶を探し回るところ、やっぱりお兄ちゃん感あると思う。
この2人、アルヴィンがお兄ちゃんしてるから友達やれてるところはあったんでないかと思う。もーっ!っていっぱいいっぱいなトーマスにアルヴィンが一歩譲ってあげるから大きな衝突はしないできたんじゃないかな。アルヴィンがトーマスに怒ってる声を向けてるのを聞いたとこは2回、「独立記念日」の後と3度目の「神の偉大な図書館」だったんですが、どっちも結局そのまま喧嘩別れになっちゃったし(もっとあるのかもしれないけど私にわかるのはこれだけだった。)
1回目は「来るな!」へのトーマスの言い訳を聞いた後。トーマスに向けた「約束は守るもの」に硬い、怒ってるような語気の強さがあって、アルヴィンちゃんと怒れるんだ!?とびっくりした。トーマスは背中を向けたまま「なぜいつもさよなら」「さよならアルヴィン」って言っちゃうんだけどさ。アルヴィンが本気で怒ってると、彼が譲ってやらないとトーマスは虚勢を張るしかできない、というか虚勢も張れないで突き放して逃げ出しちゃう。
2回目は「ここで書いて」って書き直しを拒まれてからのやり取り。怒りなのか悔しさなのか他の何かなのかわからないんだけども、トーマスにぶつけるアルヴィンの言葉が火傷しそうなくらい感情むき出しで、トーマスは泣いてるしアルヴィンは怒ってるし二人ともそんなこと望んでないのに互いの言葉でざくざく傷つきあってるし何この地獄絵図(賛美の表現です。)ところでこの場面、3度目の挑戦でも完全には再現できてないんじゃないかと思ってる。トーマスが途中で一度段から降りてしまったとき、アルヴィンは"誰か"と向き合ったままなんですよ。その後の言葉(「みんなが待ってるから。僕、自分で弔辞を何とかするよ」)もかみ合ってないし。あのときトーマスが叫んだのは、もっと致命的にアルヴィンを傷つける言葉だったんじゃないか。「みんな」や「普通」を気にもかけなかったアルヴィンがトーマスにこれを言うのを聞くたび、二人はもう戻れないんだって思う。
〇平方さんアルヴィンの特にここが好き
・「帰省」で外いこうよーって促しても乗ってくれないトーマスに背を向けて言う「あーあ、つまんない男だなあ!」があまりに"つまんない男!"って思ってる言い方でちょっと笑っちゃう。あーあ!ってあきれ顔でほんとに過不足なく言うんですよ。トーマスを振り回してるようでいて、自分につきあって遊ぶ気持ちの余裕がないのを察すると一旦は引くのがアルヴィンのやさしさでトーマスのことよく知ってるなと思う。
・はじめてのさよならで作った笑顔がトーマスに「だいじょうぶか」って聞かれて剥がれおちちゃうところ。強がってもトーマスには見抜かれてるのもひと言で本心が覗いちゃうのも可愛い。それでもお返事するときにまた笑い直すのが健気だなあって思う。ハグするときにはトーマスに見えないからかまたすごい寂しそうな顔してたんですよ。
・平方さんのアルヴィンさ、最後の最後にゆっくり天を仰ぐの反則だと思うんですよ!!!!(ありがとうございます大好きです)アルヴィンは最初と最後で同じ姿勢を取っていて、平方アルヴィンは左膝を抱えてトーマスを見つめているんですけれど*11、ライトが外れて退場のピアノが鳴った後に静かに天を仰ぐんですね。トーマスが一人で前を向いて歩きだしたのを見届けたから天に帰るんですよアルヴィンは……(幻覚です)初めは腕に顔を伏せていたのが途中(東京の後半あたり?)から上向くようになったので私は彼が天に帰っていったんだと思いこんで生きていくことにします。だってあんなことがあってあんな死に方をしたのにトーマスのことが心配で成仏できなかったとかちょっとキツすぎるじゃないですか。
 
〇平方さんトーマス・田代さんアルヴィンペア
平方さんトーマス
おそろしく滑舌がいい。いや本当に滑舌がいい。田代さんの声に対して聞き取りにくいと思ったことないんだけど*12平方さんトーマス、台詞もお歌も音の文字の輪郭に触れられそうなくらい明瞭としてる。びっくりする(賛美です。)
トーマスですね。平方さんのトーマスはお兄ちゃんだなって思う。やさしくて誠実でずるい人。アルヴィンのお兄ちゃんしていて、無邪気で危なっかしい彼のことをいつも気にかけて心から案じているのが伝わってくる。やさしくて誠実で自分が大変なときもアルヴィンを心配して、だから、彼のしたことが結果的にアルヴィンを傷つけてしまっても強く責める気になれない。責められないじゃんそんなの。
「無邪気で無害な軽い一押し」でアルヴィンに「明日会おう!」っていうトーマスの表情。焦りで少しひきつった、それ故にアルヴィンを気遣ってるのがわかる笑顔を向けてるんですよ。このとき以外もトーマスは燥ぐアルヴィンの様子を目で追っていて*13、目を離していたときもアルヴィンが「自殺図った」って口にしたところですっと振り返る。それまで焦りに少し苛立ったような顔をしていたのに軽く目を瞠った真顔をして。
このとき、トーマスはアルヴィンを一人にしたら自殺するんじゃないかと怖れてたんじゃないか。あんな顔をしてる親友を放ってはおけない、でも自分はこの町にいられない(「サラが許してくれない」)、だからこっちに来ないかって誘ったんじゃないか。仕事と私生活だけで手いっぱいなのにアルヴィンのために「全部手配」して、毎日かかってくる電話の相手をして。電話越しの声でアルヴィンをひどく傷つけてしまったのに気が付いて必死に説明しようとして。責められないじゃんそんなの。
トーマスがアルヴィンにそういう風に接するの「バタフライ」以降だなって印象を持っていて、それより前、少年時代はもっと雑な扱い方をするなあって思っている。家族に接するみたいな親密ゆえの雑さ。アルヴィンのことを、よくわかんないことを言う手のかかる弟とでも思ってそう。「賢くて変わってた」って言うから、頭はいいのに空気読めないよなあと思ってたんだろうか。きみのアルヴィンは読んだ上で蹴飛ばしてるんだと思うよ。
「素晴らしい贈り物」のトーマス、アルヴィンがパパの話してるときは引き込まれて聞いてた(確か)のに、「僕にもその力があるはず!」ってあたりから半分呆れた顔するの。それでも律儀について行って動きも真似して、信じてないけどアルヴィンに付き合ってあげてる。このトーマスの信じてないであしらってる感じは後半につれ強くなり、東京では「わかった!」を聞いて顔を輝かせてたんだけど名古屋では本を取り出したアルヴィンに「見せて!」と言いつつ背中向けてて雑じゃんって笑った。さてはここに至っても信じてないな? そのくせアルヴィンから受け取ったトム・ソーヤの冒険を大事そうに置くんだから。ずるいよね(好きです。)これはどちらもなんだけど、トーマスはアルヴィンからもらったトムソーヤの本と送れば?って渡された原稿を同じ場所*14にそっと置くんです。この二つがトーマスにとっての特別なのが丸分かりなの。「素晴らしい贈り物」と「素晴らしい仕事」、記憶の名前もお揃いだもんね。トーマスの人生の転換点はいつだってアルヴィンから渡されている。
「むかつくぴらぴら虫」のときも平方トーマスはけっこう余裕がある。変わらなくちゃ!って言ってるときは真剣なんだけど、まあこいつにはまだ早いよなー(でも人前で虫と遊んだりローブ来たりはやめろ?)とも思ってそう。アルヴィンに「どうなると思う?」って聞かれて雑誌に意識を向けた*15なまま「何も変わらないよ!」って答えるんですよ。ミスエイプリルに夢中で、それでも一瞬だけまーたやってるって兄貴してる顔をアルヴィンに向けるのがお兄ちゃんぽい。自分のことをしながらも、勝手気ままに動き回る気の強い弟分が危ないことしてないか目を配っている。ミスエイプリルをアルヴィンに見せるときもにやにやして、初心な兄弟をからかう*16みたい。アルヴィンに「それ、ちょっと貸して」って言われて雑誌を渡したときはふふんって少し得意げな達成感が見えて、弟の成長を喜ぶ(それを促した自分をほめている)兄貴なんだよね。「なれよ!」の言い方がツッコミぽくて、思う通りにいかなかった苛立ちをアルヴィンにぶつけはしない(ように聞こえた)のがほんといい兄貴だよなーって思った。この後の記憶で、大事なローブを学校に着てきて滝に捨てられたアルヴィンにぶつける「でも冗談抜きで、何考えてんだよ」のほうがよっぽど怒った口調なの。がっちり頭を固定されてもぐいぐい腕引っ張られてもいててててって言うだけで怒らないのに。
トーマスはアルヴィンが自分を傷つけるようなことをするのが嫌なのか。「滝を越えて」でもアルヴィンの自己犠牲に「腹を立てている」って言うもんな。
ひどくない?(賛美です) アルヴィンが傷つけられることに怒るトーマスがアルヴィンの心を折っていくのひどくない?(賛美の表現です)
このペアを見るたびアルヴィンの「僕に話すべきだったよ」「何かは言えたでしょ」にほんとにな!!!!って思う。トーマスだって全部は話せなくても「何かは言えた」だろうし、アルヴィンだって解決はできないにせよ何かは言えただろうに。でもあのトーマスは絶対言えないだろうなあ。アルヴィンがあんなに落ち込んでるときに自分の結婚話を相談できる精神をしていない。そうでなくても言えなさそうだけどねこのトーマス。兄貴をしてたいからなのか心配かけたくないからなのかはわからないけど、どんなに追い詰められててもアルヴィンにだけはそういうとこを見せたがらない気がする。おまえもだぞアルヴィン(飛び火、)君たちはどうしてそう傷ついたときほど気持ちを隠そうとするのか。
3度目の「神の偉大な図書館」、アルヴィンに追及されるたびトーマスはぜんぜん楽しくなさそうに笑って答えていて、トーマスは自分の弱いところをアルヴィンの前だけでは認められないのかもなって思った*17。スピーチのときでさえ少しおっかなびっくりというか、素朴でちょっと自信なさそうに、庇護欲をあおられる調子で話すのに。
いつからの変更なのかなあ、大千秋楽でアルヴィンの肩を掴んだトーマスが「教えろよ」「なんでこんなことしたんだよ」っていうところ、張り詰めた、でも静かな口調で問いかけていた*18。だんだんトーマスの語気が荒くなって「お前が話せ!!!」って怒鳴り声、喉が詰まったような声で「むり」とだけ答えたアルヴィンがトーマスの手首をつかんで外した途端、彼はがくんと崩折れる。
ちょっと逸れるんですがパンフのお衣装コメント(まだ全部は直視できてない)でトーマスはだんだん鎧を脱いでいくっていう解説があって、アルヴィンが二度もトーマスの心を折りに行ったのかのはそれでか、と思った。ひとりでは書けないことを認めたトーマスは、でもまだ鎧が残っているから。
◯平方さんトーマスここが好き
・引き継ぎで「大人になったみたいだ」って零すアルヴィンの頭をくしゃっと撫でてくんですよ。子ども扱いしてあげるの。楽しかった頃を「昔みたい」って表現するアルヴィンを。しょうがないなあってやさしい顔をして。昔みたいに側で守ってはやれないのに。弔辞の約束をなぞった後にアルヴィンのほうを見ないで頭をぽんっと撫でていったことがあった気がするんだけど最早幻覚かもしれない、なんか肩だった気もしてきた。
・たぶんこれ平方トーマスだと思うんだけど、千楽で「関係を維持するのは」の前にトーマスがちょっとだけ諦めたように笑っててですね、ジーザスお前もかという気持ち
・「アルヴィンを見ろ!」って言いながら彼をほとんど見られていないところ。「アルヴィンを見ろ!」って言いながら彼を見るのに、すぐに目を瞑って顔を背けてしまう。昔は彼を見守ってた平方さんのトーマスがアルヴィンを直視できないの。二人の関係は、気持ちも、昔とは変わってしまった。ねえこんなひどいことある? 
・「雪の中の天使(書き途中)」をアルヴィンに差し出したトーマスが反応をそーっと窺っていて、顔を上げたアルヴィンににこっと「気に入った」と言ってもらえてほっとする、その後もアルヴィンの姿を昔みたいに見守ってるのがすごい好き。
 
田代さんアルヴィン
なんかちまっこくて可愛い生き物(177cmある。) "普通"も"みんな"も気にせずに、自由気ままに生きている子どもみたいに見える人。自分がどう見えるかをちゃんと知っていて、でも“みんな”にどう見えているかなんてどうでもいいと思ってそう。自分が何を好きで何をしたいかを知っていて、大切な人が幸せなら他に気にしなきゃいけないことはないでしょって感じ。
あと、トーマスはなんだかんだ受け入れてくれることを知っている。雪合戦の後に肩を組みながらトーマスの脇腹をくすぐったり*19、本屋の魔法を信じてないトーマスに満面の笑みで「ね?」って小首を傾げたり、トーマスがアルヴィンに嫌なことをしないって信じきってるような無防備さ。で、そんな風にぜんぶを預けられちゃうからトーマスもあんまり冷たくできないのかもしれない。トーマス、アルヴィンのお兄ちゃんしてるけど対応が基本あまあまだよね。すごい好きにさせてる。
ちまっこくて可愛くて自由に生きているみたいに見えるんだけど、そう見えるだけでアルヴィンはがんじがらめに生きている。子どもっぽく振舞ってたのも実はトーマスの前でだけなんじゃないかこの人。
病気の父を手伝うために町を出ることを諦めたり*20、サラの話でトーマスが返事に困ってるのを見て冗談に変えてあげたり、アルヴィンはけっこう周りを見ていて大事な人のためにひょいと自分を引っこめる。"普通"なんかより自分の気持ち、自分の気持ちより大事な人の幸せ。彼の中にははっきりした順位があって、けして揺らがないように見える。自分でも気が付いていないことを変えることはできない。
「で? これからどうするんだよ?」
「わからない……これまで選択肢がなかったから」
トーマスの問いかけに目を伏せたまま疲れ切った声で答えるアルヴィンは大人そのものに見えた。アルヴィンが自分を犠牲にして尽くすことを彼の大切な人は望んでいないのに(パパはアルヴィンに「自分を大切に自由に生きてほしい」と言っている)、アルヴィンには他に選択肢がない(選ばないのではなく存在しない)と思っている。
この場面、憔悴しきっていてトーマスの話(「ちょっとしたジョーク」)もほぼほぼ耳に入っていない*21アルヴィンが少しずつ会話の成立するようになってくるのがわりとすごく好きで、アルヴィンにとってトーマスが側にいる(トーマスが彼の気持ちをあんまり見てくれてなくても) 、そのことだけで力づけられるんだなって思う。
それまで虚ろな目でテーブルに視線を落としていたアルヴィンがやっとトーマスを見て口にした「きみになったみたい」に軽く頭を撫でて返してやるトーマス、彼のことをよくわかっているし本当にわかっておらず、だからこそ救いなんだよなあ、と思う。端的に言うと尊さで私の情緒がバグる。
アルヴィンはこの言葉を、直前にこぼれた「大人になったみたいだ」を誤魔化すように口にするんですよ。場に落ちてしまった誰に向けたでもない重い空気、アルヴィンは本当は、これを口にするつもりはなかったのかもしれない。
アルヴィンは「大人」のようという言葉をあまり好意的に使わないんですよね。サラを連れて帰省したトーマスにぎこちなく声をかけるのだったり(「大人びたね」)、このときの「大人になったみたいだ」だったり。前者はトーマスとの間に距離を感じているのを大人になったからだと取り繕ってるように見えたし、後者は、パパやトーマスに(外の世界から)守られていた子どもではいられないのを「大人になったみたい」と言っているようにも聞こえた。アルヴィンのいう「大人」らしくなることは楽しかった昔から遠ざかることなのかな、と思う。でもアルヴィンの行動は、自分のさみしさを隠してパパを助けたりトーマスの背中を押したりする彼の振舞いは誰よりも"大人"なんだよね。
トーマスの前だと子供みたいに表情豊かなのに、アルヴィンはトーマスの前では(もしかしたら前でも)泣かない。ところどころ心細そうな顔はするし泣いているように見えるときもあるんだけど、(田代さんの演じる)トーマスのようにぼろぼろ涙をこぼして泣く姿は見なかったように思う。
「バタフライ」で海を目指して飛んでいく蝶とそれを追うトーマスの背中を見ているところ。アルヴィンはどうしよう、どうしようって顔で手を口元にもっていったり目が泳いだりしてた*22んだけど、そのうち腕を組んだ中に顔を埋めてしまって誰からも顔が見えないようにしてしまう。気のせいかもしれないけど肩が細かく震えていた気がして、でも顔を上げたときには普段と様子は違えど涙の跡は見えなくて。いつもの爛漫さはなく、静かな表情で封筒を掴んだ彼は「…送れば?」ってトーマスの背中を押す。諭すような声で、やさしい、綺麗な作り笑顔で。
アルヴィンはもしかしたら泣かないんじゃなくて、かなしくても泣けないのかもしれない。側にいてくれる大事な人を心配させたくなくて。だってそういうとき、アルヴィンは笑ってみせる。
「アルヴィンの考えていたこと」でママの思い出を話すとき、「前を向いて生きてきた」「それでも人は生きていく」って口にしながら目を伏せて静かに笑うんですよ。アルヴィンは忘れていく喪失感に襲われる*23たびこうやって笑って、大丈夫だよって言ってきたのかもしれない。忘れてしまうことを受け入れるのは前を向くには必要なんだけどアルヴィン、忘れていくことへのかなしさをちゃんと受け入れた?しょうがない、パパを心配させたくないって押し殺したりしてきてない?
ところでこのときのアルヴィンは何度かトーマスのほうを見るんだけどかなしげではあれど比較的穏やかというか、トーマスがいることを確かめるような感じで顔を向けていて、この物語はトーマスに死を受け入れて前を向くやり方を見せるために(このタイミングで)示されたんだなって思う。トーマスが途方に暮れているときに手を引くのはアルヴィンなんだよな……あとトーマスに見せるためにこの記憶を引き出してから「神の偉大な図書館」の再演をするのトーマスには段階を踏んでて「準備ができ」るけどアルヴィンには親しい人との別れを続けざまに追体験する(しかも2度目は前を向けなかった記憶だ)ことだと思うんだけどあの"トーマスだけの天使"に感情があるとしたらなかなかハードじゃないですか大丈夫ですか。
文章しっかりしようと思ってたんですが無理なので戻しますねかなしいときアルヴィンは笑うという話をします。
「アルヴィンの考えていたこと」のときもかなしさを埋葬するように笑うんですけど、トーマスのために笑うときには少し違う、何を思っているのか隠して綺麗に整えた笑顔をする。「送れば?」だったり一度目のさよならだったり、三度目にいう「さよなら」だったり。*24
一度目のさよならで本棚にはたきをかけているときは目に不安や動揺みたいなものが浮いているのに、見送りのためトーマスに向き直ったときはもう綺麗な笑顔を浮かべていて。「大丈夫なのか」って聞かれて笑顔のままこくんと頷いて「パパと本屋で忙しいから」と答えてみせる、ハグするときも笑顔を保ったまま。それでもトーマスはアルヴィンを見て「かなしそう」って言うんですよ、アルヴィンがそうやって笑ってるのが嬉しいときじゃないことを知っている、トーマスは彼を本当によく見ているしなんで香水をつけた。平方トーマスはアルヴィンの表情や気配はよく見てるけどそういう気遣いは苦手そう(勝手な印象)だからな……。ここまで揺らがないでごまかしてるのにハグをしたトーマスから香水の匂いがするのに目を丸くして体を離す、このときアルヴィンはよっぽどショックを受けたんだろうなと思う。
アルヴィンがあの笑い方をするのはトーマスの前だけだっていうのもわりとあのしんどくないですか(好きです)自分が諦めるために笑うときはトーマスから見えない位置で、もっと寂しさを隠せてない笑い方するんだよアルヴィン。無邪気で無害な軽い一押しで、トーマスからさよならを言われて小さく目を見開いてたのがゆっくり笑顔を作って「さよなら、トム」って返し、言い終わるか終わらないかのうちにふらーっと顔を背けてしまう。怒ってるのかと思ったら*25 トーマスの視線を外れた瞬間に笑顔が落ちて、少し離れたところで膝を抱えてうずくまってしまって、限界だったんだな……という気持ちになる。最後の余力を振り絞って笑顔を作るのアルヴィンはトーマスが大好きだしもうちょっと訴えよう?でもこのときのアルヴィンはトーマスに振り回されるのにもう疲れちゃったのかな……。やーしかし、ここまでして自分の感情を隠すアルヴィンが泣きそうな顔してるとほっておけないトーマスはやっぱりアルヴィンをよく見ていると思う。
「ここに残って僕が決めるのを助けてくれる?」「クリスマスもいてくれてもいいよ」「昔みたいになるね」「どう思う?」

言いながらちょっとずつ生気を取り戻してたアルヴィンに不安と焦りでいっぱいの顔して問いかけられたらもうトーマスには無理だよ帰るとは言えないよなそりゃな……。子どもみたいな空想も少し戻ってきた笑顔も強がってただけで、実際トーマスは「なんとか予定をやりくりして」来てるわけだから長いこといられはしないわけで、アルヴィンはそこらへんの判断ができてしまう大人なんだよ。トーマスを困らせてるのを分かってて、それでも冗談にすることはできなかった*26くらいアルヴィンは追い詰められていて、あの「どう思う?」は本気のたすけてだったんだろうなって思う。

笑顔と言えば「お金と称賛」の物語で「大丈夫僕のことは気にしないで(だっけ?」「大丈夫友達だよ」って言うときの口調も笑顔も自然でフレンドリーなんだけどだからこそ怒ってる…絶対おこってるじゃん…って感じがする。トーマスの前でそんな顔したことないじゃん。きちんと反省すれば許してくれるけど怒ってるから謝っただけじゃ絶対許してくれないやつ。え?何のこと?やだなあ気にしてないよって笑顔のまんま言いそう、というか「気にしないで」ってトーマスの言葉への応えじゃ(「君は本当にすごい」のアルヴィンは集中できないトーマスの自罰的な空想で本当はこの会話(電話/手紙)すらなかった可能性があるんですがそれはまあ うん)
アルヴィンがトーマスに気づきを促すときの声が慈悲深くて自分の感情を押し殺したものであんまりだ(賛美の表現)って話もしたいんだけどそろそろ文字量がおかしい。記憶を全部突っ込もうとしてるからですね分けろって話ですね。
アルヴィンたまに、笑顔のまま優しい声でトーマスに声をかけるじゃないですか。「違うの?」だったり「あんなことって?」だったり。温かさがあって柔らかくてトーマスを心から想っているのがわかる声音、だからこそ死者が遺してしまった生者に向けるそれに聞こえてしょうがなくてですね。アルヴィンはもう死んでいて、だからトーマスが前を向くことだけを本心から願える。アルヴィンにできることはそれだけだから。という幻覚を見ています。
ところで田代さんアルヴィンは血色が悪い。大阪ではあまりの血色の悪さにあんなに生き生き動き回っててもアルヴィンはもう死んでるってこと? ってびっくりした。ゲネプロ写真が載った記事を見てまず「アルヴィン血色がいい」と思ったくらい、穏便に言えば色白、直截に言えば土気色に見える。(名古屋はあんまりその印象なかったかも。ライト?)田代さんのアルヴィンは衣装のすそが赤系統(薄いマゼンタ~赤紫)に淡く色づいていて、首まわりの生地もほんのりピンク色なんですよ。まあ顔色良くなく見えますよね。いやそれだけなら不可抗力だしわざわざ書き残さないんですけど、田代さん今回リップの色かなり暗くしてきた、というかあの、それ成河さんルキーニの死人リップ(勝手にそう呼んでいる)と同系色に見えるんですけど。廻りのない血の黝い色。終盤、リップの色が取れてきたときのほうが唇が赤く見えるんですが気のせいですか?後日トーマスのときも同じお化粧っぽいことを確認して少し落ち着きました。)アルヴィンの一番最初の印象がこれだったのは自分でもどうかと思うけど本当にびっくりしたんですよ。
〇田代アルヴィンの好きなところ
・トーマスの「1876年」を聞きながらタオルを目のあたりに乗せてはーって息抜きしてるところ。毎回やってた。可愛いんだけど、可愛いんだけどあそこのやれやれ一仕事終えたぞっていうのに、あの瞬間のアルヴィンは間違いなく記憶の中にいる12歳の子供ではなく記憶の本棚の案内人で、生きているアルヴィンはもうここにはいない事実を突きつけられて勝手に心をえぐられていた。(たぶん自滅。)でも田代アルヴィン、トーマスと同じように記憶の再演から時々抜け出しているのは確かだと思う。この後の「時を超えてどこまでも飛んでいく」で心細そうな顔するのもそうで、12歳のアルヴィンがあの言葉で寂しさを覚える必要はないはずなんだ。
・「これがすべて」で机の端に座ったトーマスを見て、にこにこしながら肩が触れる距離まで詰めるところ。トーマスが埋められない距離をアルヴィンがなくしてくれる。少し照れくさそうに気まずそうにしてたトーマスがあっ、てアルヴィンの顔を見るんだけどアルヴィンはトーマスの顔が見えない向きで座り直してあげてるの。昔みたいに無防備で楽しそうに笑って、アルヴィンの前でちょっとかっこつけなトーマスのことをよくわかっている。
・「滝を越えて」で「さみしくなる!」が通じなかったのにやきもきして投げた枝も滝を越えず、うーって言いながら地団駄をふみ、小さな子どもみたいにもどかしさ(悔しさ?)を表に出すのが可愛いなーって思うし、それほどいっぱいいっぱいなんだなとも思う。アルヴィン、子どもみたいに無防備な好意を見せるくせそういう感情はしまっちゃうような子に見えるので。この場面、トーマスの追及に返す「ちがーう」「うん」の子どもがてきとうに答えてるよな重さの声音も好きだしトーマスにキスをするときの小さな子がしがみつくみたいな抱きつき方も好き。かわいい。
・「これがすべて」でにこにこしながらトーマスをうにっとつっつくところ。とりあえずげきかわじゃん?(語彙)アルヴィンがトーマスにまたあの無防備な笑顔を向けているのが大変に可愛い、よかったね……。
・最後の弔辞のやり取りでトーマスが通り過ぎるまでがんばって笑顔をしてるアルヴィン、彼から見えなくなった途端くしゃりと泣きそうに顔を歪めるから、そういう子だったねきみはね……みたいな気持ちになる。大阪だったか東京だったかではトーマスの横顔をきゅっと眉を寄せて見ていてそれもすごい切なげだったしやっぱりトーマスから見えないところでそういうことする……

*1:
田代さんのことも平方さんのこともとんでもなくお歌のじょうずなお兄さんと思っています。何か望めるなら健康でいてほしい。

*2:きれいに鎧った生き物が余裕をなくして中のものを隠せなくなるのが好きなんですよ。

*3:はじめてのさよならで平方さんのアルヴィンが同じようにトーマスの一言で作り笑顔を剥がされるのを繰り返していて悲鳴をあげた。似たもの同士じゃん

*4:記憶は彼らが11歳の時だけどこの部分はまだ導入で、聞いてるトーマスは本屋を探検する子供じゃなくて弔辞を書いてる大人のはずなんですよ。

*5:「バタフライ」を読み始めたトーマスがちょっと読んではアルヴィンの顔をみて、彼が頷くのを見て緊張を緩め物語に戻る姿が弟みたいだなって思う。1番を読み終わり、うん、って頷いてもらってからはもう振り返らないのも。

*6:「何考えてるんだよ」って言いながら声がきゅっと高くなるのが責めるより訴えかける調子に聞こえる

*7:何も書けないでいること、私生活がめちゃくちゃな(頼る相手も頼られる相手も失った)こと、アルヴィンへの後ろめたさ。

*8:それでも3度目の挑戦では一回もしない。たぶん真正面から向き合ってるときにはしないから、目を逸らさせてももらえないほど追い込まれると出てこない

*9:「滝を越えて」でトーマスに相槌を打ちながら、気負いなさそうな表情で枝を投げる素振りをしてて和んだ。でもこの雰囲気のまま「さみしくなるね」って言ったからなこのアルヴィン。

*10:平方さんアルヴィンの姿を大型犬(気質)と表現している方を何人かお見掛けし、なるほどという感じ。

*11:ちなみに田代アルヴィンは椅子の上で体育座りをする。ちまっこく見える。

*12:私はラウルの第一声で田代さんを好きになったクチです。田代さんのお歌はメロディが付いてても歌詞のイントネーションがその言葉の通りなのでぽんっと意味が浮かぶ。あれすごいと思う

*13:田代さんトーマスは声をかけるとき以外あまり見てない。焦燥に駆られた顔でしきりに時計を確認してる

*14:田代トーマスは積み重なった本の上、平方トーマスは名古屋だけ同じで他は弔辞台の上に置く

*15:にやにやした顔で左手で雑誌を広げ、空いてる手で巨乳を支えてたぷたぷ揺らしている。やわらかな重みのある物体が見えるほどのパフォーマンス力をなぜそこに全力投入したのか(賛美)

*16:しかしまあこのときのアルヴィンは本気で鬱陶しがっててまじで興味ないんだなって。アルヴィン一番のうんざり顔をここで見た気がする

*17:田代トーマスはここでアルヴィンに背中を向けたまま泣き出す。可愛い。

*18:大阪や東京の初めのほうでは叩き付けるように感情をぶつけてたのに。

*19:見たのは一度だけですが。普段のお二人こんな感じなんだろうなあって思った。

*20:進学なのか旅行なのかはわからないけど、お勉強が得意なジョージから見ても賢かったそうなので進学なのかな、「やっぱりジョージベイリーだ」って言われてるし

*21:自失としてたアルヴィンがトーマスの声が途切れて少し空いてから小さく身体を揺らしてぱたぱたと瞬きをする、アルヴィンは笑ってるつもりだろう表情で問い返した掠れた声の「なんだって」、トーマスの話が気に障ったのではなくそもそも聞けてなくての返事なのだと思う

*22:大阪ではじっとしていられないで焦燥感に立ち上がって落ち着きなく目が泳いで、でもトーマスに声をかけたりもできなくてまた座り込んでとしていた

*23:この前の「でもローブ覚えててもママを忘れてしまう」で表情がごっそり抜け落ちる、目を閉じてママのローブを抱きしめて懐かしげな柔らかな顔をしていたのに

*24:そういえば3度目の「神の偉大な図書館」ではアルヴィンこういう笑い方しないな?

*25:アルヴィン、ひとつ前の「約束は守るもの」を高く掠れる(音程はずれない)半分泣きが入ってるよな哀願の調子でいうので、彼の声はまた届かなかったんだなって思う。

*26:「犬にだよ」って言った時みたいに、普段だったら困ってるトーマスに冗談めかして笑いかけて引いてあげてたんじゃないかと思う。