メタルマクベスのネタバレを多分に含みます。
個人の感想、一考察であることをご了解ください。
2部後半のスウェットローズをみんな見てくれ。痛々しいから。
欲を言えば濱田さんローズを見てほしい。推しだから。
まくべすー、と呼びながら左手からふらふら現れるローズ。薄汚れたスウェット姿にシュシュ。ケン◯ッキーのファミリーパックに似たチキンを抱えている。
滑らかさのわりに遠くまで届く声。あれだ。周りにどう見られているかを意識していない人間ってこういう声を出す。
どん底までおちた人間の歌にはねえ、◯◯にはない?すごみがあるのよ(一部抜けた)
「台詞の内容はしっかり聞き取れる」と「なんて言っているのかよくわからない」を両立させて表現することなんてできるんだな……
スウェットでのダンス、ふらついた歩みと軸のぶれないターンのギャップがすごい。どうしてそんなにパッと切り替えられるのか。
歌っているときや踊るときは強い視線と表情なのに、あっというまに心ここにあらずといった様子で心が痛む。
ぐうっと体ごと頭を揺らすパフォーマンス(あれはヘドバンというやつなんです?メタルの知識がない)、動きは滑らかなのに意識がここにないような表情をしている。あれはローズの演技なのか状態なのか、どちらにしても見ていて首の後ろが強ばる…。(好きです)
このシーンのローズは見ていて非常に痛々しく居た堪れないんだけど、ここまで何も分からなくなっているほうがいっそ幸せ、というか楽かもしれないなあと思う。夫人を見ているとねえ…。
ローズの振る舞いや判断基準は人からどう見られているか、が大きいように見えるし、それが認識できなくなっているなら苦しみは少ないんじゃないかな……。自分に何ができるかっていうのも他者を基準に測ってたんじゃないかなあ彼女。(己が関心を持ち、影響を与えたい)他者を鏡をして己を見ていたローズにとっての他者があのマクベスだけになっているのなら、2人でいられる限り彼女に葛藤や苦しみはないだろうしね。
正気だった頃のローズにとっては耐えられないものだとしても。
しかし考えれば考えるほど可哀想だなこの人……純然たる巻き込まれだよな……。