つまるところ。

観劇や演奏会の感想を置いて行く場所。だって青い鳥には推しがいるから。もっと雑多なログもある。 https://utayomichu.hatenablog.com/

180830前楽メタルマクベス感想

スタジオ裏のローズが見えない程度の右手。パーティー会場はよく見えた。

全体的に夫人が脆い。そして幼さがしんどい。
あとところでもしかして濱田さんお声枯れかけているような。シャウトはキーを変えたんじゃなくて、金切り声が出なくなってるのかもしれないなあと思って見ていた。

 

 

今日の前座(8月10日アドリブより(私たちメタルマクベスの前座なんじゃない?))
ちょっとウーサン!
主役がせり上がって来るでしょ、そしたらみんなキャーっ!とか、抱いてー!とか言うのよ

王子の牛乳(カルピス?)、なんか日に日に白くなるなあと見てましたが、随分と濃くなってもう真っ白。
王の衣装、青紫の部分は薔薇の模様が入ってる……またそういうごりごりくることを……。
グレコ、殴りかかってきた男(乳母の恋人?)を返り討ちにした後、腹筋運動を手伝うんですが、今日はさらに、その後四つん這いにさせて何かをやってました。見えたんだけど、あれは何と表現すればいいのか。


濱田さんウーサン、大きく湧いた拍手に腰を折ってしなやかに身を乗り出し、右拳を口元に当てて笑う。の後、お面を突き上げて「うー!」

「あなたは!いずれ王になるお方」
と言いながらたたらを踏むウーサン。それでも目線も姿勢も保つのがすごい。
3人娘のわちゃわちゃでは、たたらを踏んだことを突っ込まれてる感じ。

ヘドバンするとき、息を吸い込んだりよしっ、て呟いたりで毎回気合入れるのめっちゃ可愛いと思うんですよ。首を痛めた林さんに(たぶん)に、大丈夫?って言ってた。
はけていく2人を追いながら、「まって、まって」と走っていく。

エクスプローラーへの予言、引いてみると2人の動きがところどころ対応してて面白い。
「どんな顔すればいいかわかんねえよ!」に無言でげらげら笑う姿が、人を惑わせる魔女なんだなあと思い出させます。退場は看板の後ろでぱっと屈んでたかなあ。確か。


再登場の植本さんウーサン。
いま舞台の上にいるの、全員50代よ

歌いながら遠くへいくエクスプローラー。近くに来たことに叫ぶ客席に、人差し指を立てて一発で静かにさせるのがすごい。いつもは左側の通路を後ろに駆け抜けていくんだけど、今回はそれに加えて横にも走ってました。全方位サービス。
エクスプローラー!おい、ローラ!ローラ!戻ってこい!」
「お前何そんな暗いところで盛り上がってるんだ!」
いつもの呼びかけに加えて、ローラ呼びが加わってました。

森の中で2日間も迷ってしまった!ありがとう、スーパーボランティアのおばたさん!
ってあほか!
おばたさんは広島にいらっしゃる(住んでる)んですよね!
誰だよ!
もうちょっと長かったんだけど(ありがとうございましたーもあった)覚えてない。

お迎えに来たグレコたち。
抱擁の前に息子を張り倒すエクスプローラー。
「しゃすがはメイプルの領主!いや、マホガニーの領主!」ちょっと噛んだ?
がるるるるーっ、のポーズで微動だにしないあのシーン、すごいなあと毎回思う。
会話の右手でばっしんばっしん息子を投げ飛ばして?張り倒して?いるエクスプローラー。
グレコ!」「はっ!」「グレコ!」「はっ!」
2回目に下がった後、さらにくるっくるっと二回まわるグレコ

登場の「うるさーーーい!」がなくなった…なくなってはいないんだけど耳を劈く金切り声じゃなくなったような(前回も?)
このタイミングだっけ、「ああもーうるさい、うるさいうるさーーい!」って言ってたの。
ヤマハの「奥様ー」が困り果てている。
「ねぇ伝令係」「ヤマハっす」(伝令係の…吉田?って言ったりもする。今回もそうだったような?)
「どっちでもいいわよ!ねぇランディどこー?(あの人)いつ戻ってくるのー?」(うろ覚え)このときの表情が可愛い。
一曲目を読み上げた時の夫人の反応を見て、うん、と頷いて次を読み上げるヤマハ
リンスはお湯に溶かして使うPV、ヤマハがエアギターで仰け反ってるのが面白いですね。
夫人の反応はなかなかによかったような。初めは固まってたけど。
うるさいうるさいと、良くも悪くもなさそうなトーンで独り言を言ってヤマハのほうへ戻る。客席に向かって変顔?おどけた顔で何かを言ってた気がするんだけどどうだったかしら。
へへへー、と笑って何か言いながら、ヤマハにCDを返す。

「鋼の鍋と」と言いかけたところでガムテープの粘着面どうしがくっ付いてしまって、あ゛って言ってから「鋼の鍋、鍋と、」と言いながらぐっと引っ張って外してました。貼り終わったところで「あーっ」と挟んでいたような。
ランディとの戯れ合い。「いーつー」の「つー」の音がひょいって上がって、よりおどけた雰囲気になってた。

「どうした、怖い顔して」ランディまで艶やかな声音で抑揚たっぷりに言うものだから、夫婦……と胸がいっぱいになるようなにやにやしてしまうようなで心が大荒れでした。好き。

「歌詞がないなら好都合、私が歌って差し上げるわ」るわ、のところで噴き出しちゃう濱田さん。何があった。

「私の殺意」
歌い出しの、ベッドに仁王立ちして衣装の胸元をぐっと握り締める姿が艶やかなのにかっこよくて大好きです。歌い終わって、マイクを手放す姿も。
下のほうを見てるけどマイクを見てるのとも違って、何処を見てるんだろうと思ってたんですが、何処というかなにを見ていらっしゃるんですか奥方。容赦なく情事。
目も口もそして心も、大歓迎の振りをさせるの、できるわねランディ(心にも、だったかも?)
今回は、艶を帯びた(いつもより)低めの声で語り掛ける夫人。真剣だけど切なげな表情で胸を押さえ息を弾ませて答えを待っている。
高い声や掠れる吐息のような、夫の前でそういう感じている演技をする余裕がなくなってるようにも見えてですね。いい……好き……。
ああ、と肯定したランディに覆い被さるように抱きつく。やっぱり上から抱き込むようにしてるよね……?


場面転換。
今回ホテルスタッフさんのリアクションがいつもと違った気がする(詳細の記憶は飛んだ)
壁に寄りかかって立つローズ。憮然とした表情でメタルマクベスたちを眺めている。時折口元をもごもごさせてるのはガムを食べてる仕草なのかもしれない。壁に寄りかかってすぐ、薄く口を開いてちろりと唇を舐めた(気がした)。
ちょっと天井のほうを向いて欠伸をしかけたところで、後ろから「来てくれたんだね!」と声をかけられてぱっと表情を切り替える。

半ケツを言い渡す!いやっ、ちょっと、やだ、と言いながら、腰が引けてる姿勢でずるずる下手側に下がっていく。手が離れたあとは、掴まれてた左腕を鳥肌出ているみたいに軽くさする仕草。……そういえばスーツからけっこう腕が出てた?
マクベスとバンクォー、声を合わせての「一冊たりともな!」で笑っちゃうローズ。
何いばってるのよ(でしたっけ?)の台詞は笑いが滲んだ声だし、名刺が出てくる前なのに「はいどうぞ」の時点で声が震えてる。いつものすれ違いざまに渡すのではなく、真正面から手渡してました。
マクベスが受け取った本をぱらぱら捲って言う「シェイクスピア?」のところでもう笑っちゃってる。
「名刺よ!事務所でスカウトとかしてます(だっけ?)」客席にまっすぐ向いて、頑としてマクベスを見ないローズ。名刺?の面をローズに見せようとするマクベス。(ローズは頑なにマクベスの方を見ない。)最後は回り込むようにして名刺を見せて、「連絡して」で無事?笑い崩れるローズなのでした。言い終わった後、やっぱりしばらく笑ってた。
名刺の裏側は黒くてコーティングされてるような光沢がありましたねー。表面は何がかいてあるんだろう。

グラスを受け取ったその場でくーっと呷るローズ。もう隠す気がない……!
長い髪をぶるんぶるん、という口上でローズの方を振り返り髪をいじって見せるマクベス。ローズもそれを見て笑ってて、仲よさそうな雰囲気。
バンクォーの乾杯のタイミング、今回は溜めず。社長のセリフを持ってったみたいになってた。
カチン、とグラスと瓶(マクベスは瓶を手にしてた)を合わせて乾杯する2人。
退場するときのグラスの返却がうまくいかなくて、係の女の子に笑いかけながら置き直してた。ごめんなさいね、って感じの表情。余裕のある動きができる大人の人って感じ。
このシーンのどこだっけな、茶番のところだったかな、可笑しそうににこにこしてたのが印象的。

産気づくシマコを一生懸命助けようとするナンプラー。が、最後は千枚漬けをタンバリンに見立てて叩いてました。


レスポールJrに話しかけるところ、「こんなに大きくなられて!」の前かな、 身を翻してこちらを向いたとき、一瞬素で笑ってるような表情をしてた。すぐに切り替わったけど、なんだろう、Jrの顔芸にツボったのかしら。(Jr、色んなところで顔芸差し込みますよね)

ランディが殺害を決意したときの夫人の笑顔!本当に嬉しそうに顔を綻ばせる。
そのまま抱きついてのキスシーン。リップ音が。リップ音が。
ランディの腕の下、しがみつくように?脇の下のあたりに両手で触れ、彼の顔をきらきらと期待した眼で見ている夫人。頼りにしているわ、って感じ。その手を肩からつ、と滑らせ、右手をぎゅっと握って歌う。手を離すところは見えなかったけど、勇気づけるような雰囲気でした。好き。

額をつけるシーン、幼子に接するような慈愛の微笑みを、そんなときにするのか……、と思う。歌詞のすべてうまくいく、が、だから安心してとでもいうように聞こえる。

王の最期のセリフ。
「なぜだなぜだなぜだ……!我が子のように思っていたのに、ランディ……」
全部乗せで来た……!

錯乱するランダムスターと、混乱したような表情で夫の動きを追っている夫人。今回の夫人、やっぱりあんまり強い人には見えない……。


翌朝。
降りてきながら両腕をあげて伸びをするランディがいいですよね。細かい、そして昨夜のあれを見ていると態とらしい。
橋本さんズの攻防は今日もエクスプローラーが優勢。衣装を押さえるところに視線がいくと、服が余ってるのがよくわかるな……。
どうして私たちの城で!?
泣き崩れそうになるのを召使い?の女性が手を取って支えていた。
寝室から駆け下りてきたランディの声にびくっと肩を揺らすのに、弱さを垣間見た気がした。
夫人を支えるように肩に手を回すランディが優しい夫って感じ。
王の葬式では全体的に沈んだ表情で。あんまり哀しみを表に出す感じではない。
それでもグレコ夫人を慰めるときは悲痛な表情をしていた。
夫人の番が来て、花を供えるときに王の顔を見て表情を歪め、左手を口に当てる。花を置いて下がった後もその手を首元?胸の上あたりに当てて喘ぐようにしていて、右手でみぞおちのあたりを押さえていた。
しばらくして少し落ち着くと、手を落として前で揃える。指を揃えて、左手で右手を軽く包むようにしている。(逆かも)

今回の夫人、昨夜はあの後寝てないんだろうなあって空気がひしひしと感じられる。
グレコ夫人を慰めるときみたいな、人の目があるときははっきり嘆きの表情をするけど、誰にも注目されてなさそうなときは少し目を落としていて、表情も精彩がない。あんまり寝てない、寝られてないんだろうなあって感じ。

ここでさ、グレコ夫人が「どうしたのあなた、そんなに青い顔して」って言うじゃない。これと全く同じセリフが、後になって出てくるんだよ……。


1幕終わり。
歩み寄るランダムスターに両手を伸ばしたように見えた。後ろ姿から左手の所在は窺えなかったのだけど、肩に回されたランディの右手(夫人の肩より前で、座席からは見えない)を掴んでいる感じなのかな……。右手はランディの右手に触れていると思う。

 

2幕。
この場面の夫人は今日も君臨するものでいらっしゃる……。安定の威風堂々とした雰囲気が圧感。
後半、スピーカーの近くにいる辺りから、(歌詞の通り)情けないと言うように表情を歪めていたような。座りこむときちょっと頰を膨らませている。ここ数回はあんまり大きくぷくーっとはしない。座ってからスカートのひだがまっすぐになるようさりげなく裾を整えるところが好きです。細やか……。
細やかなのにあぐらなの冷静になってみると結構面白いですね。あの衣装で足が出ないように座るにはあぐらしかないのだろうなあ。

王にはならないーがー、王を、生み出す、おとこーおー↑
で出てくる魔女たち、よっく見ると灰色のチークなのが面白い。チークってそういう使い方も出来るのか。
マクベスの「親友じゃないか」に応えて、マクベスの肩を掴むように叩くエクスプローラー。いつもはここで恐縮することが多いように記憶してるので、ちょっと驚いた。
その後の、晩餐まで(夜まで?)には戻るよう促すランダムスターにもちろんさ、というように頷いて見せてました。
大量破壊兵器の使用と亡きレスポール王の考えについて。ランダムスターの台詞を遮って「剣のみで戦うことこそ!」と入るエクスプローラー。この台詞にも被せるように、ランダムスターが「時代が違うんだよ(変わったんだ?)!(うろ覚え。いつもと同じ台詞でした)」と続ける。2人とも真剣な雰囲気でした。
はじめのランディの台詞が違ったのか、ちょっと巻く必要があったのか、何かの意図がある工夫なのか。
部下をさがらせてからJrの行方を話すランダムスターの言葉を聞きながら、バイクに跨った左足を浮かせたり戻したりしてて、手持ちぶさたなのかなあと思わせる。


こっこっこっこっ、と軽快に歩いてくるローズのヒールの音に胸を高鳴らせました。
「どうしたのマクベス
「後でほめてもらおう」にっと笑うローズ。歯を見せるように笑うの珍しいなー。あははって感じの笑い方も。
スタジオ入りしてからのローズは見えない位置だったので、マイクに近づく彼女の怪訝そうな表情を脳裏に残している。
青ジャケットのベースとえらく親密そう。
ローズから遠い側のスタッフがスタバのカップを渡すのが好きです。一緒に仕事をする人の好みを把握している上質なスタッフ。

マクベスあなた疲れてるんじゃないの?
どうしたの?
何焦ってるの?マクベス
音楽が始まれば拳を握って腕を振って、楽しそうにしている(たぶん)のが可愛い。今日はノリノリだったなあ。

エクスプローラー、前回は刺されたとき一瞬変顔したのですが、今回は普通の?苦悶の表情。
マーシャルの決死の突撃で一度は敵の刃を妨げるところが好きです。そのマーシャルを庇って致命的な一撃を受けてしまうところも。

パーティー会場。
マクベスマクベス
やっと気がついたマクベスの髪を直してあげるローズ。一度で直しきれなかったのか、二回顔に手を伸ばしていた。
ほっとした顔でお腹空いてるのよー、ってマクベスのフォローに入るローズである。
グラスを受け取って、青いベースの人とやれやれと言った表情で何か言い交わしてる。
泣いてるナンプラーをみんなで慰める。ここで、ちょっと肩に触れるようにするローズが好き。
乾杯、グラスに口をつけてからもう一度くーっとグラスを傾け、はっとファンのところへ駆けていく。グラスに口をつけてるときの表情があまり人の目を意識していない感じで、考え事している風にも見える。
ありがとうございます、みなさんのおかげで……
幻覚を見てからのマクベス、気を持ち直してるとき以外はずっと怯えた顔してるんだね。見られると興奮しますからね、でぱっとゴリラのドラミングポーズするローズ可愛いと思うんですよ。道化るときは思い切るほうがよく見えることを知っているんだな彼女は。

メンバーに向かって、はやく、カウント、カウント!
マクベスの入るところで指をさす?ような素振りをして、えっ?と焦った顔。

マクベス歌って!マクベスちょっと!マクベスマクベス歌って!
右手を頭に持って行きかけて、声をかけたギターの子に手?手首?を掴んで、焦った表情で続けてって言ってる。
ストーップ!からの台詞、初め見たときは強めに目を閉じて言ってたんだけど、今回けっこう目を開けてた?
痛みを堪えるような顔で手を合わせて、どうかご内密にお願いします、と言うところ、あそこだけすっと声が通る。声を張ると言う感じではないのに不思議。


壁に掛けられたランダムスターの服の裾を整えている。
声をかけられた振り向いた夫人、ランダムスターだけじゃなくて彼女も疲れた顔をしている。

きゃあっ、と下がる夫人、手をびくっと引っ込めて口元というか胸元というかに持っていっていた。
崩れるように膝をついて、やめてよ、もうイヤ…!(うろ覚え)と小さく悲鳴のような声をあげる。左手を握りながらがなり立てるランダムスターを宥めるように右手を立てて。わかった、わかったから、というような力ない動き。
「もうやめて!」「血を見るのはもう嫌!」ランダムスターに縋り付いて、泣きそうに叫ぶ姿が悲痛で。武人のランダムスターと違って、彼女は血なんて見たことなかっただろうに。

「最初にけしかけたのは、君じゃないか!」さいしょ、が心持ちゆっくりなのが、激昂する様を表してるのかなあ。しかしそれを、泣きそうな妻にそれをぶつけるのかランディ……。
床に打ち付けられた夫人、続く言葉に泣きそうに口を歪めた後顔を伏せてしまって。頭を守るように置かれた腕が印象に残っている。
「勝手にいけば」の冷たさ。
行きなさいよ!魔女でもパチンコでも散歩でも!行きなさいよ。

(あんた)前は戦だの(何だの)でたまにしかいなかった(帰ってこなかった)のに、(今じゃ)ずーっと家にいるんだもの!

何、あんた引きこもり?引きこもりなの?ねえ
(ず、)ずっと一緒にいたいって言ったじゃないか
言ったわよ!でも
煮詰まるの!ほんとにずーっと一緒だと煮詰まるのよ!
たまらない!(これじゃ)トイレにも行けない、友達も呼べない!(いつもは「たまらない!」がないはず)
煮詰まるのよ!煮詰まる、煮詰まるの、煮詰まるのよ……!(もぉ……!って小さく叫ぶ回もありますよね)
あまーい……
キャラメルさ!(宥めるつもりの、大仰な動作でわざとおどけてみせるランディがさ……)

ごめん、あたし言い過ぎた
両腕で顔を覆う。

キャラメルの歌、「赤い血」と応える夫人が、伏せていた顔をさっと上げて、何かを睨めつけるような目をしていた。この後ランディと身を寄せ合う姿も、安堵という雰囲気ではないんだよなあ。
ランダムスターにそっと両手を握られて段を登るところ、夫人が足元を確認しなくなったのはいつからだろうな……。
左手を包むランダムスターの手に右手を重ねて、はじめはそっと、スクリーンが閉まるときにはぎゅうっと握っていた。苦しげな表情が、彼女にはもう安らぎが訪れる事はないのだろうなあ、と思わせる。

 

スウェットローズ、歌い出す前にこちらにぺこり、とお辞儀をしたんですよ。手を外から回すような、うつつにはいない感じで。ここでアドリブ入れるの珍しいなーと思ってみてたら、そのままくるりと反対を向いて、同じようにお辞儀をしたんです。誰もいない方に。
そ う い う の ほ ん と し ん ど い か ら さ あ!(ありがとうございます)
2人でぐるぐると身体を揺らしているところ、ローズはやっぱり正面を向いてるときだけ表情がしっかりするんだけど、今回は目がどことなくぼんやりしたまんまでさ……。
それなのに、叫ぶように歌ってからバスタブの裏に回って沈んでいくまではキレのある動きと最高にキュートな表情で。バスタブの縁に手を添えて脚を上げるときの笑みなんか、完璧に魅せるための綺麗な表情でさ……。最後の煌めきって言葉がよぎるのが……重いしんどい……。
ところでローズ、関西弁なのがまたしんどさがあると思う。西のほうのアクセントをちらとも感じさせない完璧な標準語を話す彼女はどれだけの努力で身につけ意識して振舞っていたのかが現れているようで。つらい……好き……。


「国王様……?」おそるおそる声をかけたヤマハが肩を掴まれ震え上がるような驚愕したような顔。「魔女どもは何処だ!」に眉を寄せて応える、「お気を確かに……!ここは、城内です…!」の必死さが辛い。害を加えられることを怖れるだけではない悲痛さがある気がするんだよなあ。
「そいつらに伝えろ、殺し屋どもに伝えろ!」激昂して繰り返したように聞こえるからすごい。
最後の笑い方が、がさつな悪党そのものなのが辛いなって毎度思う。

 

ガンダムですか?」「ガンダム!?」って言ってなかった?気のせい?

「どうしたのあなた、そんなに青い顔して」
レスポールは 土の中。エクスプローラーも、土の中。土のなーかー、と節をつけて歌うように呟く。完璧すぎて涙がでーそーおー、と雰囲気が似ている。
ひひひひひ、と笑って、誰も、私たち(の罪を?)知りはしない!とエレベーターに乗り込む。
ぐるりと身を翻すとき眼を剥きながらも勝ち誇った笑顔を浮かべていたのに。
エレベーターが動くと、縮こまった手を口元に持っていき譫言を言い始める。
(世間を?)欺くには(ね)、心から思い込むの。レスポールを殺したのはジュニア。(このあたりでエレベーターが開く)ジュニアは親殺しジュニアは親殺しジュニアは、
心から思い込むの。が言い切る強さで、誰に語り掛けるでもなく、変に抑揚に乏しくて。


私臭いですか!?
臭い!ねぇ、ねえ。水、水持ってk
世界中のどんな香水を使っても、世界中の石鹸を使っても!この臭いは落ちないんだわ……!
臭い!から間髪入れず囁くような小ささのねぇ、からどんどん激昂していって、前触れもなくぶつりと切り替わるのが本当に背筋が冷える。世界中の〜を言い出すときの声の小ささと目を見開いた様が……正気が残ってなさそうなの本当にもう。

しゃがみ混んだまましん、としている夫人の、頭を抱える手が小さく震えていて。

あ、エレベーターを上がる裏側でのやり取り、今回は耳鼻科のくだりがなかったです。
今日のお医者アドリブ、「風邪引かないように。手とか洗ってね。もう洗ってるか」
この夫人に!今の彼女の前で!それを言うのか!

雷雲の音に、身体を抱えるように立ち上がる。
地獄は暗い。
地獄はさむい……!
いやだ…!
あぁ、ああ……
泣き声と鼻をすする音。

 

マクベス……
もうねましょう……?


手を繋いで歩き出したときは笑ったように見えたんだけどなあ……仕草だけで、気のせいかな……。

エレベーターを出ながら、ぱしぱしぱし、と手を叩いていました。
そのまま舞台の真ん中まで歩いて。
ねえ…怒ってる?
あたしのせいでしょ?
あたしがいなければ あなたは今頃(呼吸も挟まずに声の調子ががらっと変わって、抑揚が全くないまま声が続く。
有頂天、の後ぱちぱちぱち、と拍手をしていた。目を剥いたあの表情、全く正気を感じさせない。拍手を止めるみたいに、あるいは手を傷めないように、夫人の両手を掴むランディ。ランディの手が触れた瞬間、糸が切れるように表情と動きが落ちる。本当に無しかなくてとても正気には見えないけれど、そんな表情でも「落ち着いた」ように見えてしまう……。


あのね、大きな箱にはね、お化けがいた。
小さい箱にしとけばよかったよお……!
手を口元に持っていって泣くローズが本当幼く見えて、この回の痛々しさが本当に。本当に。

あたしのせいだ……!
マクベスマクベスごめん、ごめんなさい……!

マクベスの膝にすがりついて泣くローズ。泣きながら、マクベスの右手に縋るように左手を重ねて。ぐす、と鼻を鳴らす姿が、力の抜けた背中が本当に幼い子供みたいで。

ふわあ、と顔を上げて、「いやよ」と立ち上がる。当然、重ねた手は離れて。
今回はマクベスの表情ががっつり見える位置だったのでマクベス見てたのですが、はっ、と衝撃を押し殺すようにして、「どうして?」とあくまで穏やかに尋ねる彼がしんどい。膝に両手を置いて腰を落とした夫人の背中が細い。あんなに威厳のあった背中が、消えてしまいそうに軽い。
「あなた病気だもの」に、悲しそうに、でも納得したような何かを諦めたみたいな表情でそっか、と言うのだ。

2人の「私の殺意」デュエット。
ランダムスターが歌ってるときにベッドからつんのめるように下りて、くるりくるりと小さい動きで回る姿が幼さを感じさせて。10にもならないおんなのこみたいなちいさく見える細さ。くるっと回る動きと拍がずれないのほんとすごい。


レスポール王、今回は問うときから辛そうにランダムスターを見ていた。
「ならばゆけ、ランダムスター……!」


今日のグレコ、右肩の狼を見せつけるみたいにしっかり後ろを向いてました。

最後の2人、左手を腰に当てた、自信に溢れた気の強そうな夫人の笑みが魅力的でかっこ良くて。ランダムスターと並んだときの二人の揺るぎなさ、悪として君臨する者の存在感ですよ。
カテコではけるためにくるりと向きを変え、真っ先にランダムスターに手を伸ばす夫人がたまらなく尊い
互いの身体に腕を回して去っていく2人に、よかったねえ、よかったねえ……と救われる気持ちになるんですよね……。

カーテンコールが終わった後、濱田さんが感極まったように片手で口を押さえてて、はけていく皆さんを少しぎこちない動きで追いかけてらっしゃった。
3回目くらいにぴょんっと段差を飛び降りているのを見られたので割と胸いっぱいです。
放送が流れる中、止まない拍手に4回目のスクリーンオープン。舞台の真ん中、高い位置に橋本さとしさんが立ってらして、他の役者さんが慌てて舞台に集まって来てた。
舞台の前ギリギリまでダンッ!と前に出た橋本さん、初めの「皆さん、」がマイク入ってなくて、スタッフさん気遣ってくださったんだなあと。